続きました。
◆2日目【活動時間/8:50、行動時間/6:05】
6:55/槍沢ロッヂ(標高1814m)をチェックアウト、登山再開⇒7:05/槍見の
大岩⇒7:25/赤沢岩小屋⇒7:35/ババ平(標高1987m/ここで7:45まで小休止)
⇒8:00/赤岩沢⇒8:05/大岩沢⇒8:10/五郎沢⇒8:20/大曲り(標高2094m/こ
こで8:40まで中休憩)⇒9:00/曲沢⇒9:25/中ノ沢⇒9:45/天狗原分岐(標高
2348m/ここで10:10まで中休憩)⇒天狗原(氷河公園)方面へ⇒途中雨のため
ウェアリング調整で小休止10分⇒11:10/天狗池(標高2524m/ここで11:50ま
でお昼休憩)⇒途中雨のためウェアリング調整で小休止15分⇒12:55/天狗の
コル(標高2700m/ここで13:10まで小休止)⇒横尾尾根へ⇒14:30/天狗原稜線
分岐(標高2977m/ここで14:50まで中休憩)⇒15:10/南岳(標高3033m)に登頂、
ここで15:20まで小休止⇒15:35/南岳小屋(標高2975m)着、チェックイン⇒
15:45/大キレット展望台を往復後、南岳小屋に泊
◆写真はYAMAPへ↓
大キレットに行こうとした
https://yamap.com/activities/19733917
休憩を切り上げ天狗原を歩き出す。ゴロゴロ岩の上を進むと、正面から3人組が向かってくる。昨日、横尾から槍沢ロッヂまでずっと一緒だった女性3人のパーティーだった。話を聞くと、今日は槍に向かうが、早朝に移動開始して天狗池をピストンしてきたのだと言う。
「天狗池、どうでした？」
「ええ、とーっても良かったですよ！槍がキレイに映ってました！」
「おー、それは楽しみです！では、お気をつけて！」
3人組とすれ違い、ガレ場を登って行く。ちょうどツバメ岩の下あたりだろうか？天狗池にはこのツバメ岩の南端をトラバースして小尾根を乗っ越すのだが、そのトラバース中に再び雨が！しばらく様子を見るが、中々止みそうにない。とは言え雨量はさほどではない。しかしこの先の足場を考えるとここでレインウェアは着こんでしまった方が安全だろう。ちょうどトラバース道で傾斜も緩いので急遽、ウェアリング調整のための小休止を取ることに。するとまた雨は止んでしまった。
「んもぅ〜！何なのさっきから、この天気は！」
思わず愚痴が出る。取り合えずレインウェアはジャケットだけを着て、再び歩き出す。小尾根の乗っ越しは樹林帯の中だが、足元は相変わらずの大岩ゴロゴーロ。ただ、今度は足元からザーザーと水の流れる音がする。おそらく岩の遥か下に水流があるに違いない。これは天狗池はもうすぐかな？今度はソロの女性とすれ違う。同様の質問をすると、やはり「槍がキレイに映ってました」とのこと。後ろを振り返ると確かに槍の穂先が見える。
樹林帯を抜けると再び岩しかない荒涼とした光景が。下を覗くと水溜りがあるじゃないの！
「わー、天狗池！これが天狗池だね、やっと着いた〜！」
池の周りは岩に囲まれていて中々に険しい。この位置では槍が背後にあり、自分が影になってしまって映り込みは見えない。時計回りに岩場を下り、天狗池の池畔に到着。水深は20〜30cmくらいだろうか？透明で池の底までくっきり見える。そして岩に囲まれて風の影響を受けないせいか、池面は鏡の様になっている。逆さ槍を見るにはもう90度、池を回り込まないといけない。天狗池の周りを歩いて行くと、さっきまで鏡の様にピカピカしていた池面が急にボツボツとしてきた。
「げ、雨だよ、雨！雨！DA！YO！」
まーた降ってきやがったか！しかも今度はさっきまでと違い、本格的な雨である。槍が映るどころか辺りはガスで真っ白に、何も見えない！槍の穂先もガスの中に隠れてしまった。なぜだ、なぜうちらが到着した途端に雨なんだYO！今回のルートではこの天狗池、かなりのお楽しみスポットだったのに〜！
