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2008年07月11日02:54

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迫真の演技の国「セルビア」

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ベオグラードへ向かう寝台列車は滅茶苦茶安い上に快適そのもの。鍵もかけられる2人部屋の個室だ。洗面所までついてる♪ これは多分日本の10分の1ぐらいの値段だろう。
セルビアはシェンゲン協定に加盟していないので、国境では入国審査が行なわれるが、日本人だと分かるとすぐにOK。こういう時に信頼されている日本の凄さが分かる。

到着した首都ベオグラードはとにかく寒い。5℃くらいしかないんじゃないかな?ギリシャはすごく暑かったのに、ここからはずっと寒い旅になりそうだ。駅で一人旅の日本人学生に出会い、3人で街を散策することにする。

治安は・・・比較的悪そう。コソボ関係のテロのほか、強盗やスリもいそうな雰囲気。でも南米に比べたら全然平気。

ボリビアで購入したアルパカの毛マフラーを身にまとい、まずは空爆通りへ。ここは1999年にNATOによって空爆を受けた通りで、いくらかのビルはあえて無残なままの姿を残している。(写真1)

なんか落書きでコソボとか書かれてるし。(写真2)
怖い雰囲気だなぁ。


警察官「ここで何をしている?写真を撮るな!」

俺たち「ひぇ〜、すみません!!」


危ない危ない。ここではロシアと同じく、写真撮影は気を付けないと。

『地球の歩き方─中欧』セルビアのページからの抜粋:「コソヴォ自治州やセルビア共和国南部は、アルバニア系住民によるテロの恐れがあるので絶対に近づかないこと。軍事関連施設をビデオや写真に撮ることは絶対しないこと。施設そのものはもちろん、関係者にカメラを向けることも厳しく罰せられる恐れがある。」

モスクワ同様、正規の警察官からワイロを請求されかねない。ワイロのネタはもう昨日のボヤナ寺院だけで十分だ。

ベオグラード最大の見所の一つ、聖サヴァ教会を見学。
綺麗な外観でしょ?(写真3) ちなみに中は工事中なうえ、がらーんとしてて面白くない。

ところでこのセルビア、首都だからかもしれないが英語の通用度は比較的高い。「セルビア語ひとこと会話集」の欄は幸運にも不要だった。ホントは現地語を積極的に使ってみるべきなんだけどね。一日だけの滞在やし。ハンガリーに行ったらまた言葉が変わるから。
ブルガリアはひどかった。まともに会話できた人は観光客目当てのぼったくりを除けば、ブラゴエフグラッドの駅のおばさんとホテルのおねえちゃん。ケンタッキーの店員。ボヤナ教会に行く途中で案内してもらったおにいさん。そしてスペインに出稼ぎに行ってたからスペイン語でならちょっとだけ会話できたおじいさん。片手の指で数えられる人数だ。

その後、いくつかの教会や広場を見学しながらリュビツァ妃の屋敷を訪問。俺の貧弱な知識ではリュビツァって誰か知らんので、ガイドブックを開けるとオスマン朝からセルビアの自治を獲得したミロシュ公の夫人らしい。ちなみに俺はミロシュ公って人も聞いた覚えが無い。
なんか入場券持ってる人が遅れてきたから待たされたんやけど、その分値引きしてくれて従業員用のトイレも使わせてくれた。空気読んでるねぇ。
セルビアは割とフレンドリーな人が多いかもしれない。さっき入ったファストフードの店員も愛想が良かった。

昼食。セルビア料理に期待はしてなかったが・・・美味い!
このセルビア料理の店、気に入りすぎて夕食もここで食べてしまった。(料理の写真はアルバムに)

カレメグダン公園をのんびりと散策して、美人のお姉さんのいるネットカフェへ。トイレはなさそうだったが、念のため「トイレありますか?」と聞くと、鍵を渡されて、「実はこの扉がトイレよ」と言われた。

え?トイレのマークとか一切無しでむしろ逆に目立たないようにしてある従業員専用っぽいこの扉ですかぁ?
しかも鍵までかけて・・・そんなにトイレを使われるのが嫌なのか。トイレ先進国日本では鍵を開けて入るトイレも有料トイレも滅多に見ないのに。

夜、寝台列車でブダペストへ向かう。再び個室タイプの快適な部屋だ。
出発の10分ぐらい前に個室に入ってくつろいでいると、ノックしてくる人あり。個室のドアを開けると、汗だくになって息を切らしながら30歳ぐらいの男性が、

男性「ドゥ、ドゥユースピーク、イングリッシュ??・・・はぁはぁ。」

俺「まぁ話せるけど。」

男性「(本当にすごく安心した様子で)ふー。ああ、助かった!神様のおかげだ。お金をなくしちゃってブダペストまでの運賃があと6ユーロ足りないんだ。貸してくれないか?ブダの駅ではmy fatherが待ってるから、そこでお金を返すよ。」

う〜ん、あやしい!!!
海外で金貸して帰ってくるとは思えんぞ。

俺「お気の毒様。でも君に貸すことはちょっとできないよ」

男性「(本当に泣き崩れて)おお。なんということだ。この車両を駆けずり回って英語が通じたのは君たちだけだったのに。もうダメだ。この列車に乗れないと終わりだ。うっうっ。」

見ると本当に男性の顔は青ざめており、これは演技とは思えなくなってきた。
6ユーロなら1人3ユーロずつ。1人500円なら最悪あげてもいいか。

俺「分かった。貸してあげるよ。はい6ユーロ。」

男性「(非常に感激した様子で)おお!!神は私を見過ごさなかった!!本当に感謝致します。ブダの駅で必ずこのお金はお返します。」

というわけでこの日は寝台列車で就寝。果たしてどうなるのでしょうか?(車中泊)

※アルバムはhttp://mixi.jp/view_album.pl?id=17651523&page=3

次回はドナウの真珠、ブダペストの街。
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