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2008年04月03日15:53

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『数学的にありえない』 読了

一昨年くらいにかなり評判になった翻訳物を
ようやく読了。つうか、奥付見て「まだ文庫にゃならんな」
と思って買い込んだんですが、2006年っつうたら
もう2年前。来年には文庫化されるんやん。
どうも、年代の感覚がボケてきているな。

で、感想ですが。

いやぁ、面白い。流行の(まだ流行っている?)
ジェットコースターノンストップサスペンスって
やつですか。

あまりそのテの物は読まないんですが、
なんとなくタイトルに惹かれて購入しました。
原題は『improbable(ありそうにない)』。
これは珍しく日本語タイトルの勝利、ですね。
原題をそのまま翻訳していたら読まなかったな。

数学的なトリビアルをポーカーゲームに絡めて
最初からぶつけてくる導入は非常にスリリング。
文章力も優れており(作者、翻訳者共に)、
読みやすいし、イメージの喚起力に優れています。

上巻が確率論、下巻が量子力学にかなりの
ページが割かれており、それも非常に面白い。
ま、天才数学者たる主人公が、特殊相対性理論を
イロハから講釈を受けなければならない、なんてのは
ありえないだろ?とかいう突っ込みも出来ますが
野暮ですね。分らない人にも均等に物語の進行に
置いていかれないように配慮するリーダビリティ優先の
姿勢が物語を分りやすくしているわけだし。

読んでいる途中で、終始頭の隅にあったのは
荒木飛呂彦。主人公の『能力』の発現するシーンは
もろにジョジョでしたね。ゴールド・エクスペリエンス・レクイエム的。

きっちりと引いた複線を絶妙に縺れ合わせながら
回収する手腕は見事。これがデビュー作なんだから、恐ろしい。

このテの作品に『人間が描けていない』なんて突っ込みも野暮天極まりないしな。
それを書こうとしないで、『作品世界の構築』に全精力を傾けた
結果、良質な作品が産まれた訳だから、歓迎するべき。

映画にもし易そうですね。
多分、今頃ハリウッドでは計画が進行しているところでしょう。
トム・ハンクス主演かなんかで。

ジョジョ好きな方には是非、お勧めしたい本です。
あと、クライトンやダン・ブラウン好きにもオッケーではないかと。

なので、ネタバレしないように、この辺で短めに切り上げます(笑)。

(今日の日記をひょっとして、短いと思っている訳?)
(そりゃあそうさ。なんと6.2Mだよ?)
(それは普通、立派に長いと云う気がするんだが)
(この間のXのライヴの感想は17.3Mだったんだよ?)
(・・・・・・・・・・・・・・・)
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