■山行概要
◆【奥秩父】
朝日岳(2579m)⇒鉄山(2531m)⇒金峰山(2599m)
◆2022/7/30(土)、「快晴⇒曇り⇒土砂降りの雨」を都合4回繰り返す
気温/15〜17℃((体感)、風/微風、湿度/ややミストサウナ、虫濃度/
苛立ちを覚えるレベル、全備重量/10.5kg
◆日程は後泊含む1泊2日だが、山自体は日帰りのトレッキング
所要時間6:35(コースタイム4:45)、累積標高差約623m、歩行距離9.1km
◆9:00/大弛峠(標高2365m)着、ここで30分程高度順化⇒9:30/登山開始⇒
10:25/朝日峠⇒10:45/P2528⇒11:00/朝日岳(標高2579m)登頂、ここで
11:25までウェアリング調整のため中休憩⇒11:55/鉄山(標高2531m)登頂
⇒12:30/金峰山(標高2599m)登頂⇒12:35/五丈岩の前(ここで土砂降りの
大雨に見舞われ13:20までプチビバーク)⇒下山開始⇒13:35/樹林帯の手
前で13:55までウェアリング調整(その直後も再度ウェアリング調整で20
分の立ち休憩)⇒14:50/朝日岳(ここで15:00まで小休止)⇒15:35/朝日峠
⇒16:05/大弛峠(標高2365m)に帰還
◆写真はYAMAPへ↓
金峰山＆朝日岳
https://yamap.com/activities/18725152
前回（先々週）の国師ヶ岳と北奥千丈岳に引き続き、大弛峠から今度は朝日岳と金峰山に行ってきました。それでは前説からどうぞ。
【前説】
いやね、前回の山行。雨予報の中、3時間だけ晴れ予報が出たのでこれはワンチャンあるかな？と、大弛峠からの国師ヶ岳と北奥千丈岳に行ったわけですが、1時間程確かに晴れ間はあったんだけど、結局昼過ぎに北奥千丈岳の山頂でかなりのドシャー・レインにやられましてね。雨の中、一瞬雲の切れ間の中に金峰山の五丈岩が見えたんですよ。
で、2015年の9月にソロで初めて金峰山に登った時のことを思い出した。
コレ↓
◆山登りはじめました＃131「金峰山に行ってきた」
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1946316470&owner_id=5956264
この時はリハビリ登山で正直、本調子じゃなかったんだよねえ。右肩が殆ど動かない状態で、山頂直下の大岩ゴロゴロエリアでえらい難儀した記憶があります。で、この時も結局、下山時に雨に降られたりして。快晴予報の時に体調万全で再訪したいなあ、って実はずっと思っていてね。それを前回の山行で思い出したんですわ。
それともう一つ。前回は下山していつもの石和健康ランドに泊まったのですが、県民割りみたいなのが使えてスゲーお得なのに、自分だけ使えなかったんです。ざっくり説明すると、前払いで入館料やら宿泊費やら、6930JPYを支払いし、ワクチンの接種証明を出すと7000JPY戻って来るというもの。なのですが、自分は接種証明を持って行くの忘れてしまって。アプリも入れてなったので、どうにもならない。1回も接種してないとかなら別にいいんでしょうけど、3回ワクチン接種していてこれは悔しい。しかもこのサービス、8月末まで何回でも利用出来ると言う太っ腹仕様！
これは！これはもう、再訪するっきゃないでしょ！ちょうど金峰山に行こうかな、なんて思っていた矢先だもん。むしろ行かないという選択肢は無いんじゃないか？あとは天気だよ天気！そしたらアレですよ、週末は見事に快晴予報！てんくらでもA判定じゃないの。これはもう、期待しかない！肝心の健康ランドはWebだと満室表示でしたが、直接電話したら一人ならシングルの部屋が空いてるとのことで、予約を入れて週末を待つことに。まあ、天気悪くても健康ランドだけ行ってもいいわけだしね。
【本編】
さて、そんなこんなで山行当日。土曜日の朝は5時頃自宅を出発。大弛峠へは今回で4回目ですが、途中の中央道が渋滞するかしないかで到着時間に2時間くらいの差が出るのです。前回は国師ヶ岳と北奥千丈岳なので、正直お昼前くらいの到着でも問題ない(往復のコースタイムは2時間強なので)のですが、今回は所要で6時間を見ておく必要がある。まあ、下山後は石和に移動するだけなので、夕方の下山でも構わなんだけど、できれば健康ランドには早目に到着してゆっくりしたいじゃないですか。当日中に現地で7000JPYを使い切らないといけないし。
