ラクサンポ３２８

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。川口が元同僚、並木義江とzoomで会話している。

並木
「久しぶり。元気そうで、良かったわ」

川口
「なんとか、NPOに拾ってもらって、働いているよ。そちらは相変わらず、教材販売会社で働いているんですか」

並木
「いつ、会社が倒産するか、恐ろしいんだけど、なんとか続いているわ。今から仕事を探すのはたいへんだからね」

川口
「こちらも同じだよ。就職試験、受けるのは面倒だからさ。積る話は後にして、さくらの元教え子との件なんだけど」

並木
「えーまだ続いているの。森井さんとか、佐々木君たちでしょ。彼ら結束が強いから」

川口
「佐々木君の店で、同窓会を開いていて、俺と並木さんを呼びたいらしいんだ」

並木
「ウソー。それでいつなの」

川口
「年二回はやってるらしいんだ。出る気が有るなら、佐々木君に知らせるんだ」

並木
「彼らが恩義を感じているのか。嬉しいな。同窓会、出ても良いわよ。ストレス解消も必要だからね」

川口
「本当。ありがとう。佐々木君に知らせておくよ。会うのを楽しみにしてる」