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2024年02月15日20:51

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「ヘッドホンステレオ」を顧みてみる。

ソニーがWalkmanを出したときの衝撃を辛うじて憶えている。
聴きながら街に出る、これで音楽との付き合い方は大いに変わって現代に至る。
そして「ヘッドホンステレオ」分野への様々なメーカーの参入とカセットテープの高音質化競争が始まった。
たしか東芝がAUREXブランドで出していた「ウォーキー」で、カセット本体よりも小さいプレーヤー(カセットの一部がはみ出す)があったはずだが、そんな珍種が出てくるような盛況ぶりだったのだ。あと、ラジカセのカセット部分がボコっと外れてヘッドホンステレオになる機種もあった(メーカー失念)。
その後メディアはCDの普及を後追いする形でMDに切り替わるが、振動したときの音飛びが結構ひどかった記憶がある。
一方、デジタル音源の圧縮技術が進歩してmp3ファイルが素人にも扱えるようになると、モーターレスのデジタルミュージックプレーヤーが現れた。だが、当初はメディアがスマートメディアで容量が少なく、あくまで小生のようなもの好きのオモチャだった。
ソニーはあくまでMD路線を堅持し、音質を犠牲にした低倍速モードでMDの大容量化を試みていた頃に…

iPodが現れた。

ハードディスクを内蔵し、GB単位(アルバムならば数十枚単位)でmp3ファイルを放り込めるデジタルミュージックプレーヤーは、「音楽を聞く度にメディアを差し替える」従来のプレーヤーをあっという間に駆逐しだした。まさに黒船到来である。(初代iPodは白かったけれど)
これに対して図らずも旧体制派の旗手となってしまったソニーは、当時の経営陣がバカだったせいもあって最悪の選択をしてしまう。著作権でガッチガチで扱いにくいことこの上ないファイルを独自規格のメモリースティックに乗せた「ネットワークウォークマン」を出してしまったのである。
実際に購入した身からすると、「これがソニー?」と捻った首が脱臼しそうな失敗作だった。その後もソニーの迷走は続き、どんどん大容量化・利便化を進めるAppleに差をつけられてしまう。何代目かの「ネットワークウォークマン」の製品発表で社長が逆さまに新製品を持った時には泣けてきた。記者からなにを聞かれても「ブランド力」しか唱えない社長には殺意を覚えた。
その後iPodは順当にiPhoneに進化を遂げ、電話とミュージックプレーヤーが融合した製品が世のデフォルトなった。こうなるとソニーもブランド云々の空念仏に頼っていられなくなり独自規格を捨て、音質に回帰したハイレゾウォークマンを出し、オーディオ界では一定のポジションを回復するも、Walkmanが開拓した「街中の」音楽市場は戻ってこなかった…

以上、回顧親父の思い出でしたが、最近になってどういうわけだかカセットテープがアナログレコードとともに人気回復しているらしい。プレイ時間をかけて録音する。アルバムが終わるたびにメディアを入れ替える…こんな手間感が新鮮or懐かしいそうだ。
たしかに、針が触れる/離れるときのノイズを入れないように気合を入れてカセットに録音していた頃の音楽は殆ど忘れていない。千枚以上のアルバムを放り込んだiPhoneには「入れただけ」の音楽が結構ある。
音楽との付き合い方を考えると、便利というもの以外の何かがあるのだろう。
というわけでカセットプレーヤーをいっこ買ってみることにした。
以上、中古で買ってきたCDラジカセで"Queen II"を録音しながらつらつら考えてみた。

オーレックス(AUREX) ワイヤレス カセットプレイヤー AX-W10C
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