で、はい。ハズレ引きました！圏央道から中央道に入る辺りで大渋滞や！結局、大弛峠に着いたのは9時過ぎ、4時間もかかってしまった！そ・し・て！駐車スペースが無い！林道川上牧岡線の山梨側、つまり舗装路は峠からかなり下まで路駐でビッシリ！これはまあ、いつものことなのでいいんです。問題は長野側のダート、今回はこっちもビッシリでした！
長野側のダートを路駐スペースを探してどんどん降りて行くと、途中から道幅が狭くなる所があるんです。2車線が1車線になるような感じで、ボトルネックになっている。このガードレールのあるボトルネックの所まで車がビッシリなのです。いやいや、これは参った！やはり快晴予報だからみんな同じこと考えてるのかな？
仕方ないのでUターンして降りて来た道を少し戻り、山側の岩が崩れている箇所の側面に車体を斜めにして何とか車を停めることが出来ました。いつもならここで1時間程、高度順化をしてから活動を開始するのですが、そんなことしていたら出発が10時半とかになってしまう。金峰山ピストンでそれはちょっと遅いよなあ。極力早く下山して石和に移動したい自分としては、如何ともしがたい状況。
でもないか。「山の呼吸」があるじゃないか！全集中/山の呼吸を使えば高度順化、いらなくね？富士山の七合目か八合目から歩き出すイメージで山の呼吸をしていれば問題無いはず！ってことで急いで支度をして9時半過ぎ、登山スタートです。
大弛峠からダケカンバの樹林帯に入って行く。気温は15℃くらい、湿度はやはり高いものの、気温的には涼しくてちょうどいい。「全集中/山の呼吸」でスタートからペースを上げていく。途中途中、稜線上の倒木箇所で視界が開けるのだが、ガスっていて眺望は殆どない。真上を見上げると真っ青な夏空と真っ白い入道雲が見えるのにねえ。
朝日峠に下り、ここからは朝日岳への登り返しに入る。途中、稜線上に露岩帯があるのだが、ここが「P2528」、自分の中では「ニセ朝日岳」と呼んでいる所。山頂っぽいのでみんなここで一息入れるんだけど朝日岳の山頂まではまだここから15分くらいかかる。で、このP2528を通過する時に雨がパラパラと降ってきた。まあ、ガスの中を歩いているので仕方無いか。朝日岳まで止まらずに歩き、山頂でウェアリング調整のため小休止。
取り合えずレインジャケットを着て、ザックカバーを装着する。ここから先は再びガレ場の急下降となるが、コルまで降りるとガスが晴れて視界が開ける。どうもガスがちょうど標高2500m近辺に掛かっているみたいで、アップダウンの連続するここの稜線、2500mより下へ行くと視界が開け、登ると真っ白、の繰り返しです。
朝日岳と金峰山の間には実はもう一つ、鉄山って山がありまして、登山道は登頂しない巻道になっています。前回は登頂しないで巻いてしまったので、今回は鉄山のピークを踏んで行くことにします。案内板は破損して地面に横倒しになっているも、両脇の木にピンクテープが巻いてあるので、分岐点は直ぐに分かる。分岐から踏み跡を一登りしたら鉄山に初登頂！これ、ずっと「てつざん」って読んでたんですが正解は「くろがねやま」って読むのだそう。
それはさておき、下山ルートがわかりにくい。というか踏み跡が全然無くて、しかも薮漕ぎが必要そうだ。結果的に自分は下の方から聞こえる正規の登山道を歩く人達の声を頼り降りることができたけど、ここ、ルートファインディング出来ない人は入っちゃダメな場所っすわ。地図だと通行止めってなってるんだけど、実際に入ってみて理由が良くわかりました。
・朝日岳⇒鉄山⇒山頂から分岐に戻って正規の登山道で金峰山、これは全く問題無し。
・朝日岳⇒鉄山⇒金峰山、これはややOK
・金峰山⇒鉄山⇒朝日岳、これはまず登山道からの分岐を見つけるのが難しいのと、山頂に辿り着けるか、厳しいかも。お勧めしません！
幸い雨は一過性だったようで、朝日岳を降りてからはレインウェアは不要。金峰山への上り返しに入り、森林限界を突破したらハイマツ帯の露岩エリアへと飛び出す。景観が一気にアルプスっぽくなる。奥秩父においてこんなアルペンムード漂う稜線歩きが出来る区間は恐らくここだけじゃなかろうか？国師ヶ岳から甲武信ヶ岳の区間は未踏なのでこの部分はわからないが、奥秩父の主要な山はセクションハイクでほぼ網羅してますからね。
