激しい嵐が過ぎ去った朝
ふと 頬をかすめる
ひんやりとした感覚に 目覚めた
ソライロアサガオの花びらから
一片の雫が
生まれては消え
生まれては消え していた
果てしない天空をはるばる旅して
今ここにたどり着いたの
それとも
去年の夏に撒いた水滴が
地面に染み渡り
その後 地を這う根に吸い寄せられ
茎を上り葉先から水疱となってにじみ出し
穏やかに落ち着いた今朝になって
朝露とともに生まれてきたの
どんなに遠くから雲に乗ってやって来ても
どんなに長い時間をかけて地から湧きいだしてきても
同じように澄んだ輝きを抱え
同じ大きさで 同じ間隔で
生まれては消え
生まれては消える
その一瞬だけ切り取ると
とても儚く見えるけれど
ぼんやりと想いを馳せると
いつ途切れるとも知れぬ
永遠のときを廻っているのかもしれない
しずく ひとひら
永遠を携えた
ひとひら
ログインしてコメントを確認・投稿する