しばらく様子を見るも、雨は全く止む気配が無い。しかも風まで出てきたゾ？予定ではここが本日の昼食休憩場所。お昼ご飯を食べている間に天候が回復するかも知れない、と一縷の望みをかけ、ここで大休止を取ることにした。お昼ご飯と言っても、移動日にコンビニで調達してきた総菜パンである。自分は山行時のお約束、カレーパンをモグモグする。すると更に雨脚が強くなってきたじゃねえか！こりゃイカン！呑気にカレーパン齧ってる場合ちゃうぞ？
大急ぎでレインパンツを履き、ジャケットもフロントのジッパーを締める。ザックカバーを装着しようとしたが、あー、アレだ！外付けのヘルメットが邪魔なやつ！もう、だからヘルメットが必要なクラスの山での雨は嫌いなんだよー。ここから先はずっと岩稜帯なので、もう、被ってしまえ！マフラータオルを頭に巻いてからヘルメットを被り、その上からレインジャケットのフードを被る。外付けの出っ張りが無くなったザックには、大急ぎでザックカバーを。そしてチェストバッグやグローブなどの小物の荷物は極力、濡らさないように大きな岩が庇になっている場所に押し込む。
予報をチェックしたいが、この場所は3人とも誰もスマホが圏外だった。上空の雲は全然流れておらず、しばらく雨は止みそうにもない。今日はここから3000mの稜線まで上がらないと行けないが、この先は雨天行動を覚悟しないとダメかあ。ここ天狗池周辺は紅葉の時期は涸沢カールに勝るとも劣らない、有名な絶景スポットなんですよ。9月の連休の時期では紅葉はまだ全然なんですが、それでも天狗池は、と楽しみにしていたんだけど、この天候ではもう、どうにもならんですわい。
結局、天狗池にはお昼休憩で40分程滞在するも、天候の回復は期待出来ないとの判断につき、登山を再開する。ナナカマドがポツポツと赤く色づいてはいるものの、基本的には大岩がゴロゴロしたグレー一色の荒涼とした景観である。岩に付けられた〇×ペイントを頼りにジワジワと標高を上げていく。天狗池を見下ろせるくらいの高さまで上がると、雨が止んで晴れ間が出て来た。さっきまでのガスは消え去り、槍がキレイに見える。背中側、安曇野方面の空は晴れ渡り、西岳の背後には常念岳が！
「おっせーYO！なんでうちらが天狗池を離れたら急にこんなに晴れるんだYO！」
全くその通りである。ただ、いつまた雨が降り出すかわからない。レインウェアはそのままに登り続けるが、今度は暑くてかなわない！天狗のコル(横尾尾根のコル)はまだ遥か先だが、もう既に手を使わなければ登れないような岩場に入っている。運動量は平地を歩くのとは比較にならないのだ。
「アカン！暑い！暑過ぎる！」
「脱ぎますか？脱ぎましょう！」
と急遽、岩場でウェアリング調整のため小休止に。ザックカバーだけそのままに、レインウェアは上下とも脱いでザックの雨蓋の間に押し込む。ホントはこんなよろけたら滑落するような岩場でやってはダメなんだけど、仕方ない仕方ない！気を取り直して行動再開じゃ！何人か上から降りてくる人とすれ違ったが、みんな雨仕様の恰好をしているので、先程の雨はやはり稜線上でも降ったんだろうねえ。
天狗池を出発して1時間と少し、ようやっと横尾尾根のコルに到着。いやいや、正直こんなに厳しいとは思ってなかったですよ。雨のせいもあると思うけど、頭のどこかでは槍沢ルートを歩く感じだと思い込んでいたのかも知れませんね。標高は2700m、天狗原分岐から稜線までは標高差約600mなので、ちょうど半分まで登ってきたってとこですね。
しかしどうだろう、この景色！ここまでの険しさにも驚いたが、ここ、横尾尾根のコルからの眺望にはもっと驚いた！進行方向を右向けば槍ヶ岳が！このアングルで槍ヶ岳を見るのは初めてです。東鎌尾根から見る槍はキレイな三角形なので大好きですが、横尾尾根からの槍も素晴らしい！
そして東鎌尾根と言えば、ここからはその全景が見て取れる。槍沢から見上げるのと違い、目線が高いので東鎌尾根のアップダウンまで、詳細が良くわかるじゃないの！西岳から水俣乗越までの下り部分も見えるし、3連40mのハシゴがある難所「窓」も目視で確認出来ました。目線と言えば、ちょうど同じ高さに殺生ヒュッテが見えるぞ！このアングルから見ると殺生ヒュッテから槍の肩までの斜度、ヤベーなあ。こりゃあ九十九折にルートが付くわけだ、歩いて直登出来る斜度じゃない！こうして俯瞰してみると、殺生分岐から天狗原分岐の区間が俗に言う「グリーンバンド」なんだ、というのが一目瞭然！
