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2016年05月06日22:41

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フェアレディ−Z

 
上越新幹線・越後湯沢駅の東口駅前に「タカハシヤ」という酒屋兼お土産屋
さんがある。

越後湯沢っていうのは西口の方が温泉街で人通りが多く、旅館やお土産屋さん
が豊富で栄えている。 対する東口は、ハイ・シーズンでもちょっと寂しいと
いうか、人っ気があまりない。 よく見ると商店はそれなりにあるのだけれど。
国道や高速道路からは、東口側の方がアプローチが良い。
  
そんな東口で、ひとり息を吐くのは中野屋という有名な「へぎ蕎麦」屋さんだ。
ここだけは常に混んでおり、土日ともなれば行列が出来るほどだ。
逆に言うと、中野屋以外はあまり盛り上がっていない。

そして、その中野屋の隣にあるのがタカハシヤ。

店の前に、銅色にピカピカ光るトヨタ86(ハチロク)というスポーツ・カーが
すっと停車し、運転手がタカハシヤに入っていった。
店主の高橋氏、この運転手に一生懸命お酒を売り込むと共に、世間話を展開すべく
86に焦点をあてた。 さすがは小売業のプロだ。
 
曰く、
「おお、お兄さん、かっこいい車に乗っているねー」
「これって、昔でいうところのトヨタのフェアレディZだろ?」

えぇ?
そのお兄さんは固まってしまった。
「いや、まぁ・・・フェアレディZよりも少し小さいですけど・・・」


【解説】
・86はトヨタで昭和時代に製造していたカローラレビン・スプリンタートレノ
 の型番AE−86を懐かしんで発売した車。
 レビン・トレノ時代は排気量1500〜1600ccの軽さ、コンパクトさが売りだった。
・現行の86は、排気量2000ccにアップしたが、それでも現代の車としては小型
 であることを特徴としている。
・一方、フェアレディーZとは、日産が製造するスポーツカー。
 昭和の頃は排気量2000〜3000cc、その後に排気量がアップされて現行車は
 3700ccの大型エンジンを積んでいる。
・双方ともスポーツカーであるし、確かに2ドアクーペという意味でフォルムも
 似ているけれど、サイズや目指す方向性はかなり異なっている。
・このため、お兄さんは、自分の86と”トヨタの”フェアレディーZを比較され、
 ちょっと戸惑ってしまったのであった。


でもまあ、車に興味がない人にとっては、86とZなんて、差がないよなー。
というか、同じ車に見えるよな。 うん、見える、見える。 確かに見える。
それで、世の中は、充分に回る。

作っているのはトヨタでも日産でもいい。そんなの関係ない。
2000ccと3700ccなんて、大して違いはない。
どっちも若者の乗るスポーツカーだねーって、その程度の認識で、誰も困らない。

平和で、いい国だ、ここは。 私、好きだよ。


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