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2020年09月28日22:53

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アメリカ連邦最高裁判事ルース・ベイダー・ギンズバーグ死去

 今月の25日、アメリカ連邦最高裁判事のルース・ベイダー・ギンズバーグが87歳で亡くなった。最高裁判事の立場を超え、RBGの愛称で国民に広く親しまれた存在だったという。

 アメリカの連邦最高裁判事は大統領が指名し、上院が承認する。身分は保証されており、弾劾の可能性はあるが(これまで実例なし)、自ら辞任するか死亡するまでその任に留まる。
 定員は9名で、彼女が死亡するまで共和党の大統領に指名された判事が5名、民主党の大統領に指名された判事は彼女を含めて4人だった。いちおう、慣例として多数派の判事の一人が中立的な立場をとることで、バランスのとれた運用がなされるよう配慮されているらしい。

 判事たちの中でもすでに高齢だった彼女には、オバマ政権の時に辞任すべきではないかという声が実はあったといわれる。というのも、次の大統領が共和党から選出された場合、彼女がその任期4年の途中で亡くなる可能性が少なからずあるため、その場合には共和党から判事が指名されてバランスが崩れるので、民主党の大統領のうちに後任へ託すべきではないかというのである。

 結局、彼女は続投を決め、それをよその国の人間がとやかく言う筋合いもないのだけれど、危なっかしいなと思ったのも事実である。結果として、彼女は最悪のタイミングで亡くなってしまったと思う。
 トランプはさっそく後任を自分で指名しようとしているが、民主党はそれに反発している。前政権の末期、共和党寄りとされた判事が亡くなってオバマが指名しようとした際、共和党は大統領選挙の年にはその結果を待ってから、欠員を補充すべしと主張して、そうなっている。
 その時は200日ぐらい選挙まで間があったのに、いまや選挙まで50日ほどにすぎないのから、次の大統領に指名を委ねるべきだというのである。対する共和党は、当時は大統領と上院の優勢が違っていたの選挙の結果を待つべきだったが、現在は同じなのですぐ指名していいと反論している。なるほど政治的駆け引きというものは、そうやって組み立てていくのかと感心するようなやりとりだが、この件が紛糾しているせいで、上院は機能不全に陥っているという。

 そもそもコロナヘの対処だけでも政府と議会の手に余る状況なのである。さらにアメリカでは、また新たなBlack Lives Matterでのデモが頻発している。もうてんやわんやである。
 今朝のニュースでは、これまでの緊急対策の期限が今月いっぱいなので、来月にむけて新たな方策を打ち出さないなければ大型の解雇が発生するが、前記の状況で議会が止まってしまっているという。

 それでも、トランプがあくまで新判事の指名にこだわるのは、支持率で劣勢が伝えられる現在、実際に選挙で負けた場合に郵便投票の不正などで争って最高裁までもつれこむかららしい。負けたらゴネて最高裁まで引っ張るという既定路線を隠す気もないところが本当にすごいと思う。あと、いくら共和党よりとはいえ、あくまで最高裁の判事なのだから、そこまで付き合ってくれるかといえば、さすがに見通しが甘いんじゃないかという気もする。

 もちろん、アメリカという国はこの程度でも別に揺るがないと思う。でも、今まであまりそんなことは思わなかったけれど、もうアメリカもさすがにヤバいかもしれない。目に見えないなにかがどんどん侵蝕されてしまっている気がする。
 それでも、ベトナム戦争のころなんかよりはマシだろうから、また立ち直りはするのだろうけれど。

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