そして進行方向の左側、今度は穂高連峰が見えますYO！北穂と前穂、前穂の北尾根がバッチリ視野に入る。そして下を見下ろせば、ああ、これ。本谷橋の所だ！本谷橋を出発して左にカーブしてる辺り、そこから見える風景の中に今、自分はいるんだ。昨年、吊尾根から初めて涸沢カールを見下ろした時と同じ、何とも不思議な感覚です。そうだよなあ、この横尾尾根は横尾本谷のカールと天狗原のカールを仕切っているカーテンのようなロケーションなんだ。その境目にいるから、両方を同時に見ることが出来るんだ。これ、下を歩いていたら絶対に見えない光景だよ。
初めての槍は行きは東鎌尾根、帰りは槍沢を降りたんですが、あの時もホント、東鎌尾根に上がって良かったって心から思ったもの。今回だってもし、天狗原から槍沢ルートで上に上がっていたらこの景色はずっと知らないままだっただろうし、自分で調べようとも思わなかったに違いない。そして正面を見上げる。
「ぐぬぬ、これなー。岩尾根の直登かー！」
よく考えたらそうなんだよ。同じ標高の場所に行くわけでしょ？槍沢ルートよりかなり時間が短いんだから当然なんだよ。でもこれ、急登とか傾斜がキツイとかってレベルじゃなく、北穂の南陵やザイテンとかと同クラスなんじゃねえか(ザイテングラートは通ったことないんですけどね)。ここまではダブルのトレッキングポールを縮めてザックのショルダーストラップに脇差しにして、不安定な恰好で無理やり登ってきたけど、ここから先はダメだ、登攀モードに切り替えないと。チェストバッグはともかく、トレッキングポールを完全に収納して両手を使える状態にしなくては。
しばらくして遅れていた後続の二人が這い上がってきた。HGさんもONZKさんも顔が死んでる！
「ｱﾋｰ、息が苦しい！標高がぁ、ｱﾋｰ、高い！空気、がぁ、薄い！キツい、キツいのぉ！」
HGさんが汗だくで今にも死んでしまいそうな顔してる！これはもしかして、ホントに死んでしまうのかな？
「いやー、厳しいです！こんなルートだなんて聞いてなかったですよ、ヒドイ！」
ONZKさん、顔が険しい！顔が全く笑ってない！あれ？何か怒ってます？
「HGさん、大丈夫ですか？ちょっとここで長めに休んで体力を回復しましょう！」
「無理！限界！体力使い切った！活動限界です！明日の大キレットは自分はやっぱり行きません。今！もうこの段階で宣言しときます！」
「HGさん、ここで限界ってちょっと上、見て下さいよ。この先、岩尾根の直登っすよ！ここから引き返すんですか？」
「いや、ここまで来たらもう、降りるって選択肢は無いよ。何とか頑張って南岳までは登る。でも明日は大キレットは行かない！」
「まあ、それはもう少し後で考えましょう！」
いやね、ちょっとこのタイミングでギブアップが出るのは予想外でしたが、半分くらいの確率でHGさんは大キレットは行かないんじゃないかなって、実は思ってたんですよね。今回、事前の打ち合わせで、当日の天候急変などで大キレットを中止にする場合のエスケープルートに関して色々検討したんです。ダメだった場合は槍方面に稜線を歩いて槍沢ルートで下山するってね。HGさんは体力的に無理だったら、最初からそうするつもりだったみたいですし。槍沢での下山は時間はかかるけど、手を使うような険しい場所は皆無ですから。
15分程休憩して落ち着いたら行動再開、最後の登りに差し掛かる。ポールを収納して両腕が自由に動くようになったので、ここから先は快適だった。けどこれ、やっぱり北穂南陵から南陵テラスまでの区間相当の難易度だよ、初心者は一人で登っちゃダメなやつだ。稜線直下はもう、ほぼ垂直です。帰宅後に調べたんだけど、最初のハシゴは14段4m、次のハシゴは21段6m、その上の鎖場にいたっては27mもある。休み休み登らないと、あっと言う間に息が切れる。当然だよ、標高3000mだもの、気圧は0.7気圧しかないんよ、酸素が薄いんだYO！
