欧州コロナ通信 第364回 2020年8月4日
ドイツ市民の間では、政府のコロナ対策への反感、不満が煮えたぎっている。
先日ベルリンで約2万人が参加した、抗議デモは、そのことをはっきり示した。
人々はマスクを着けず、1.5メートルの最低距離も無視。
プラカードを見ると、「コロナウイルスは怖くない。パンデミックは、政府と公共放送局とビル・ゲイツが市民権を制限するために作ったでっちあげだ」というメッセージが伝わって来る。
極右団体メンバーも、参加者には混ざっていた。
デモを中止させようとした警察官に、堂々と中指を立てて軽蔑する市民もいた。
おとろしいことだ。
シュタインマイヤー大統領は、直ちにビデオメッセージを発表し、「ベルリンでのデモで参加者が見せた行動は、他者を危険にさらす行為であり、断じて許されない」と厳しく糾弾。
極右政党AfDを除く、全ての与野党が、今回のデモを非難する声明を出した。
AfDだけは「今回のデモには、非難すべき点は全くなかった」と声明を出した。
今ドイツの極右政党は、幸い四分五裂状態で、支持率が低下している。
だが弁の立つ右派ポピュリストが現われて、メルケル政権のコロナ対策に不満を持つ市民の票を集めて支持率を増やすというリスクは、常に存在する。
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