雨も止んで真っ白な入道雲の浮かぶ夏空を見上げながら、山頂への大岩ゴロゴロエリアを歩いて行く。ここは手を使う必要があって、前回は右腕が使えない状態で結構怖かったんだけど、腕が動けば何てことはない。程なくして山頂の証に到着！ここも朝日岳の山頂と同じ、新品の指導票が立てられておりました。
以前来た時は場所や地図によって標高の表記がマチマチで、金峰山の標高は果たしていくつなのか？と疑問に思ったものですが、実はなんてことはない。山頂と基準点で標高が別々に表記されていただけだったんですね。涸沢岳の山頂と同じっす。基準点はどちらも山頂より数m低い位置に設置されていたのです。ってことで疑問は解消、金峰山の標高は地図の通り2599mってことで了解！
さて、山頂でお昼にする予定だがここではせまくて無理。前回と同じ五丈岩の前の園庭状の露岩帯へと移動する。ちょうど腰かけて良し、荷物を置いて良し、のいい感じの岩を見つけたので、ザックを降ろしてお昼休憩に入る。と思った瞬間、大粒の雨がバラバラと降ってきた。五丈岩を正面に右側、つまり南西の瑞牆山の方は快晴なので「？」と思う間もなく、土砂降りの雨になってきた！うおー、マジかよ〜！！
岩に置いたザックを急いで足元に引き寄せ、ソロテント用のグランドシートを出して頭から被る。雨はますます酷くなってくる。いやー、グランドシートを持参して大正解だった。先々週の北奥千丈岳の山頂でもお昼時に豪雨にやられ、レインウェアやザックカバーはあってもドライエリアが全く無く、結果的に装備がみんな水没してしまったのだ。その反省点を活かして今回はグランドシートを持参したんだけど、中に水は入ってこないものの、雨が凄くて全く身動きが取れない！
取り合えずトレッキングポールを内側から立ててシートの中に空間を作るが、シートが内側に張り付いてしまって全然ダメだ。今回は時間短縮のために火器は持参せず、サーモスのお湯とフリーズドライの食材だけなのだが、それでもこの状況下ではとてもじゃないがお昼ご飯は無理そうである。
シートを捲って外を覗くと、多くの人は五丈岩に避難しているようだ。積み木の様に岩が積み上げられているので、岩の隙間がいい感じで岩小屋になっるんだよねえ。大半の人が五丈岩の隙間に逃げ込み、この豪雨を凌いでいる。
風が無いのが幸いだが、シートを伝った雨水がお尻の方から回り込んでくる。中に人間が入るとなると、ソロテント用の大きさのグランドシートでは全然大きさが足りない。タープの様に屋根にするならともかく、中に包まるだけではドライエリア確保としては不十分であった。それでも無いよりは遥かにマシですYO！
仕方ないのでザックからレインパンツを取り出し、グランドシートの中でモゾモゾと装着をする。レインジャケットのフードを被ったらシートから外に出て、ザックとチェストバックを水が入らない様にグランドシートで包んで岩と岩の間に置く。自分は土砂降りの中、レインウェア上下を着て外で棒立ち。どうすることも出来ない。
雨粒は大きく、レインウェア越しに打ち付けてくる雨は痛いくらいだ。今回、レイングローブを持参しなかったので濡れた手が冷えて相当に冷たい。急激な雨で気温も一気に低下、岩の上に立っているだけなので、かなり寒いぞ！
どうも北東方面から上がって来たガスが、奥秩父主脈の稜線で雨を降らし、南西側に抜けて行っているようだ。その証拠に大弛方面はガスで真っ白だが、瑞牆山方面の空は真っ青に晴れ渡っている。このガスが抜ければ、一旦雨は止むと思われるがそれはいつなのか？お昼ご飯どうしよう？このままじゃ何もできないよYO！
結局雨が降り出して1時間、岩の上で棒立ちになってドシャー・レインに打たれること40分で、ようやっと雨が上がった。時刻は13時半近い。これは当初のスケジュールでは下山開始時刻である。このままここでお昼ご飯にしても良いが、遠くで雷鳴が聞こえる。時間はともかく、遮蔽物のない露岩の山頂で雷雨はアカン！山の雷はマジで怖いんだぞ！とにかく山頂に長居は危険過ぎる、退避じゃあ〜！
