Z200オイルクーラー装着
カワサキのZシリーズの末妹、Z200。
米国でのペットネーム：Commuter（＝通勤者）が示す通り
省燃費で丈夫なのが持ち味で、おっとりとした性格です。
ファイティングスピリット「ゼロ」の癒し系バイクなので
回して乗るエンジンではなく、
GX750�兇陵佑鵬討砲瓩辰櫃�弱い車両という訳ではありません。
それでも、夏場のロングツーリングなどで
山間部を走り回って街へ降りて来くると熱ダレによる
アイドリングの変化やパワーダウンを感じる時があります。
オイル容量が1.5リットル、点火電装系もノーマルで
機械式ポイントですからやむを得ません。
左様なわけで、オイルクーラーの装着の必要を感じました。
ところが、そもそも地味な実用車であって、
CB125の様に草レースで使われる訳でもなし、
SRの様なドレスアップパーツの溢れるミーハー人気車両でもありません。
即ち、オイルクーラーを付けようという需要があり得ない。
なるほど事例も見当たりません。
かくなる上は、自分で検討するしかありません。
同じカワサキでもエストレア系のエンジンはオイルラインの取り出しを示唆する
メクラボルトがある。と伺ったことがあります。
そうであるなら、それを利用するのが手堅いです。
しかし、驚くことなかれ、初期型のZ200Aに至っては、
オイルフィルタの交換ですらクランクケースカバーを外さなければ出来ない構造で
メンテナンスフリー、経済性と耐久性を最優先に設計されたのが見て取れます。
オイルラインの取り出しの拡張など期待すべくもありません。
いくらなんでも、これでは保守整備がやりにくい！
フィルタ交換の工賃が高い！というクレームが
ユーザーやディーラーから殺到したのではないでしょうか。
果たして、後期型ではオイルフィルタが単独で取り出せる構造に変更されています。
ただし、この変更と引き換えにルックスがとても不細工になってしまいます。
おまけにロゴが「KAWASAKI」から「Kawasaki」のフライングKとなってしまい、
とっても、とっても、格好悪いのが残念です。
でも、私の場合、オイルフィルタの交換の度に、
クランクケースカバーとオイルクーラーを外す羽目になるのは遠慮したかったので
見た目には目をつむることにしました。
それで改造のベースには後期型相当のZ250Gのカバーを選びました。
さて、複数の車種で、オイル冷却の経路について観察してみると、その多くが、
オイルパン→オイルストレーナ→オイルポンプ→（★）→コンロッド/ロッカーアーム
の様な順路で、オイルポンプ後の圧送圧力の高い★のところに
オイルフィルターやオイルクーラーを設けられていることに気づきました。
実際にZ200と見比べてみて、オイルフィルタを通過した後、
オイルフィルタバイパスバルブの出口で２経路に分かれ
一つはコンロッド、
もう一つはロッカーアームやカムシャフトなどシリンダヘッドへ圧送されるようです。
コツコツと貯めておいたオイルクーラーなどのパーツを取り出して、
今回はシリンダヘッドへ行く経路の途中でオイルクーラーへの取り出し口を設けられそう。
これならプラグの溶接で何とか加工して貰えるな。
と、自分勝手な目算が立ったところで、
装着イメージのスケッチを持参して、オートバイ屋へ行きました。
***************************************************************
Z200オイルクーラー増設仕様
・オイルフィルタはクランクケースカバー脱着なしに行えること
・冬場のオーバークールを想定しクーラー前に風よけのカバーを設けること
・そのカバーは開閉できること
・ノーマルへ戻せる構造にすること
・オイルホースはアルミメッシュのままではみっともないので黒布チューブで覆うこと
・これ見よがしな外観はご法度、ノーマルの様な外観を目指すこと。
***************************************************************
いつもながら、随分な無理難題？
君の注文は耳から脳みそが出そうなものばかりで困るよ。
とは、オートバイ屋の社長の弁。
http://www2.tba.t-com.ne.jp/machine_head/
そうして出来てきた我がZ200。
なかなか良いでしょ。
取り出し口の赤と青のアルマイトは
みっともないことこの上ないので、後ほど黒色に塗装する予定です。
ところで、
Z200 オーバーホール 13 シリンダヘッド組み立て
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1970502891&owner_id=436214&org_id=1970454477
で、紹介していますが、
シリンダヘッドのカムシャフトの収まる真下に
カムを潤滑する為のオイルだまりがあります。
此処はエンジンが停止しても全てのオイルは落ちずにオイルが残留します。
恐らく、次回エンジン始動直後に、オイルポンプから圧送され、
エンジンオイルが届けられるまでの間は、
ここのオイルだまりでカムシャフトを潤滑するのだと思います。
今回のオイルクーラーの増設によって、
オイルは余計な回り道をする訳ですから、
エンジン始動直後にシリンダヘッドへオイルが到達に要する時間は
少し長くなる可能性があります。
まぁ、Z200は暖気運転を欠かせませんので
あまり問題にはならないと思いたいところです。
ログインしてコメントを確認・投稿する