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2016年05月01日18:38

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小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 8)

小説・限無幻夢 (今日と言う昨日 8)
「冗談はともかく」とメグが話しを続けた。
「重い物の周りでは光や空間が歪むと言うのが相対性理論らしいわね。空間を曲げるほどのブラックホールはどうして出来ると思う?」
 そうなのだ。過去へ戻ると言うことは空間が歪まなければならない。歪んだ空間の中を光が一定の速度で進むのだからタイムスリップが可能だと言う説が生まれたはずなのだ。
「隕石が落ちたとか?」
 俺は自分の発想の小ささを思い知る。どこかで見た映画や小説の受け売りから抜け出せない。これだけ科学だ発達した時代なのだ。どこかの国が軍事的に研究をしており、一瞬にして分子を破壊してしまうような強力な爆弾を造っているかも知れない。その衝撃で歪んだ空間が出来、タイムスリップする・・
「ふふふ・・爆弾だけではないでしょう?地震だってあるのよ」
「そうだよねぇ・・何年前だったっけ?阪神大震災があったよね。あんな大きい地震なら空間が歪むほどの重力波が出来たかも知れないね」
「マスターはその頃大阪にいたんじゃなかった?」
「いや、もう店を持っていたと思う。新聞やお客さんの話しを聞いてびっくりした覚えがあるよ」
「あ、わたしも知らないの?テレビくらい見なさいよってマスターに言った覚えがある・・今思い出した」
「でも・・どうなんだろう?ブラックホールは重力の関係だろう?地震でそれだけのエネルギーを出せるものだろうか?」
「いいじゃない?難しく考えるの止めようよ。地震にしろ爆弾にしろ、とにかくわたし達は歪んだ空間の隙間に落ちた。そして別な空間で過ごしたから時間の進み方が違って、ふたまわりも歳が離れて再会した。中学を卒業したばかりのわたし・・いろんな人生経験をしたマスター・・まさか以前は夫婦であったなんて考えもしなかったけど、心の隅に夫婦であった時の愛情が残っていて、年齢を自覚しながらも魅かれあう心を抑えることが出来なかった・・」
「メグみたいに考えた方が楽しいよね。俺にはそれが出来ない・・」
「ブラックホールに落ちた時に・・きっと頭の打ちどころが悪かったのよ。それできっと利口そうな馬鹿になったのよ」
「あはは、ひでぇ言い方。おまえねぇ、俺は年上だぞ。ちょっとは敬いの心持てよ」
「ふふごめん。でも深く考えないで。そのうち夫婦になるのだから」
 メグとの距離がどんどん縮まって行く。オスとメスとしてではなく、人としての距離、仲間として、友人として、俺はもう、メグの心を読むことを恐れないし、自分の心を読まれる不安を感じることは無いだろう。今日が終り昨日となっても、昨日ばかりが蓄積して行き明日が無くてもかまわない。昨日は見えても明日は見えないのだ。(続く)


わーい(嬉しい顔)クウネル日記目がハート
 小説を書きだめしていないのに、天気が良いと撮影に出たいクウネルです(笑)これじゃぁ駄目だよなぁ・・と思いながらもちっとも写真の勉強をせず(笑)ただ撮るのを楽しんでるだけ・・まぁ楽しければそれでいいのですよね。下手な鉄砲数うちゃ当たるっていいますから(笑)
 で、今日は午前中に生駒高原まで行き、満開のポピーを楽しんで、美女と知り合いになれなかったからすぐに帰って来て、予定どうり小説に取り組みました。これも下手の横好きですけどね(笑)なんとか1話を書いてどうにかアップ。こんなんでいいのかなぁ(笑)
 写真は早水公園の番外編。まだ新緑が楽しめます。
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