都合。

ねえ？自転車盗まれちゃったんだけど！
睨み付ける茶髪のカーチャン・・・
ここからもう間違っている。
販売の際にお渡しした控えはお持ちですか？
無くしちゃったの！そっちに控えとか無いの？
あ〜、それじゃ無理ですね。控えが無いとこちらも動けませんから。
暫しの沈黙。覚られない様に口のなかで罵る。
バァ〜カメ。
おとなしくなったカーチャンから登録時の名義を聞き出して、データベース引き出すのに時間が掛かりますよ！と脅した辺りから流れが変わる。PC叩いて台帳ナンバー引き出して出納室の書庫から過去の台帳を出して貰って、損保に提出する用紙を抜き取る。モノの５分と掛からないけど業と時間を取る。
カウンターにふん反り返って座ってる馬鹿家族。もう補償で次の自転車が買えるもんだから余裕ぶっコイてやがる。
盗難に遇われたのは何時になりますかね？
あ〜、確か10月の・・・いま何月だよオイ！
盗難発覚後10日以内の申請じゃないと補償出ませんよ。
ああ？こないだ電話した時はそんな説明聞いてね〜よ！
紫色の作業服のオヤジが凄む。
完璧な名前負けの糞ジャリは音楽鑑賞中で知らん顔。
とっとと申請用紙を仕上げる、日時は勝手に偽造する。
それではこちらに御客様の署名と押印をお願いいたします！ああ？印鑑？持って来てね〜し！
口のなかで罵る・・・バァ〜カメ。
もう買う自転車決めて金も出して貰えるもんだからカーチャンは必死に事務用品売場から三文判を買ってくる。
次の自転車には盗難補償は付きませんよ。の説明の時にもこの糞奴等は食って掛かって来たけど「アリアトアシタ〜！」って追い出す。

買う時ばっかでロクに大切にしないからこ〜ゆ〜事になるんだよ。
ただで貰える時だけ都合のいい事並べて後は知らん顔。
それを見ている子供は、そうか！こうやれば良いのだな。と思うわな。

雇われの身分で四の五の云うのは間違っている。
然も客商売だし。

何でもかんでも客の言いなりに付き合って全ての要望に応えるのがこの店の方針ならばソレも良し。
私の給料が変わる訳じゃなし。
イイ気なもんだ。
客も俺も。
結局、自分の都合の良いようにやってんだけだ。