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2021年09月16日17:47

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勝手にしやがれ・・・

 9月6日にフランスの俳優ジャン=ポール・ベルモンドが亡くなった事を
 簡単に9月7日の日記に書きました。
 その時、いずれ追悼の意味から、
 彼の出演映画が放送されるかも知れないと書きましたが、
 早速今日のNHKBSプレミアムシネマで、
 予定を変更して「勝手にしやがれ」を放送しましたので観ました。

 「勝手にしやがれ」は、ジャン=リュック・ゴダールが監督・脚本を務めた映画で、
 ヌーヴェルヴァーグと言われる、
 1950年代末のフランスの映画運動の記念碑とも言われる映画で、
 1959年に製作されました。
 即興演出、同時録音、ロケ中心という、
 ヌーヴェルヴァーグの作品・作家に共通した手法が用いられています。
 発表されると、その革新性によって激しい毀誉褒貶を受けたとの事ですが、
 それもそうだろうなぁと思いながら観ていました。
 街中のシーンは、
 今ならば通りを歩く人までエキストラを使って、計算した映像になりますが、
 通行を止めずに撮影をしたようで、
 演技をする俳優を見る人が映っているシーンが幾つかありました。

 ストーリーは、ジャン=ポール・ベルモンド演じる、無法者のミシェルが、
 マルセイユで自動車を盗み、追ってきた警察官を射殺し、パリに着きますが、
 一文無しのため、アメリカ人のガールフレンドで、
 ジーン・セバーグ演じるパトリシアの下に転がり込み、
 やがて、パトリシアに密告されて刑事に射殺されと言うものです。
 ミシェルは、別の恋人の財布から金を盗み、
 飲食店のトイレで一緒になった紳士を気絶させて、財布を盗むなど、
 法律など全く眼中にありません。
 パトリシアにも、君の後3人の女と寝たけど、どれもしっくり来なかったと言うなど、
 とにかく奔放に生きる人物として描かれています。
 ミシェルの独白やパトリシアとの会話など、
 次々と意味深そうな台詞が飛び出し、いかにもフランス映画と言う感じもしました。
 特にオルリー空港でパトリシアが取材する小説家を、
 フィルム・ノワールの巨匠、ジャン=ピエール・メルヴィル監督が演じていて、
 とても覚えきれませんでしたが、素晴らしい台詞が多かったように感じました。
 印象に残ったのが、「貴方の望みはなに?」と訊かれて、
 「不老不死になって死ぬ事だ」と言うのは、
 (字幕では、不滅になって・・とありましたが、これでは意味がよく分かりません。)
 分かったような分からないような名言だと思いました。

 学生時代に観た時に良く分からない映画だと思いましたが、
 改めて観ても良く分からない映画でした。
 以前観た時に、ミシェルが煙草ばかり吸っていると感じましたが、
 吸い終えた煙草の火で、次の煙草に火を点けるシーンが何度もあり、
 正にチェーンスモーカーとして描かれていました。
 どのような意図なのかと思いながら観ていましたが、
 今ならば、絶対にこのような演技は出来ないでしょうね。

 以前、日記に書いた時に、若い人から、
 「勝手にしやがれ」と言うと、沢田研二さんの歌を思い出すと言われました。
 沢田さんの歌は、この映画をイメージして作られたもののようです。


【今日の一句】
 お幾らで? 試しに訊いたら 平手打ち


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