■山行概要
◆【南アルプス】
奥仙重(2052m)⇒櫛形山(2052m)
◆2022/9/10(土)、曇り、気温/16℃位(体感)、風/無風、湿度/90％(体感)
ガス濃度/眺望ゼロ、魔境感/魔女が住んでるレベル、全備重量/11.2kg
◆日程は後泊含む1泊2日だが、山自体は日帰りのトレッキング
所要時間2:05(コースタイム1:55)、累積標高差約286m、歩行距離3.1km
◆8:30/池の茶屋林道終点の駐車場(標高1680m)着、ここで1時間程仮眠⇒
9:45/登山開始⇒10:15/眺望ポイント(ガスで何も見えないので通過)⇒
10:35/奥仙重(2052m)登頂⇒10:55/櫛形山(2052m)ここで11:05まで小休止
⇒11:20/奥仙重(2052m)⇒11:35/眺望ポイント(ガスで何も見えないので
通過)⇒11:50/池の茶屋林道終点の駐車場(標高1680m)へ帰還
◆写真はYAMAPへ↓
櫛形山
https://yamap.com/activities/19478048
南アルプスの前衛峰、「櫛形山」に行ってきました。実は登山を始めて12年目にして初めて、南アルプスエリアに足を踏み入れましたのYO！
それではいつも通り、無駄に長い前説からどうぞ。
【前説】
くっそ、コロ助め！やられたぜ！2109年12月から2年9ヶ月、罹患しないように頑張ってきたんですが、遂に罹患してしまったでござるよ！山行レポートの前にしばし近況報告を。
前々回の山行、国師ヶ岳＆北奥千丈岳からの帰宅直後、同行のHGさんが妖精にジョブチェンジしたとの連絡があり、自分とだーたかさんは「濃厚接触者」となり、しばし在宅勤務に。身近な人が罹患して
「あー、いよいよかあ、身の回りにも忍び寄ってきたなあ」
なんて漠然とした不安が漂い始めた7月下旬。
8月のお盆休みは家族旅行などがあって山はお休み。8月下旬、そろそろどこか山行って身体動かさないと9月の大キレット本番、ヤバいんじゃねーの？何て思っていたんですよ。行くとしたら8/27か9/3のどちらかの週末。まだまだ夏真っ盛りで暑いので、2000m以上の山でどこか良さげな所はないかと模索する。
すると「石和健康ランドの県民割り、期限を8月末から9月末に延長」との朗報が！これはもう、活用するっきゃないよね！そこで石和を起点に日帰りで行ける2000m以上の山を探すも、奥秩父方面はあらかた全て行ってしまったのだよね。大弛峠からの国師ヶ岳＆北奥千丈岳、同じく朝日岳＆金峰山。笠取山は行ったし、乾徳山は2回行った。大菩薩嶺は3回も行ってるしなあ。かと言って甲武信ヶ岳は自分の足では日帰りは無理だし・・・。
「HGさん、そろそろ南アルプス方面、開拓しますか！」
弟氏はこの界隈に結構行ってるので、相談をしてみる。すると移動距離や標高差などから「櫛形山がオススメ」との回答が。ふむふむ、ICは甲府南、標高は2052m、下山して石和に移動するなら時間も距離も条件的には申し分ないねえ！ってことでHGさんと櫛形山に行く予定を立てました。
・8/25(木)夜、何か喉がイガイガする。エアコンのせいかな？ま、いっか。
・8/26(金)朝、相変わらず喉の調子が良くない。かみさんから「あんた、まさかコロナじゃないでしょうね？」
・8/26(金)昼、この日は午後、ナンチャラデー取得で午後は半休、夜は山行打ち合わせを兼ねてHGさんと会う予定だったが、万が一があるのでキャンセルして夕方早い時間に帰宅。ﾝｺﾞｺﾞ、何か喉が痛いゾ？
・8/26(金)夜、かみさんが帰宅するなり「今の状況、風邪症状が出たらまず間違いなくコロナだから医者行け！」と、片っ端から発熱外来やってる所に電話を入れて予約を取る。
って感じでね。あと15分で終了、っていうクリニックに予約を取って、「今から主人を行かせますので！自転車なら10分で行けますから！」と東神奈川の方にある一度も行ったことのないクリニックへGO！
19時過ぎ、抗原検査でバッチリ陽性反応が出てめでたく自分も妖精にジョブチェンジですわ。最近はPCR検査は時間がかかるので、抗原検査で陰性が出た人しか検査しないんだってね。帰宅後は家庭内隔離なんてマンションじゃ出来るはずもなく、週明け月曜日に娘氏が、翌日火曜日にかみさんが、それぞれ妖精にジョブチェンジしまして、家族全員見事に罹患！これによって家庭内隔離は解除。自分は翌週末の日曜日まで自宅療養となりました。最初はホテル療養を申し込んでいたんですが、もう家庭内での隔離は不要となったので、家の中では普通に過ごす。