時刻は14時半、やっとのことで天狗原稜線分岐に這い上がった。正面に飛騨側の山々の景色が飛び込む。流石に疲れた〜！槍沢ロッヂを出発して実に7時間半もかかってしまった。でもよく考えたらそれは所要時間でして、休憩時間を抜くと標準コースタイムとはニアリーなんですがね。何せ今回は雨が降ったり止んだりしたせいで、途中3回のウェアリング調整で40分近く浪費してるから。それが無ければもう少し、早く着いたかと思います。
ザックをほっぽり出して稜線からの眺望を堪能する。日本の屋根、槍穂高連峰の主稜線だぜ！槍方面を見る。手前に三角形の中岳、隣に長い台形の大喰岳、その奥に槍ヶ岳。標高3000mの稜線、凄い！槍までの稜線は北穂山頂から何度も見てるけど、目線の高さが変わるだけで全くの別物に見える。なるほど、こんな風になっているのか！そして振り返って南岳。遠望すると薄っすらとした蒲鉾型の山で、どこが山頂なのかがよくわからなかったんだけど、間近で見るとちゃんとした山だよ、山の形をしている！
そして今登ってきた横尾尾根。これなー、ホント。どうしてくれようか！この尾根をずっと辿って行くと、横尾山荘の前辺りに出るって話じゃないですか。積雪期は上高地から南岳にアクセスするルートとして結構活用されてるって話ですが、無雪期はかなりマイナーなルートみたい。一頻り眺望を楽しんでいると、後続の二人がやっと上がってきた。
「反則だよ、反則！この尾根は反則！」
とHGさん。
「えー？ちょっともうﾔﾀﾞｰ、何が反則なんですかー？」
「こんなの聞いてない、聞いてないよ！」
「確かにねえ、自分も今回初めてだったし、気持ちはわかります。正直、ここまで険しくてキツいとは思ってませんでしたもん」
ONZKさんは相変わらず顔が険しい。正確には不機嫌全開の顔をしている。あのー、やっぱり何か怒ってます？さっきから全然しゃべらんし・・・。
「ONZKさん、大丈夫ですか？明日、大キレット、行けます？」
「いや、ちょっと自信無いです。正直言うと、行きたくないです。けど、最終判断はリーダーに任せます」
「オレはさっき言ったからね！行かないよ！大キレットは行かないよ！」
あー、はい。。
HGさんは想定範囲内なので別に驚かないが、ONZKさん、ダメかあ。これは心が折れてるかも知れんな。心身共に充足した状態でやっとチャレンジできるかどうか、ってレベルの大キレットですから。戦意喪失の状態では止めた方が良いね。無理やり連れてって事故ったら大変だし。それと明日の天気がどうなるか、まだわからんし。ここまで来て悔しいけど今回はもう、この段階で撤退を決めた方が良さそうだ。明日、予定通り大キレットを攻める可能性がある、って状態だと2人のメンタルに良くないだろう。もうここで撤退宣言を出すとするか。
むにゅ、リーダーは辛いなあ。
「ではもうこの段階で決断しますね。明日の大キレットは中止、アタックはせずに予定したエスケープルートを進みます。二人ともそれで良いですか？」
「はい、全然構いません。そうしていただけると逆に嬉しいです」
とONZKさん。
「やめよう、やめよう！無理だよ無理！明日は槍ヶ岳の方回って槍沢へ降りよう」
とHGさん。
「了解です。じゃあもうここで大キレット中止は確定ね。そしたらとにかく南岳に登頂してから南岳小屋に向かいましょう。時間もかなり押してるし、出発しますYO！」
20分程の中休憩を切り上げ、今回の山行で初のピークとなる南岳山頂へ向かう。スタートは岩屑のなだらかな稜線歩き。収納していたダブルのトレッキングポールを出すも、山頂直下でまた直ぐに収納することに。飛騨側と涸沢側は2回ほど交互に乗っ越す場所あるんですが、涸沢側は垂直に切れ落ちていて、墜落したら即死不可避のロケーション。流石に大キレット近くのエリアだけある。再び稜線に上がったらなだらかな登りに。2日かけて、ようやっとのことで南岳に登頂。3033m、久々に新しい3000m峰のピークを踏むことが出来ました。
