どこら辺が次世代技術のロータリーなのか、具体性に欠ける記事だ。
ロータリーは高回転域の性能は良いからスポーツカーとしては楽しいが、低回転の燃焼特性や熱効率が悪いのが問題。そこをどう解決したのか?
レシプロエンジンが往復運動を回転運動に変換するのに対し、ロータリーは回転運動。
4サイクルのレシプロエンジンが2回転で1回の燃焼なのに対し、ロータリーは1回転で1回の燃焼。
(実際にはローターの三辺で燃焼しているので、1回転で3回の燃焼がある)
そのため、小さい体積(排気量)で多くのパワーを得られて、高回転域では効率が良い。
しかし反面、低回転では圧縮比が低いこと、燃焼ガスの気密性が低いこと、バルブがないので吸気流速が上り難く、吸気流速が低いので混合気が均一になり難いこと、吸気脈動が使い難いこと、燃焼室表面積が広いので熱が逃げやすいこと、などがネックになる。
つまり低回転域でのネガティブ要素を解決していないと、次世代ロータリーとは言い難い。
直噴や、モーターとのハイブリッドや、MGU(モーター・発電ユニット)と組み合わせたターボが入っていれば、低回転のネガティブ要素を解決できる可能性がある。
直噴にすれば低回転域での混合気ムラはかなり改善出来る。ここは4サイクルレシプロエンジンで既にマツダも持っている技術なので、実現出来ている可能性はかなりある。
プリウスみたいなハイブリッドにして、ロータリーが苦手な低回転域は、モーターのトルクで補ってやればロータリーの弱点はかなり改善するが、マツダはまだハイブリッドを実用化していない。
F1やWEC(世界耐久レース選手権)でつかっているMGUとは、運動エネルギーが足りない時、つまり加速したい時はモーターとして使い、運動エネルギーや熱エネルギーが余っている時は発電器として使う、モーター兼発電ジェネレータ―ユニットのこと。
F1やWECでは、ターボにMGUを仕込んで、排気エネルギーに余剰がある時はターボで発電し、バッテリーに蓄えたり駆動軸のモーターに回したりする。
ターボチャージャーのシャフトは非常に高速で回転しているので、そこにMGUを仕込んだ場合、耐久性や熱対策が難しい。
走る度に分解整備するレースの世界だと、都度都度交換すれば良いから耐久性はそんなに問題にならないが、市販車となると10万キロぐらいは無交換で使えないと困るので、市販車にターボMGUが出てくるにはまだ時間がかかる。
マツダが現状持っている技術で実現できそうなのは直噴ロータリーぐらい。
直噴化で排ガスはキレイになるし、低速トルクや燃費もある程度良くなるが、画期的な改善までは行かない気がする。
来年デビュー予定のホンダの次期NSXはハイブリッド車になる。今時の最新スポーツカーはハイブリッドにして、ゆっくり走るならリッター20kmぐらい走るんじゃないと、社会から許容されない気はする。
そこらへんマツダは、次期ロータリーをどういうクルマにするんだろう? 浪漫だけではやって行けない。
東京モーターショー2015、開幕! マツダ「RX-VISION」世界初公開 - 写真38枚
http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=95&from=diary&id=3684927
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