駅までの
歩道にひしめく
カラフルな
傘の大群
朝の通学時間帯は
いつも混雑する場所なのだが
今日はいつにも増して
・・・多い...
ちいさい傘たちだから
みんなぼくの腰ぐらいの高さ
だから
君たちの前に立ちはだかるぼくは
きっと 巨大な邪魔な壁
と言うか
おっきな傘に覆われて
きっと前が見えていない
誰かが向こうの何かに反応すると
みんな一斉にその方向を向き
皆の歩みが一瞬止まる
そしてまた
わいわい動き出す
まるで
鳩の大群やイワシの隊列のよう
「と、通れない...」
(ぼくの心の叫び)
そのとき
救世主 現る!
群れの中で
誰かのママが手を引き
引率していたらしい
「ほら!ちゃんと並んで前向いて歩かないと、他のひと通れないでしょ!」
何という統率力!
おかげでぼくの危機は
無事回避された
ありがとう! ボス
稀に見る危機ではあったが
まあ ぴょこぴょこと
可愛らしいから
ぼくのダメージは皆無であった
大群を抜け出すと
あとは いつもの
駅までのまっすぐな道が
いつものように
続いていた
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