運転歴34年

麻由美ちゃんは車の運転がめちゃくちゃ上手い。
どんな狭いとこでもすいすい入って行くし、駐車は自由自在。
雪道や凍結路もお茶の子さいさいで、いつも感心する。
車はもちろんいつもピカピカで、ボディやバンパーのすり傷どころか、ホイールのガリ傷すらない。

そんな麻由美ちゃんときみえちゃんのところへ行き、なんか食べに行こうとなった。
ボクがニヤニヤしているのを見て、ふたり揃って、あそこは無理、またこの次にといい出す。
いや、なんも言うてへんし。
しかし、やつらにはわかっていたらしい、敦賀に行って魚食べたいってことが。

ええやん、高速乗ったら20分なんやし。
それ、誰が運転すんねん。
誰って、麻由美ちゃんに決まってるやん。
わたし、高速運転したことないもん。

びっくりしてもた、運転歴34年の麻由美ちゃんが高速使ったことないって。
地元で走ってる分には使うことないし、遠出するときは電車使うか誰かに乗せてってもらうからなんやて。
そんなやつ、ほかにおらんやろ言うたら、まわりのおばちゃんたちもけっこうそうなんやて。
車って、どこでも行けるのが楽しいんやと思ってたけど、地方で生活の足として使ってる人たちにはまた違った付き合い方があるのね。

そんなわけて、行きはボクが運転するとしても、帰りは１時間かけて帰ってこなあかんので、敦賀は却下。
次の機会にとなってしまった。
なかなか思うようにはなりませんなあ、ぽてちん。