mixiユーザー(id:8306745)

2008年04月07日18:05

15 view

東京ドームに架ける橋〜チケット売買大作戦〜その2

さて、続きです。

【日時】
3月28日17時15分

【状況】
水道橋駅前は『チケット売ります』希望者で
溢れかえっているが、その為完全なる買い手市場が
形成されており、条件の悪いチケットを持つ我々の苦戦で
事態は推移している。

【装備】
3.28 一塁側二階席 2枚
3.29 三塁側一階席 1枚(同行者分)

【ミッション】
手持ちのチケットを観たい方に『なるべく高額で』引き取って頂く事。

【条件】
1.本日のチケットは周囲の状況を鑑みて一枚5000円での
売買を目標とする。
2.バラ売り可。
3.二枚買ってくれたら値引きもアリ、な交渉をする。
4.明日の分は今日よりも若干条件がいいので、
もうちょっと値を張って交渉。
5.交渉は基本的に私がやる。
6.負けても泣かない。
7.死して屍拾うもの無し
8.死して屍拾うもの無し

【達成リミット】

開演時間である18:30。

【更なる経緯と顛末】

アリーナAという素晴らしいチケットを確保してしまった以上、
我々はなんとしても手持ち分を売りさばいて収支を
合わせなければなりません。

しかし、この状況ではなぁ。

などと弱気が頭をもたげます。

私「チケットあるよぉ、無い人売るよぉ、ってだみ声で云う?」
同行者「無い人売るよ、余ったの買うよぉって?」
私「これ以上増やしてどうするんだ(笑)」

いっかな好転しない状況に、出るのは無駄口ばかりです。
元来シャイな私は、こういうのは苦手なんだが。
やはり、そうも云っていられない。

遠巻きに見ている人は結構いる訳だから、まずは
話しかけて貰わないといけません。
ここで声掛け出したらマジでダフ屋だし、どうしたもんか。

とりあえず、遠巻きにチケット探している人に
視線のキャッチから初めてみる事に。

もう、ガン見です。人様の目をガン見。
ともかく興味のある、需要のありそうな人の視線を
とっ捕まえて、こちらに関心を向けさせないと
いけません。何せ、選択肢は買い手にそれこそ
売るほどあるのだから。

すると。

結構な頻度で買いたい方が声をかけてくるように
なりました。やはり、直接訴えるくらいインパクトの
ある事は無いらしい。

そろそろ時間も押してきて、17:30も超えようとしております。
どうやら、買い手も焦りが見えてきたようなんですね。
結構、駆け込みで入ろうという人や、あまり
よく分らないけど昔好きだったから来て見た人など、
多少『ライトな』ファンが増えてきたようです。

へヴィでディープな愛をXに捧げているコアファンは
どうやら随分前に会場入りしているようです。

私たちのようなチケットのランクアップを狙う人たちが
一通り掃けて、『とりあえず見られればいい』みたいな
人たちが多数を占めてきている、と。

チャ〜〜〜ンス。

ここに来ていい潮になってきました。
あまり、相場をご存じない方達ですから交渉もしやすい
だろう。ここで売りそこなったら本当に機会を失う。

俄然やる気になります。
開演まであと一時間。ここが勝負のしどころです。

そんな時、気になる方が約一名、対岸から視線を
送ってきている事に気付きます。

しっかりと視線を捕らえて、売る気をアピール。
冷やかしならこんなに長い時間(つうても数分ですが)
見てないだろ?という事で、雰囲気だけでも愛想よく、と
心掛けます。

よし、来た!!

近づいてきます。文科系の薫り漂う気弱そうな男の子です。
まだ、歳若いな。こんな子もX見に来るんだなぁ、と
感慨深い。

男の子「あの・・・」
私「はいはい♪」
男の子「明日のチケットを探しているんですけれど・・・」
同行者の目がキラーン、と光ります。
私「あ、今日のはあるの?」
ちょっとフック。
男の子「あ、はい・・・。明日のだけ取れなくて・・・」
ん〜?最終日も取れたって事か?羨ましいなぁ・・・
じゃない。交渉交渉。
私「明日のは一枚しかないけど」
男の子「あ、いいです」
 
ここで類推出来た事を整理。
1.(恐らく)他の日のチケットは定価で購入している。
2.ここで他の人に大体の相場などは聞いていない(今来たばかり)。
3.明日のチケットは今日はあまり売られていないので、
交渉の余地はかなりある。

私「一階席なんだけど、いいかな?HIDE側」
条件の悪さに追加の条件を加えて誤魔化します(笑)。
男の子「・・・いいです」
よっし!とりあえずこれで少しは断りにくいぞ。
私「定価で12800円だから、出来たら定価で買ってほしい
所なんだけど、こんな状況だからさ。値引きして
10000円でどう?」
周りを示すゼスチャをして、値段提示。
周りに29日のチケットはあまり無いし、値引き、って点を
アピール。さぁどうだ!

