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2024年02月22日23:46

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『ブキウギ』に触発されて歌を検索しまくりました

終戦直後の歌の中で、菊池章子さんの『星の流れに』と、淡谷のり子さんの『君忘れじのブルース』の感情を抑えた歌唱法は、当時の世相を考えますと、感情を込めすぎると当時の女性達は泣いてしまって、歌えなかったからだと思われます。
並木路子さんの『リンゴの唄』や藤山一郎さんの『青い山脈』の明るい歌声と聴き比べれば、当時の世相が少し判る気がします。でも、感情を抑えた歌唱法の中から、抑えきれない激情が伝わる素晴らしい歌だと思います。

男性が女心を歌った歌の中では、矢吹健さんの『あなたのブルース』と『後ろ姿』は、伸びやかな高音と哀愁が胸を打ちます。これを矢吹さんは20代で歌った訳ですから、見事な情念の歌い上げは、本当に見事です。
そして男性が歌う男心は、石原裕次郎さんの『ブランデーグラス』と、黒木憲さんの『久しぶりだね』が、大人の男らしくて好みです。矢吹さんと交互にお聴きになると味わい深いです。

女性の情念を表す名手としては、松尾和子さんの『再会』美空ひばりさんの『乱れ髪』が有りますが、もう少し軽い感じの『星の流れ』や『君忘れじのブルース』系の歌としては、西田佐知子さんの『女の意地』や競作の『カスバの女』等があり、この流れの中から、奥村チヨさんの『終着駅』やテレサ・テンさんの『つぐない』などの曲、競作の『すずめの唄』等も心に沁みます。
リバイバルでは、井上ひろしさんの『雨に咲く花』やフランク永井さんの『君恋し』があり、この流れからムード歌謡の各グループの歌が有ります。お気に入りは『北上夜曲』や三橋美智也さんの『古城』も良い歌だと思います。

私も先月77歳になり、平均寿命まであと5年。臨終の寸前に聴いていたい曲としては、60年程前に小林旭さんがリバイバルで歌った『惜別の唄』が良いと考えています。
小林旭さんの伸びの有る高音と哀愁を選ぶか、ちあきなおみさんの情感のある歌い方を選ぶか、迷っています。この歌は中央大学に関係している歌だと聞いた記憶が有りますし、学徒出陣でも歌われたそうですから、ちあきさんの歌唱で聴きながら、過去の彼女達に詫びたりしながら逝きたいと思います。

ちあきなおみさんの『紅とんぼ』も哀愁に満ちた素晴らしい歌ですが、絶唱だと言えるのは、『朝日の当たる家(朝日楼)』です。この歌は本当に凄いです。情念が激しく重い。圧倒的な情念に打ち砕かれますから、とても毎日は聴けません。

しかし、此処に書いた歌は、殆んどが昭和40年代までの歌だった事に驚きます。
私はどれだけ哀愁のある曲が好きなんでしょうか。
我ながら飽きててしまいました。
箱崎晋一郎さんに頼まれて、数十枚の10円玉を用意し、有線放送に電話をした『熱海の夜』と、好きな『抱擁』を聴きながら筆を置きます。
おやすみなさい。
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