今日は運転中の車のラジオで、いつものように「マイあさ」を聞きながら走っていました。その中で「ラジオが伝えた戦争」というコーナーがあり。清泉女子大学の太田奈名子さんという方がゲストでお話しされました。「NHK番組アーカイブス学術利用トライアル」という音声アーカイブがあり、そのことについてお話しされていたのですが、田中MCがラジオ放送の研究のきっかけを尋ねたときに、太田氏がマイクの向こうで涙ぐむ様子がはっきりとわかりました。
戦後の有楽町のガード下にたむろする女性たちにNHKアナウンサーがインタビューを試みている音源で、その元締めである「姐さん」と呼ばれる女性へのインタビューで聞き手のアナウンサーが「将来に対する希望なんか持ってないのかね。」と尋ねたところ、姐さんと呼ばれる女性は「そりゃあ人間ですもん、ないってことはないでしょう」と色をなして反論したそうです。
「そりゃあ人間ですもん」の言葉は太田氏の胸をえぐると同時に、その話を聞いた私にも突き刺さってしまいました。
どんな境遇にあるにせよ、人が生きているのは明日は何かの幸せが訪れるかもしれないという不確かでも間違いのない希望を持っているからであり、姐さんと呼ばれる女性を代表とする戦後の女性たちの凛とした生き様を思い描くのに十分な言葉でした。
女性であれ男性であれ、戦後であれ現在であれ、人間として生きていくためにはひどくつらい時期もあるでしょうが、生きることが希望を失わせないことにつながっていくのでしょう。
太田奈名子さん、素敵なゲストでした。
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