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2006年12月06日16:38

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花鳥画への誘い 後期

松岡美術館で開催中の“花鳥画への誘い 後期”を見てきました。同時開催で“中国陶磁に見る植物文様の世界”というのもやっていた。植物で展示物を纏めたんでしょうか?
チケットは、毎度お馴染み、新聞屋さんからの貰い物。新聞屋さん有難う〜。

この美術館。平日に行くと、人が10人未満くらいしかおらず、空いていてゆっくり見られて良いんですよ・・・と思ったら・・・。
今回は、見ている途中に、団体客が来場!
殆どは、50代、60代のミセスばかりだったが(男性は数人だった)、このミセスご一行様が、喋る、喋る。展示してある絵などのコトを喋るのなら、別に構わないが、“芸能ゴシップ”やら“嫁の悪口”やら“健康食品について”は、今ここで喋らんでも良いんじゃあないか?と、ちょっと思う・・・。
そして、ミュージアムショップが、今まで見たコトないほど混んでいた。皆様、買うねぇ〜。
そうか。団体客を受け入れると、こういうメリットもあるんだね。
でも、団体さんは見る時間が短いのね。40分くらいで帰ってしまったよ。

ここの常設展は、変です!(失礼)
収集した松岡氏が、好きなモノを集めたんでしょうね。ヘレニズム期の彫刻から、ガンダーラ仏、ヒンドゥー仏、ヘンリー・ムーアの彫刻と、収蔵品の趣味がバラバラ(笑)。なので、逆に面白いが。
常設展のコトは、以前、松岡美術館のコトを書いた時、詳しく書いたので省きます。気になる方は、私の過去のブログを漁ってみて下さい。どこかにあります(オイ)。

でも、ちょっとだけ。
ここの美術館、ガンダーラ仏の良い品を持っていますよ。私ゃ仏教美術では、ガンダーラ美術が特にお気に入りです。
ガンダーラの仏様は、菩薩もイケメン男性っぽいんだよね。日本だと菩薩は女性的だけど。
あと、ヒンドゥー教の仏様は、躍動感があってエロイ!
シヴァ神と神妃パールヴァティー(シヴァ神の嫁)の像なんて、殆ど“乳繰り合ってる”像だからね。シヴァ神、パールヴァティーの乳を思いっきり揉んじゃってるし(^_^;)。
私にとって、宗教はエロイものでもあるんだが、こういう像を見る度「この考えは間違っちゃいねぇ!」と思う(笑)。
見ていたら、何か看板があった。読んでみたら『仏像にあがっていたお賽銭は、パキスタン地震の被災者救済募金に寄付致しました』と書いてあった。
あぁ〜!!確かに、前回来た時、仏像に小銭が上がってたよ。
仏像があると、お金を置いちゃうのは、日本人の習性なのだろうか?

仏像以外だと、ジャコメッティの“猫の給仕”という20cmくらいのブロンズ像があるのだが、コレが可愛いのです。猫がお盆持って立ってる像。

で、企画展『花鳥画の誘い 後期』

丸山応挙の『菊図』。墨一色で描かれた菊の絵。
応挙の絵は、私には品があり過ぎてしまい、ちょっと苦手だったりします。でも、その品格が応挙の質。
墨一色で描かれた、何てことないこの菊図にも漂う品格。絵が、紙のセンターより、若干右側に寄ってるように見えるのも面白い。

同じく応挙の『梅月亀図』。亀の表情が良いのだよ。「何か?」みたいな顔した亀(笑)。親子なんでしょうか?小亀が寄り添ってます。その横には、美しい梅の木。そして、頭上に月。配置完璧。流石は応挙か。

応挙は他にも『牡丹孔雀図』『遊鯉水禽図』がありました。

狩野探信の『画帖 山水・花鳥・人物』。
探信は、狩野探幽の長子だそうだ。なので、絵も探幽に似ているよ。
これは、画帖なので、何枚も絵が連なっているのですが、中に『菊慈童』があって嬉しかったな。私ゃ、お能の『菊慈童』が好きなのです。
『菊慈童』とは、周の王様に寵愛された慈童が、王様の枕を跨いだ罪で、深山に流刑になって、そこで、菊の葉に呪文を書いたら、その葉に露が溜まり、その露が霊薬になり、川に注がれ、その霊薬入りの水を飲んだところ、慈童は仙術を得て、美少年の姿のまま、800年生きた・・・というお話です。幻想文学だよね。っていうか、美少年には年取って欲しくないっていう話かと・・・(オイ)。

その物語をテーマにした絵。
川の傍の菊が咲いてるところに、丸顔の美少年が座っている絵。後ろには深山なので、山や木が描かれています。
川の流れ方の表現が綺麗だな。

他にも、吉野山の桜や、竜田川の紅葉などの絵もありました。

現代日本画の作品もありました。
私のお気に入りは、橋本龍美『里噺』
どうやら、百鬼夜行の絵のようだ。全体的に青い色彩で、カラフルな提灯お化けやら、ムカデのお化けやら、狐などが描かれている。中央の古寺にも、踊る妖怪や提灯お化けがいる。絵の中央には、デッカイ土蜘蛛。
どうやら、この絵描きさんは、民話などから取材した絵を描くらしい。
確かに、ちょっと“日本昔話”の世界。

絵は他にも、狩野探幽や、渡辺崋山などもありました。

もう一つの企画展『中国陶磁に見る植物文様』
以前来た時も思ったのですが、景徳鎮窯の作品が多いのです。松岡氏は景徳鎮がお好きだったのかも知れん。

お気に入りは『釉裏紅牡丹菊唐草文鉢』
景徳鎮というと、藍色の彩色を思い出しませんか?これも景徳鎮窯なんだケド、藍色じゃないの。薄い赤茶色(パステルカラーの茶色みたい)の鉢。菊の文も綺麗。うどんを食べるどんぶりくらいの大きさです。14世紀末の品らしいです。

『藍地粉彩桃花卉文碗』。
その名の通り、藍色の地に、桃の絵などが描いてある。大きな桃の実が描いてあって、その桃の実の手前に、桃色や黄色の花が描いてある・・そんな図。小さいお碗でした。18世紀の品で、やはり景徳鎮窯です。

他にも、景徳鎮窯の焼物が沢山展示されていたので、景徳鎮がお好きな方には楽しいと思います。景徳鎮以外は、龍泉窯や、磁州窯などもありました。中国の地図が貼ってあり、どの辺りに、どの窯があるのか分かるようになっています。

ここの美術館。お抹茶+お菓子が500円で飲めるのよね。ミセス2人組が飲んでいて、ちょっと羨ましかった(笑)。
貧乏人の私はいつも諦めてしまう・・・。

因みに画像の軸絵は、狩野探幽。
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