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2008年04月21日16:38

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知の荒廃の云々が問題ではないだろ

任天堂栄えて本屋潰れる 旭屋書店閉店の衝撃度
http://news.mixi.jp/view_news.pl?id=466490&media_id=10


何を今更、な記事。
小売店としての書店が経営に苦労しているなんざ
分りきっている事であるし、ゲームにその責を負う所も
ありきたり過ぎる。加えて論旨は不明確、ときたもんだ。
いやいや、ゲンダイですからね、所詮は。
目くじら立てるもんでもないでしょうが。
内容が内容なんで、立てます。目くじら。

で、論旨が不明確な点。
ネットで本を購入している層がある一定数いるのであれば、
この阿呆な記者が危惧している『知の荒廃』は
起こっていないのではないか?
よもや、『本の形式』で『町の新刊本屋』で買わなければ
『知』として認知出来ない!みたいな形式論な訳か?

そもそも『知』って何か?

ラプラスの魔のように全てを知る事か?

不可能。

だとしたら、必要な情報を必要な個所から引っ張り出してこれる能力、
ってのが一番大事な訳だ。
この世の叡智を全て身につける事はおよそ不可能なのだから。

そこでネットが俎上に上がる。
『ネットの情報は断片的』『本のような大きな枠組みがないと知識は
自分の物に出来ない』(概略)。

結局本だって、読んでから自分の中でバラして
咀嚼して再構築するもんだろ?

するってぇと何かい?
『本』という大きな枠組みがあるものであれば、素直に鵜呑みに
するってのか?おめでてぇな。

そもそも並べて論じるのがおかしいだろうよ。
飛行機と車を並べて比較したって意味ないだろ?
共通項は『移動手段』しかないんだから。
ネットやる奴が本を読まない訳じゃないし、本を読む奴が
ネットで情報を得ないとは限らない。本読んでおかしいと思った
内容をネットで検証する場合はどうなる?

大体、この記事で発言が採り上げられている伊藤某も
ネットで本買っていて、行って無い訳だろ?その本屋に。
某飲兵衛漫画にもあったな。閉店を決めた途端に
常連気取りがわらわら集まってきて、最終日は大盛り上がり。
そもそもそいつらが日頃来ていれば店は潰れなかったのに、って奴。

自分は本屋を偏愛している。だから、極力廃業しないで欲しい。
しかし、新刊本屋が最も本を買う率は低い。
マニアックな古書店、新古本屋、大型新刊書店、中小の新刊書店の順だ。
当然の事だ。魅力に乏しすぎるんだから。
誰が寂れた縁台に放置された腐りかけの野菜や、流行っているからってそれ一品だけ
仕入れている八百屋で買い物する?
再販制度や流通の問題もあって、仕方ない所も多いだろうが、
買い手には正直関係ないぜ?
それがどこからであれ、手に入ればOKなんだから。
極論で暴論を承知で言えば、思想があって信念持って
本売っている本屋は潰れないよ。この間も、鉄道関連の本を
売っている本屋が店主の体調不良から廃業する事を決めた所、
それは惜しいという事でファンが名乗りを挙げて後を継ぐ、なんて記事を
読んだ。こういう話も、当たり前にある。 

まぁ、任天堂に責任の全てがあると思うような業者には
死んでも分らない事だろうが。

結局、この記事に象徴されるように見るべき所を見ていないから
問題は放置されたままなんだよ。

本という形式は無くならない。
本を読む快楽はデータをモニタで眺める事とは全く
別種の悦楽だからだ。
ただ、流通の問題から壊滅的な打撃を新刊書店が受ける事は
充分あり得る。

それこそ、手工業的な受注生産で本当の好事家の
手にだけ届くような伝統工芸的な物になるかもしれない。
世間一般の大衆が紙のページを捲る愉楽を忘れた時だ。

本の面白い所は、ソフトも無論大事だが、
ハードも同じほど大事だ、という所。

形式を尊敬しないで文化として残そうとしても無理な話さ。

あと、知の荒廃なんて、とっくの昔に始まっているさ。
よく知っているだろ?ゲンダイさんなら。

連続強姦殺人魔の大久保清が女性をナンパするのに
使った小道具は車と埴谷雄高の『死霊』だったそうだ。
今時、『死霊』で引っかかる女なんていないだろ?
いや、80年代ならデリダやラカンで引っかかったかもしれんが。

何読めば偉いとか、必読書100とかダサい事はどうでもいいが、
もう、読む能力の衰えなんて止まらないよ。
読む人は読むし、読まない奴は読まない。
そんな詰まらない結論でしかないないとは、忸怩たる物があるが。
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