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2023年10月15日12:51

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人類の愚かさ

最近読んでいる新書は池田清彦先生の「本当のことを言ってはいけない」。AIの未来についての考察の部分、AIが人間の格差を固定化し、ベーシックインカムによる不労社会を実現するという、現時点では荒唐無稽にも思える近未来の話なのだが、まあ遅かれ早かれこうした方向に世界は進んでいかざるを得ないのかなとは思ってしまう。

イスラエルの現状など見るに、「平和、平和」と唱えていればというお花畑的な考え方に実効性はまったくなく、人類に戦争の撲滅はもう絶対無理なのは明白のこと。だったらいっそのこと、政治自体もAIに任せてしまった方がましなんじゃねーの思えるのだが、そこで自分が想起してしまうのが手塚治虫さんの漫画「火の鳥」の世界。初出は1960年代後半だから僕の生まれたよりも前の漫画だな。

西暦3404年、人類はかつての活気をすっかり失い、急速に死にかかった地球の地上から地下へと逃げ込み、政治を電子頭脳に委ね、無気力な市民たちはすっかり懐古主義に走っている。人々が住む「永遠の都」は地球上に5つあり、それぞれの都には500万以上の人間が暮らしているのだが、やがてそれぞれの都市の電子頭脳同士がお互いを攻撃しあい、一瞬で人類は滅亡するというストーリーなのだけれど、本当にこれが半世紀以上前に書かれた作品なのか、これこそが人類の予言の書なんじゃないかと思ってしまうね。

こうなるとあまり健康なんかに気をつかわずに早々に鬼籍に入りたいものだと願ってしまう。少なくても平和な時代を生きられたってことで満足しないといけないのかななんて。う〜ん、日本という国は世界でも有数の豊かで平和な国のはずなのに、この全然幸福感がないという状況は何なんだろうね。

今週の映画は「ロストケア」(監督:前田哲/出演:松山ケンイチ、長澤まさみ)を観ました。ある早朝、民家で老人と訪問介護センター所長の死体が発見された。死んだ所長が勤める介護センターの介護士が犯人として浮上するが、彼は介護家族からも慕われる心優しい青年だった…。

最近、死人に口なしじゃないけどさ、殺人者にばかり寄り添って理不尽に殺された被害者の思いはどうなんだって思うことが多い。最近の京アニの放火事件の裁判の話とか、神戸の5人殺害事件の無罪判決とか、津久井やまゆり園の事件の映画とか(実際にまだ見てないからあくまでも印象だけなんだけど)。この映画もどう見ても松山ケンイチの方に完全べったりの映画じゃない。それってどうなのよって思っちゃうけどな。

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