グランドシートはビッチョビチョ、どこかで水を払って畳まないとなあ。でも山頂に長居はしたくない。取り合えず丸めて手に持ち、移動を開始する。グランドシートのおかげでザックとチェストバッグは水没を免れた。大岩ゴロゴロエリアは岩の窪みに水が溜まり、池の様になっているｼﾞｬﾏｲｶ！露岩帯を抜けて稜線を歩き、樹林帯に下降する手前で立ち止まる。ふむ、何か天気、大丈夫そうじゃね？ここでお昼を食べるか悩むも、まずはシートの撤収である。
ザックを岩の上に置き、レインパンツを脱ぐ。あの量の雨だからなあ、樹林帯に入れば雨が降ってなくても樹木が水を湛えているので、ちょっとした風でも大粒の水滴がバラバラと上から降ってくるからねえ。レインジャケットとザックカバーはそのままだ。開けた場所で若干の風もあるため、グランドシートを両手で広げてバタバタと振り、水滴を落とす。後は適当に畳んでザックとザックカバーの間に押し込む。ここで昼食にするか悩むも、やはり天候が不安定な稜線での大休止は嫌な感じがするので、ゼリーや柿ピーなどの行動食だけサッと摂取したら下山開始だ。
復路の樹林帯も先程大雨でルートが川の様になっている。こりゃあ、レインパンツ脱がない方が良かったかな？復路は当然、鉄山は踏まず、往路では通らなかった巻き道を進む。しばらくすると再び大粒の雨が！様子を見ながら前進するも、こりゃイカン！本格的に降ってきたゾ、本日の第3波である！少しでも葉っぱの多い木の下に移動して、レインパンツを出して履く。こういう時、フルジップのレインパンツは便利で良い。
朝日岳の登り返しに入るが、山頂直下は露岩帯の急登、樹木は無いので雨粒がバシバシと降り注ぐ。雨脚が少し弱まったので山頂で小休止を入れるが、ガスで視界は無い。続くP2528も露岩帯、かつ雨で岩の表面を水が流れている状態なので慎重に下って行く。
先行の4人組が「遅くてすみませーん！」と言ってきたので、「危ないのでゆっくり安全にどうぞー！」などと返していたら、何と！自分が転倒してしまったYO！これだから濡れた岩は怖いんだよ、滑るし〜！右側にツルっと滑って右肘とか右脇腹など計4ヶ所を岩に強打！幸い、丸い岩だったので軽度の打撲だけで済んだけど、気を付けないとねえ。北アルプスの岩稜帯縦走とかで雨に降られたら、って考えるとゾっとしますわ。
朝日峠を通過する頃には雨が止むも、レインウェアは上下着たまま。朝日岳の山頂からはノンストップで下山して16時前には大弛峠に戻って来ました。往路と同様、標高が2500mを切るとガスが晴れる、というかガスの下に出るので視界が良くなるのは変わらずでした。
林道を山梨側に少し降りた所にトイレがあるんですが、トイレから出たらまた雨が降り始めたYO！本日の第4波です！本降りになる前に急いで反対の長野側に降りて車に向かう。これさー、一番下に駐車したからめっちゃ距離あるんだよー！くっそー、こんな時に！
何とか車に辿り着き、リアハッチを開けてリアデッキに腰かける。雨はザーザー降りですよ。リアハッチが庇になってちょうど良い。デッキに腰かけて山頂で食べるはずだった超遅いお昼ご飯に。サーモスのお湯は流石に13時間経過しているのでぬるめだけど仕方ない。フリーズドライのにゅう麺を戻している間、先にあんみつを食べる。久々の山あんみつなのに、保冷剤も保冷剤代わりの冷凍したあんこや黒蜜も、全て常温に戻ってしまっていた。残念。
大弛峠からの復路はこれまた、車の運転が怖くなるような土砂降りの雨でした。土砂崩れとか起きないか、ヒヤヒヤしながら下界に戻ると、そこは嘘の様な青空！そして暑い〜！石和の健康ランドに移動して飯！風呂！酒！寝る！のいつものコンボ。
「全集中/山の呼吸」の後は「全焼酎/酒の補給」
ですぜ！
翌朝はいつもより1時間遅く、７時に撤収。それでも渋滞に巻き込まれることはなく、午前中には帰宅出来ました。
■写真解説
�‥攤醜澆蠅留�が去った後の五丈岩。7年ぶりの御対面です。今回は雨のせいでお昼ご飯抜きになってしまい、結構辛かったです
��金峰山山頂からの眺望、これも一雨(第2波)が去った後。背後には入道雲が控えており、この日は山中で都合4回、土砂降りの雨に見舞われました。
��今回初めてピークを踏んだ鉄山(「くろがねやま」って読むみたい)の山頂で自撮り！帽子に付けているのは「おにやんま君」の正規品です。フィギュアじゃないからとっても軽いのです。そしてハエも留まってますｗｗｗ
ログインしてコメントを確認・投稿する