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2020年08月06日08:39

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やはり、講義の評判は、結果責任。

前回、大学生の「教員から放っておかれる権利」について話しました。
a学問 → b教授者 → c学生
がいますが、学生が否定しているのは、aではなくbだからです。

まるっきり知的なことに興味がない人は、いません。
しかし、それを語る人に問題がある場合は多いです。

「語の概念が不明確である」
(特に、「哲学」「理性」「弁証法」など。下手をすると、単なる大卒のオヤジのショットバーでの会話になる。)
「個人の体験に捉われてしまっている」
(例 反戦運動、読書体験、芸術体験、信仰、私生活…)
「教養がない人に差別の気持ちがある」
(例 本人に悪げがなくても「教養を身につければいじめがなくなる」などという)

成績が悪いから気が付かないではなく、
成績が悪いからこそ、上掲のことにビンビン気づきます。


こういう事態に陥らなければいいというのが学んだことでした。

それから、自分の体験を振り返ると、相手の立場に立つ教員とそうでない人の二種がいました。ゼミの先生など、道であったら今でも声をかけてくださるような親しくしていただいた方は、全員、前者です。
後者の例は、参考文献です。
いい本ではあるが、不急のものを買わせる。学生は、それこそ食事を抜いても買うが、単位に関係がない、教授の趣味だということに気が付いて、怒りを覚える。
バイトで疲れている人に配慮しない。

何よりも、本業でないことに配慮しない。
国語学などは、文学部国文科以外は、余技です。
ただし、勉強のやり方が難しいので、勉強のやり方を教えます。だから、将来のために…と、時枝誠記、小森陽一、馬淵和夫…の本を紹介しました。

同時に、いい実用になる本、
『悪文』岩淵悦太郎、『日本語の作文技術』本多勝一、『迷ったときにすぐ引ける 勘違い敬語の辞典』(西原裕子 国語学的に微妙なところもありますが、実用性は非常にあります。これは書くの大変でしょう。)
も教えました。

※ ただし、「単位に関係がない」「今後の発展的な学習のために紹介する」「一々読んでいたら、時間がいくらあっても足りないから、好きなジャンルだけ読め」と何回も繰り返しました。

「コミュニケーション」で挙げた文献は、

『文化人類学入門』祖父江孝男
『貨幣の複雑性〜生成と崩壊の理論』安富歩
『インセスト幻想—人類最後のタブー』原田武
『方法序説』 イースト・プレス文庫(まんがで読破)
『デカルト『方法序説』を読む』谷川多佳子
『言語行為の現象学』野家啓一
『ウィトゲンシュタイン「論理哲学論考」を読む』野矢茂樹
『イエスという経験』大貫隆
『宗教社会学入門』橋爪大三郎
『公共福祉とキリスト教』稲垣久和
『般若心経・金剛般若経』中村元、紀野一義
『仏典をよむ 3 大乗の教え(上)(下)』中村元
『心脳コントロール社会』小森陽一
『民主主義が一度もなかった国・日本』宮台真司、福山哲郎
『人生の意味の心理学』アドラー
『ハーバーマス―コミュニケーション行為 (現代思想の冒険者たち) 』中岡成文
『コミュ二ケーション的行為の理論』ハーバマス
『『事実性と妥当性――法と民主的法治国家の討議理論にかんする研究〔上・下〕』ハーバマス
『公衆とその諸問題:現代政治の基礎』デューイ
『構造としての語り』小森陽一
『ロマーン・ヤーコブソン選集. 3 詩学』
『散文の理論』シクロフスキー
『物語のディスクール』ジェラール=ジュネット
『読むための理論:文学…思想…批評』石原千秋。小森陽一他
『フィクションの修辞学』ウェイン=ブース
『一般修辞学』グループμ
『零度のエクリチュール』ロラン=バルト

こうしてみると、勉強というより、勉強の仕方を語ったという感じです。
そうした観点から考えると、我ながら健闘したと思います。


「国語学」は、

国語とは何か。
『閉された言語・日本語の世界』鈴木孝夫
『日本語の近代』小森陽一
『沖縄の言葉と歴史』外間守善

辞書
『詞苑間歩 移る時代・変わる言葉 』山田俊雄
『日本の辞書の歩み』紀田順一郎・山口明穂・竹林滋・金田一春彦・阿辻哲次
『近代の国語』松村明

仮名
『日本語の世界 五 仮名』築島裕

近代語
『文体としての物語』小森陽一
『明治文学 言葉の位相』十川信介

国語改革運動
『国語元年』井上ひさし
『日本語の世界 国語改革を批判する』丸谷才一他
『「漢字廃止」で韓国に何が起きたか』呉善花

表記
『公用文表記の基礎知識』廣瀬菊雄
『「完璧」はなぜ「完ぺき」と書くのか これでいいのか?交ぜ書き語』 田部井文雄
『日本語の作文技術』本多勝一

主語
『象は鼻が長い』三上章
『続・現代語法序説 - 主語廃止論』三上章
『日本文法 口語篇』時枝誠記

格助詞、係助詞
『日本語の論理 : ハとガ』三上章
『似た言葉使い分け辞典』 類語研究会
『日本語の視点』森田良行

完了の助動詞
『日本語助動詞の研究』北原保雄
『現代語の助詞・助動詞  用法と実例』国立国語研究所

日本語文法と英文法
『英語を通して学ぶ日本語のツボ』菅井三実
『国文法体系論(講義集二) 橋本進吉博士著作集第七冊』橋本進吉

接続詞
『書きたいことがすらすら書ける!「接続詞」の技術』 石黒圭

字音語
『日本の漢字』笹原宏之
『日本語の世界 日本の漢字』中田祝夫、林史典

待遇表現
『敬語の使い方』南不二男
『敬語』南不二男
『国語学史 日本人の言語研究の歴史』馬淵和夫、出雲朝子
『馬淵和夫博士退官記念国語学論集』
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