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2023年06月07日11:21

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『波紋』感想

〜須藤依子は「緑命会」という新興宗教を信仰し、祈りと勉強会に励みながら心穏やかな日々を過ごしていた。そんなある日、十数年前に失踪した夫・修が突然帰ってくる。自分の父の介護を依子に押しつけたままいなくなった修は、がんになったので治療費を援助してほしいという。さらに息子・拓哉は障害のある恋人を結婚相手として連れ帰り、パート先では理不尽な客に罵倒されるなど、自分ではどうしようもない苦難が次々と依子に降りかかる。湧きあがってくる黒い感情を、宗教にすがることで必死に押さえつけようとする依子だったが……〜<映画.comさんより>

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今まで、なんかこう、相性がよくない気がして、荻上直子監督作品は未見だった私。
でも、今回、筒井真理子さん主演ということで、観ないわけにはいかなかった。
果たして、感想は・・・。

面白くなくはなかったんです。
でも・・・なんだかなあ〜みたいな。

放射能の影響があるかもしれないからと水道水の水は料理には使わないようにするが、夫の父親の食事には水道水を使う依子。
その放射能が怖くて1人逃げた夫。寝たきりの自分の父親をも残して・・・。
十数年後、いきなり戻ってきて「がんになった」と言う夫。
母親とのいざこざを避けるため、九州の大学に行っていた息子は、いきなり障害をもつ女性を連れてきて、結婚相手だと言う。
パート先のスーパーではクレイマーに悩まされるが、同職場の清掃担当女性と仲良くなる。
依子の心の拠り所は、新興宗教。

まあ、ざっとこんな感じで、依子は次から次へとふりかかる問題に翻弄される。

好きだったし、上手いなあと思ったのは、平和だったころの家の庭には、様々な花が植えられていたのに、夫が出て行ったあとは、枯山水になっていたこと。
枯山水とは・・・水を一切使わずに山水の景色を表現する庭園様式のひとつで主に石や砂のみで山水を表現すること。

最初に飲み水の問題があって、夫が出て行った後の庭は、わびさび風情の枯山水。
(水はないけど、依子は丁寧に庭に砂紋を描くのが日課に)
そして依子は、特別な水を売り物とする新興宗教を信仰してるという。
水に問題が起き、水に狂わされ、水に救いを求め、水で癒されている。
あと、プールで泳ぐようになるっていうのも、関係あるかな。

※予告編
https://youtu.be/5LicxTCEFiQ

筒井真理子さんは、適役。
相変わらず普通の演技が上手いし、シーンごとにどういう表情が求められているかしっかり把握して、細やかに変化させている。
大好きだった劇団『青い鳥』の木野花さんが、上手いのなんの。
柄本明さんをはじめ、小劇団の名優たちが、脇を固めていて、そこは手堅い。

そうそう、依子が夫の歯ブラシで洗面台を掃除するシーン。
フランソワ・オゾン監督の昔の作品を思い出して、1人苦笑い。
っていうか、夫への復讐として、妻がよくやることらしいですね(笑)

しかし、途中、銀河系?みたいなところに行って、会話をするのは・・・あまり効果を出していなかった気がする。
やりたかったのはわかる。でも、あれはあれで、何かケリをつけないと・・・。
最後のフラメンコの演出も、もっとやらないと、あれじゃあ足りなくないか。

観て損はしないと思います。斬新かつリアルでブラックユーモアに溢れている。
ただ、これからもこの監督の作品を観るかはまた別のお話。3.5☆
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