それにしても今回は万が一に備えて帰宅時にパソコンとか、在宅用の機材を一式持ち帰ったのが本当に功を奏したと思います。何事も無かったように在宅勤務に移行できたからね！
症状は3人とも喉が痛いだけで発熱は無し。自分は出社を在宅勤務に変更するだけでコロナ罹患を理由にした欠勤は無し。かみさんは急に仕事が10日間休みになったので大喜び！マスクはしなくていいし、病院でコロナ感染者に接することもない。症状は喉だけなので、毎日アマプラでドラマ見ながらビール飲んでるダラダラ生活、羨ましい〜！娘氏も一緒で学校は当然休み。ただ、症状は同じく喉だけなので酒こそ飲まないものの、かみさんと一緒に毎日アマプラ三昧！
なんか自分だけ毎日、在宅で仕事してていやだなあ！まあコロナ陽性の自宅療養なので、仕事は休んでもいいんだけど、ちょうど月末で仕事が立て込んでるのでそうもいかないのだよ。まあ、それもあるけど、本音はコロナを理由に仕事を休みたくなかったんだよね。糞コロナのせいで行動を制限されることが何よりも腹立たしいので、コロナに罹患しても在宅勤務に切り替えるだけで、何の影響もないぜ！ってことを身を以て証明したかったんだ。影響と言えば、客先への訪問予定をオンラインに切り替えたくらいかな。他は仕事には一切影響なし、どうだ、参ったか？コロ助め！
ちなみに食糧はかみさんが妖精になる前に大量に買い込んでいたので、療養期間中は特に外出出来なくても全く問題無し。コロナの有無は関係なく、自宅には常時、家族2週間分くらいの食糧備蓄があるので、こう言った非常時にあたふたすることは元々皆無なのだ。備えあれば憂い無し！
さて、そんなこんなで自宅に10日間の缶詰生活を送ることになり、予定していた山行は延期に。自分は9/5(月)から通常生活に復帰。罹患中、発熱は一番高い時でも37.7℃が一度あっただけで、普通の風邪の時よりも症状は遥かに軽かった。まあ、そうなるためにワクチン3回接種してるんだから、効いてくれなきゃ逆に困るってもんよ！
というわけで、延期した山行にようやく行ってきましたYO！ってことですわい。
【本編】
さて、山行当日。朝は4時半に横浜の自宅を車で出発、まずはHGさんをピックアップしにお隣の川崎へと向かう。何か前日は眠りが異様に浅く、只でさえ短い睡眠時間が更に短く、眠くて仕方がない。HGさんと合流したら調布から中央道に乗って一路、甲府南へGO！途中、談合坂SAでお約束の朝ご飯とウンコタイム。空はドンヨリとした曇り空。
この日の予報は午前中は曇りで午後から雷雨の可能性。元々、櫛形山は眺望の無い山なので天気が良くても悪くても景色は期待できないわけで、リハビリが目的の登山につき山を歩ければいいや、って程度のモチベーションなわけです。
甲府南で中央道を降り、富士川を渡ったら甲府盆地の市街地を抜けて林道「池の茶屋」線へ。林道終点の駐車場には8時半頃現着するも、あまりの眠さに堪らず車の中で1時間程仮眠してしまったYO！その間、HGさんは車外にいたみたいだけど、何してたんだろ？放置してしまって申し訳無い。ちなみに林道を運転していた時の記憶が全く無いんだよねえ。早朝で暗かったせいもあると思うけど、とにかく眠くてさ。
9時半頃、ようやっと車から出て身支度を始める。もう登山開始がこの時間の段階で、当初予定していたルートは半ば諦めモード。先日、HGさんが一人で偵察登山に来て、その時は時計回りで周回したとのことで、今回は逆に反時計回りで周回しよう、なんて話をしてたんですがね。HGさんも身体の調子がイマイチで薬飲んでやっと、ってな状況につき、リハビリ登山だから無理はやめようってことで合意。反時計回りだと、奥仙重のピークを踏んだ後に櫛形山に登頂、となるのですが、標準コースタイムは往復で2時間もかからない。これじゃあリハビリにもならないんじゃないか？ま、いっか。
9:45、駐車場を出発。避難小屋の様な休憩舎の裏側に周り、鹿柵を開けて登山道へ入る。ここのルート、植生保護のためにいたる所に鹿柵があって、扉の開け閉めを何回も行うんですよ。そのうち、自分が今、鹿柵の外にいるのか中にいるのかが分からなくなってきてしまいます。なお櫛形山の鹿柵、落雷時には感電するそうです(そう言う注意書きが全ての扉に書いてありました)。