男の子「じゃあ・・・買います」

商談成立!!

にこやかに礼を云い、チケットを売買。気が変わらないウチに
取引完了。
うん。いい潮だ。

私「どうだ」
同「まあまあ」

・・・さっきいくらでもいいって言ってたのはどの口だ。

さて。

一枚は首尾よく行った物の、難しいのが残っております。
しかも、私のチケットが一枚含まれているんだから、
大事です。人のチケットを売る事に地道をあげている
場合じゃありません。

そろそろ17:45分。
人の壁もまばらになりつつあります。
つうても30人はいるでしょうが。

今度は女性の二人組みが視界に入ります。
右から左に舐めるように見て行き、何度も
往復します。

これは手ごわい。
何人かに声を掛けているのが見えます。
女性ってだけで手ごわいのに、ああもマーケティングリサーチを
されたら、こちらは手も足も出ないだろうなぁ。

などと思っていると。

その女性達が私達に声を掛けてきました。

女性「チケット探しているんですけどぉ」
私「(知っているよ)はいはい、二階席なんで
席はちょっと良くないんですけど、その分値引き
しますよ」
もう、必要な条件だけとっとと伝えて、どこに食いついてくるか
量ります。これが席種だったら、アウト。交渉の余地なし。
金額だったら多少は余地あり。駄目で元々、って気分なので
気は楽です。

女性「え〜っとぉ、おいくらですか?」
私「二枚連番で一枚5000円。二枚まとめて買ってくれたら
9000円でいいよぉ」
言わずもがなのデータを添えて、多少のお得感を演出。
一枚5000円で考えていたんだから、これぐらいの値引きはOKだろう。
女性「ん〜〜〜」
私「なんか、周りの相場がそれくらい(=5000円)だったから、
それに併せたからね。さらに二枚買ってくれたら値引き。多分、
これが底値だと思うよ」
適当に嘘八百並べ立てます(笑)。
女性「もうちょっと、考えてみま〜す」
私「他の意見聞いてみて、安いと思ったら戻ってきてね〜」
無理だなぁ、と思いつつも一応保険に声掛け。
なんだか、どんどんダフ屋かテキヤ風に自分がなってきている
気がしてきます。

いやいや。商売商売。
銭の花は商いの上に咲くんや(テキトー)。

時刻は17:55。
辺りも暗くなり始め、もの寂しい気分になります。
そろそろリミットかなぁ、などと考えていると。

「チケットあります?」

ふいに声を掛けられました。
これも歳若い男の子二人連れ。

私「二階席だけど、いい?」
既に慣れた言い回し。
男「いくらですか?」
ん?二階席に抵抗がない、な。これは交渉しやすいかも。
私「定価12800円の所を5000円。7800円引いちゃうよ、この際!」
・・・どの際だ。

押しがもう一つ必要なら、そこでまとめて買ってくれたら値引き案を
出そう、と思っていると。

男の子二人が「5000円なら安いよな」などと会話しています。
お、いけるいける。

私「じゃあ、二枚で10000円。一枚分のチケット代より安いからねぇ。
商売上がったりだよ」
訳の分らんジョークでさらに一押し。

頷いて財布を取り出す男の子たち。
よし、君達いい子だ!

最後が一番スムーズに商談成立。
これで、全ての肩の荷が降りた・・・。

ようやく東京ドームへ向かえます。
長かった・・・。
なんとか、売り抜けて今手元にあるアリーナAの
チケット代は結果として22800円也。
上等上等。

そんな時同行者が浮かない顔をしています。
怪訝に思いどうしたのか問うと。

「あんなに素直に買ってくれるんだから、もう少し
上乗せすればよかったのに」

・・・どの口がそれを云うと百万回(略)。


0 3

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する