一通り写真を撮ったら本日のゴール、南岳小屋へと向かう。眼下に赤い屋根が見える。そう言えば昨年の穂高縦走、涸沢岳から穂高岳山荘に向かう時もこんな感じだったな。南岳小屋の背後には大キレットを挟んで北穂高岳と飛騨側の滝谷の荘厳な景観が。これはスゲー！南岳の山頂からは15分程で南岳小屋へ到着。時刻は15時半過ぎ、当初の予定より1時間半近く押している。外のベンチにザックを置いたらまずはチェックインを済ます。再び外に戻り、獅子鼻岩の手前にある展望台へと3人で向かう。せっかくここまで来たんだ、目の前で大キレットを拝まなくては！
展望台から見る大キレットは想像を超える大迫力でした。横から見て想像していた地形と全然違う。北穂の山頂からは何度も見ているけど、見えるのは切れ落ちている縁までで、その先がどうなっているのかは北穂からは見えないのだよ。南岳小屋から見るそれはもう、ホントにこれ一般登山道なの？って感じで、南岳小屋から最低コルへの下降も、北穂高岳北壁への登り返しも、とても出来るとは思えない。いや、思わせないようなビジュアルを放っているんだよ。ホントは明日、挑戦するはずだったんだけどね、まあ一度撤退を決めたんだから撤退するんだよ！
展望台から小屋へ戻る途中、槍沢ロッヂへ電話を入れて事情を説明、明日の予約を入れる。明日はまだ平日なので、前日の連絡でも予想通り予約が取れた。涸沢小屋へのキャンセルは電話が繋がらないので今は諦め明日、再度電話することにした。ベンチに放置したザックを回収し、小屋へ入る。部屋は蚕棚の相部屋だが、下部分を3人で占有する形なので昨日の槍沢ロッヂ程ではないが、かなりゆったりと過ごせそうだ。売店で缶ビールを買って再び外に出てベンチへ。お疲れ様！のはずが、みんな元気無いなあ。ONZKさんはよく見たらビールじゃなくてソフトドリンクだし。
「今アルコール飲んだらちょっと具合悪くなりそうなので・・・。」
ありゃ、大丈夫かしら？確かにここ、標高3000mの稜線だし気圧低いし酸素少ないし、無理に酒は飲まない方が良いだろう。風も強くなってきたので、缶ビールを1本だけ飲んだら部屋へ戻る。夕食時もONZKさんは元気が無かった。食欲が無いとのことで、お残しはしないものの、今日1日の運動量でご飯のお替り無しというのは明らかに小食である。ちなみここの食事は1ターンのみ、宿泊者は自分ら3人を入れてたったの8人。残り5人は全員ソロで、ここにいる8人全員、大キレットを目的にここに居合わせていることも判明。
夕食後、一服しに小屋の外に出るも、あまりの強風で長居は無理、直ぐに小屋に戻る。部屋に戻るとONZKさんはもう寝てしまっていた。食欲も無いみたいだし体調、大丈夫だろうか？メンタルだけじゃなくてホントに具合が悪いなら明日の行動も少し考えないといけないよ。HGさん誘って下で飲もうかな、とも思ったけどHGさんも披露困憊しているようなので声をかけるのをやめる。うーん、今日は確かに疲れたけど、困憊って程じゃあないんだよねえ。だって明日は大キレットに突撃する予定だったからさ。予定通りなら自分も今から寝て、体力回復に努めるんだけど、明日はエスケープだしなあ。
独りで飲んでもつまらないので、自分も荷物整理を終えたら19時に寝てしまいました。
その�い紡海�・・・。
■写真解説
�＿Ｈ�尾根から横尾本谷を見下ろす。正面は屏風岩、山腹下部には本谷橋から涸沢カールへと続く登山道が見えます。いつも見上げる尾根の上から今度はいつもの場所を見下ろすという、何とも不思議な感じ。
��2日かけてやっと南岳(3033m)に登頂〜！久々の3000m峰のピークです。4日間の道程で快晴だったのはこの時だけでした(ｼｮﾎﾞｰﾝ)
��やっとのことで辿り着いた天狗原稜線分岐からの飛騨側の眺望。雲海が広がり、飛騨側の峰々が雲海から顔を出しています。
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