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2022年05月01日08:49

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扇状地と三角州(利水26)

 今回のテーマは、利水に関する扇状地と三角州である。どちらもよく似ている三角形の形状である。小中学校の授業で、混同したことがある方もおられることだろう。川が山から平地に出たところに形成されるのが、扇状地である。同様に、海にそそぐところに形成されるのが、三角州になる。

 小学校(杉並区四宮小学校)の授業で、校庭の片隅に小さな山を設け、上から川を模して水を流したことがある。山のふもとに扇状地ができたことをよく覚えている。このような子供たちの興味を引く授業が上手だった伊藤先生のことを思い出した。また、ハラール監査で各地を訪れているが、飛行機の上から、扇状地や三角洲を確認することが楽しみである。

 河川が運んだ土砂が堆積することは両者に共通している。ただし、扇状地の堆積物は粒の大きい土砂(砂礫)であり、水はけがよいという特徴がある。一方、三角州の堆積物は粒の小さい砂や泥が堆積する。当然のことであるが、水はけが悪くなることは理解いただけるだろう。

 これらの特徴のため、土地の用途にも大きな差が生じる。扇状地の場合、果樹園が少なくない。わが国の著名な扇状地の多くは果物の生産地として有名なことをご存じだろうか。甲府盆地や長野盆地ではブドウやモモが作られている。愛媛県中部に存在する道後平野ではミカンが盛んに作られている。山形盆地ではサクランボだが、これについては「狂喜乱舞のサクランボ狩り」1)として、以前のブログに記した。

 一方、三角州は水田に使用されることが多い。平坦であり、水が豊富に存在するためである。しかしながら、都市化してしまうことが多いのである。わが国の3大都市は東京、大阪、名古屋である。ベースとなる河川は、東京は江戸川、大阪は淀川、名古屋は庄内川である。これら3都市は三角州の上に発展した都市なのである。大都市の広島も大規模な三角州であることを付け加えておこう。

 以上が扇状地と三角州の解説になる。改めて、両者の違いを再認識していただければ嬉しく思う。読者の居住地がどちらかに属していれば、改めて土地の由来を考えてみてはいかがだろうか。
1)https://ameblo.jp/yk206/entry-12522405772.html
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