前にマイミクさんが紹介されてて気になっていた「ユーゴスラヴィア現代史 新版」柴宜弘 (岩波新書)、ようやく読み終えました。
題名の通り、かつてあったユーゴスラヴィアという国家と、そこから分離した各国のその後を追っています。旧版は1996年という、ようやく内戦が落ち着いた頃に刊行され、ロングセラーとなっていました。以降の情報を新たに盛り込んだ形で、同じ著者による新版が登場したのが昨年です。
私は新版を教えて頂くまで、旧版を含め本書の存在を知りませんでしたが、巷で名著と謳われるのも納得の内容でした。一般読者に向けた、柴さんによる長年の研究の総覧といえるでしょう。
それにしてもユーゴスラヴィアという国、私には長いこと分からないままでした。いつの間にか連邦国家が分解して、その後は紛争が起きたのはもちろん覚えています。
ただ当時は、ボスニアが激戦地だ、今度はコソヴォだ、元凶はミロシェヴィチだ、とニュースでは盛んに報道してはいましたが、では紛争の対立原因は何だったのかと云われると、どうも理解がおぼつきません。
終戦後も新ユーゴという国が残ってたように思いますが、いつの間にかなくなってますね。一体どうしてこうなったのか。本書の知識を得て、ようやく少し理解ができるようになりました。
以上、今週のヒストリカル読ということで。
追記:
奇しくもユーゴ紛争以来、欧州の地でまた戦争が起きているのは、なんということでしょうか。読み始めたのは侵攻の前でありました。
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