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2022年05月16日21:27

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北欧音楽とオーディオと音場

一つ前の号のステレオサウンド誌でたまたま評論家の和田博巳先生がコラム「族ニアリスニングの快楽」と次の記事の日本エンジニア列伝 浜田純伸氏が同じアンビエント、音場、立体音響を語られていたので興味深く読みました。



和田先生はマイルス・デイヴィスの名盤で世界で1千万枚というジャズで一番売れたソフト、カインド・オブ・ブルーの聴き方を取り上げられていました。
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ソー・ホワットとフレディー・フリーローダーだけ主に聴いてよしとするタイプと全体を聴くタイプに分かれること。





音楽的聴き方としては、1年で退団、解雇?されたビル・エバンスをこのアルバムのために呼び出した意義が彼がピアノを担当した曲全部に当てはまる神秘的かつ妖しいサウンドは、当時マイルスがクラシック音楽に傾倒していたから、同じくクラシックのも精通したビル・エバンスでないとと呼んだのではないかと書かれています。



そうして、オーディオ的には、これをかつて先生が使われたのJBL130Aに175DLHのようなシステムでは音像主義や音像派と書かれている音像がはっきりくっきり聞こえればそれでいいというタイプとされる。



そこから先生がセレッションSL6からYGアコースティックに至るハイエンドシステムで聴く意義は、コロンビアレコードが買い取った天井の高い教会でレコーディングされたこのアルバムの音質的特徴である豊かな空間と空気感といった音場を聴くことと書かれています。

これを「優秀な録音の場合・・・上手くすれば壁も天井も床も消え去って、自分が演奏者とともにステージと時間を一つの部屋で共有した状態」と書かれていました。





次の浜田レコーディング マスタリングエンジニアはジブリ映画の久石譲さんに頼られるお立場。
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大阪万博の288ch469本のスピーカーによる立体音響に驚愕。

大学の音響学科では、友人たちと立体音響研究会というサークルを立ち上げて、日本では弱い音楽、映画の立体音響を追求しておられるそうです。



日本が欧米に立体音響で遅れを取っているのは環境にあると。

ノルウェーのハイレゾレーベル、2Lが高音質のマルチチャンネル作品をリリースしているのは、日常的に教会に通う北欧圏の人にとって立体音響は身近なものと思うと書かれていました。



お二人は教会での音楽のアンビエント、空間、立体という共通のことを偶然に語られていました。



前に書いた2Dの能や歌舞伎舞台の日本人の視覚と、影も利用して遠近法を舞台まで活用する西洋の劇舞台の違いですね。



和田先生がオーディオファイルが、苦労もお金も時間もいとわずに、真剣に素晴らしいサウンドを追及する意義はここにあると

書かれていて同感です。

各種オーディオボードやインシュレーター、外部クロック電源の比較実験でも明らかなように、この音場能力は方法や道具によっては簡単に消えてしまう大変時間やお金、労力がかかるものですね。

他方、北欧は毎日?週末、地区の教会で無料、有料のクラシック〜軽音のライブ〜コンサートがありますが、日本は室内楽からオーケストラまで普段は小学校から音楽の授業でレコードやCDで、電気再生音でクラシックを聴くですからねえ。

軽音はラジオか。


なお、日本の軽音も昔の方が空間、空気感があって、今のJ-POPが平板、2Dと感じる理由に、今のはパソコンへの打ち込み音源からブース録音もあるかもしれません。



ステサン掲載の江利チエミさんやザ・ピーナッツの時代のバックの録音風景だそうです。
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文京公会堂などの空いているホールを探しては録音機材を持ち込んで、テレフンケンのマイクなどでの伴奏のレコーディング。





今ここまでの広い空間でレコーディングされている日本のスタジオ録音はほとんどないとおもいます。





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