スタートは土の道の急斜面を登って行く。しばらくすると明るく開けた尾根に出るが、眺望は無し。笠取山の山頂直下を彷彿とさせる急登で一気に標高を稼ぐようで、登り切ると頂稜の端っこに出る。ここに展望スポットがあり、山座同定用の案内版が三方向に設置されているんだけど、ガスで真っ白。何にも見えません！ホントは正面に北岳や間ノ岳など、南アルプスの3000m峰の景色を拝めるらしいんですがね。
頂稜を歩き出すと、一気に雰囲気が変わり魔境の様な感じになってきた。
「これよこれ、サルオガセだよ！」
とHGさん。なるほど、これは確かにスゲーなあ。
「サルオガセ」とは「樹皮に付着して懸垂する糸状の地衣 」のことで、簡単に言うと樹木の樹皮に寄生する苔の一種なんですね。見た目が朧昆布みたいで、それが辺り一面の原生林のあらゆる所から垂れ下がっているのだ。ふわふわした見た目とは裏腹に、樹皮に寄生しているので引っ張っても簡単には剥がれない。天気が良い時は「山の中なのに水中を漂う海藻みたい！」なんて感想を述べる人もいるようだが、
・樹林帯の中で陽が射さず、薄暗い。
・人の手の入っていない原生林の中。
・ガスが入り込んで、霧のように辺りは真っ白。
・自分達以外に誰も人が居ない。
な状況下、いたる所に垂れ下がっているサルオガセはホラーテイストたっぷりです。サルオガセが垂れ下がっている大きな木は、枝がおかしな方向に曲がっているのばっかりだし、自分の第一印象は
「あ、この森。魔女が住んでる場所だ」
でした。とにかく景色が日本っぽくないんですよ。ヨーロッパのホラー映画みたいな感じ。観た人にしか通じないと思うけど、「悪魔の墓場」の舞台になっているイギリスの寒村の「青さ」みたいなモノを感じる雰囲気なんですよねえ。グネグネに曲がった枝の大木、これ、絶対日没後に動き出したりしゃべり出したりするやつだわ！
そんなこんなでまずは三角点のある「奥仙重」に登頂。そこから20分程、下って登り返すと「櫛形山」に登頂です。標高はどちらも2052mみたいです。山頂は平らでとても広い。ここ、ベンチやテーブルを設置してくれれば、眺望は無いけど大休止適地だよなあ、明らかに。
ここまでは登山と言うよりは「森歩き」の感じが強く、それもサルオガセのせいでとても楽しかったんだよねえ。なのでこのまま周回ルート、行く？なんて思いも一瞬、頭をよぎるが、猛烈にウンコしたくなって来たので、来た道を戻ることにしました。
「午後から雷雨の予報につき、ルートを変更して周回せずにピストン」というのが表向きですが、実際はウンコ撤退だったんですねえ。クラスのみんなには内緒だよ！
12時前に下山、休憩舎でお湯を沸かしてゆっくりとお昼休憩。賞味期限の切れてしまった山用のフリーズドライ系食材を消費する。ちなみ休憩舎のトイレは和式のボットンでした。いやー、デブに和式トイレはマジ辛いっす！
コーヒー淹れて一服したら、少し早いけど13時過ぎに駐車場を撤収。予定通り石和の健康ランドへ入り、風呂！飯！酒！寝る！の無敵コンボを決めて翌朝、いつも通り6時にチェックアウト。渋滞に嵌ることもなく、午前中に帰宅できました。
山行としては殆ど運動にならなかったけど、いやー、これは面白い山ですよ、櫛形山！眺望が全てではないね、と改めて実感。森林散策、って考えると非常に興味深かったです。樹木の植生も見たことないやつだし、そもそもあんなに大量のサルオガセを見たのは初めての経験でした。場所や登山口までのアプローチの確認も出来たし、石和も近いし、これは時期を改めてまた再訪したいと思います。次回はちゃんと周回コースを歩くぞ〜！
■写真解説
�，匹Δ任后△海遼盒�感！なんか西洋のおとぎ話に出てきそうな雰囲気でしょ？木の枝から朧昆布みたいに垂れ下がっているのが、樹皮に寄生している「サルオガセ」っていう、苔の一種です。見渡す限りこんなダークな景色が広がっておりました。
��登山道の脇は原生林！見たことのない植生ばかりで、山はともかく森林散策という観点では非常に面白かったです！見て下さいこの巨木！なんでこんなに枝がひん曲がってるの？これ、日没後に動き出すやつでしょ！
�６�形山の山頂は長い頂稜の途中にあるんですが、見ての通りの広さです。ベンチやテーブルを設置していただけると、大休止適地なんですがねえ。ちなみにガスが出てても出てなくても、眺望は皆無ですYO！
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