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2020年07月31日01:33

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台湾の父たち

■台湾元総統の李登輝さん、97歳で死去 民主化を推進
(朝日新聞デジタル - 07月30日 21:19)
https://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=168&from=diary&id=6177026

私の父は小学校6年から大学卒業までを台湾で過ごした。父は生前よく「当時は日本人は台湾人にとっては侵略者で、けして気持ちの良い存在ではなかったはず。それなのに台湾の友人たちは今でも私に非常によくしてくれる」と言っていた。父は日本に帰国後も晩年まで度々台湾を訪れていたが、その時の父は非常に嬉しそうだったと母が言っていた。

父が他界して10年近く経ったころ、台湾の父の大学の同級生たちが同級会に母と私を招待してくれた。同級会の席で父のクラスメイトの一人が「松谷君はもういないが、松谷君の息子が来た。松谷君の息子は我々の息子だ」と言ってくれた。私は涙を抑えることができなかった。

それから38年が過ぎた。父は李登輝元総統よりも4歳年上の1919年生まれなので台湾の父たちも今はもうほぼ全員がこの世の人ではないだろう。松谷君の息子は我々の息子と言ってくれた黄共睦お父さんもそれから10年経つか経たないころ亡くなったと聞いた。

父は度々台湾を訪れていたが、中国には行きたくないと言っていて実際行ったことはなかった。その理由はけして中国や中国人が嫌いだからなのではなく、日本人は過去に中国人に対してひどいことをやったので申し訳ないからということだった。父の没後、私は中国と縁ができ、中国、特に北京に親しい友人がたくさんできた。父の台湾の友人たちが父にとてもよくしてくれたのと同じように中国の私の友人たちは私によくしてくれる。父が生きていたら喜んでくれたと思う。
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