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2020年04月30日22:36

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究極の人

コロナ自粛モードで、不安からか心を病んでいる人が多いなー、と感じるが、僕は特に収入が減っていないのでまだマシなのかもしれない。
結局ね、あーだこーだ言ったってしゃーないじゃんか。政府の要請、自治体の要請に反発したってしょうがないし、なるようにしかならない。
今ある条件の中で精一杯出来ることをやる、それでダメならしょうがない。次の手を考えればいい。この先なんか誰にもわからないんだし、いくら身勝手な自己主張をしたところで、自分1人の力じゃどうにもなんない。
ある意味、天災とか人災とか、有事の時って、そういうことを人々が再認識する意味でもいいんじゃないか。雨降って地固まるじゃないけど、全てが収束したときに、どうなっているかだな。この場を踏ん張れるかどうかが大きいと思う。生きていればだけどな

まあこんな時期だからこそ、自分を高めることが数々出来るのだが、僕の場合はこんなことをしている。
・在宅勤務
・体力トレーニング
・資格試験の勉強
・子守
在宅勤務は、ほとんど公共事業の仕事で、締切にモノが間に合えば良いのでかなり融通が効いている。日に1回のWeb会議と電話で人とのネゴシエーションは済まされるので、あとは日中私用を挟みながら、夜やったり休日の空き時間にやったり。なかなか捗る。
体力トレーニングは、先日の日記の通り、ランニングと自転車。ウェイトもやりたいんだが、ジムが閉まっているのでなかなか出来ないが、腕立てなどはやっておいたほうがいいかもって思う。こちらも、折角だから、パフォーマンスをあげて行きたい。ここ数年現状維持がいっぱいいっぱいだったので。。
特に自転車は楽しみなので、会社などで緊急の用事などがあれば、自転車で駆けつけようと思っている。総務部の人に「なんかない?」って聞いたら「何もありません!不要不急です!」と言われてしまった・・
資格試験の勉強は、もうまたとないチャンスでしょ。これだけ時間確保できるんだもの。というか、合格までは公表するつもりもなかったんだけどね・・言ってしまった。
これもまた、今まで20年以上の経験を体系的に勉強していて理論付けしているような感じで、仕事がさらに充実していきそうだ。まあ今までいかに、ノリだけで仕事してきたってのが改めてわかっちゃうんだけどね・・
客に助言するんでも、理論的体系が頭にあると、説明も説得もしやすい。今まではどうも「経験上・・・・です」という言い方が、理論的な裏づけを持って話ができるとなお発言に自信が出てくる。
あとは子守ね。子供も難しい年頃に差し掛かっているので、じっくりと面倒みてやれる。が、長男など反抗期真っ盛りだし、次男もちょっとやさぐれ時期に入ってきているし、「親父鬱陶しい」というのもあるだろうが・・まーそれでも、一緒に遊んだりトレーニングしたり、楽しくやっている。
僕の子育て持論は、「健全な精神は健全な肉体に宿る」だから、とにかく健康な体を作ってやること。何やっても体力負けしないこと。技術面、精神面は後からついてくるという持論。何でも一度決めたことは根気強くやりぬけって教えているんだが、誰に似たのか、すぐにヘコたれてしまうんだよな・・

で、いきなり話が変わるが(自分を高める話というところでは関連していると思っているよ!)、イチローについて過去のインタビューで、「凄いなこの人は」って思ったことがある。
まあイチローの凄さは、いろいろとありすぎるんだが、僕はそのインタビューが強烈に残った。
あれは2回目のWBCが行われた年だから2008年かな。メジャーリーグのシーズンでは、イチローは8年連続200本安打のメジャー記録が掛かった年だったのだが、開幕の直前にWBCのプレッシャーとストレスで胃潰瘍を患い、故障者リスト入りで10試合くらい出遅れた。その時、マスコミなどは「200本安打に黄色信号か?」などと書き立てていた。
しかし、その年、35歳のイチローは、復帰した試合から物凄いペースで安打を量産。シーズンも終盤、かなりの試合数を残して、8年連続となる200本安打を達成してしまった(最終的には230本くらいだったかな)。
さあ、早々に目標を達成したイチロー。だが、この年は首位打者争いで上位1位2位の熾烈な展開を繰り広げていた。
たしか、1位が2年目か3年目の若手。こういう選手にありがちな神懸り的なバッティングで3割6分台くらいの脅威の成績を残していたんだが、対するイチローは3割5分台と、1分内の差で追っかけていた。
この時、イチローは、「何としてでも追い抜いて首位打者を取る!」と明言した。
常々、「成績は自分との戦いの結果」を名言しているイチローが、多分この時初めてと言っていいほどに、「俺が追い抜いて首位打者取っちゃる!」と明言したのである。これは、イチローファンならずとも見物である。
彗星のごとく現れたメジャーの若手と、もはやメジャーリーグで神的存在であったイチロー。ビギナーズラックを、俺の実力でねじ伏せる、と堂々明言したのである。
結果、ビギナーズラックの若手が、神懸り的な力を発揮し続け、3割6分後半の打率で逃げ切り、イチローは最後失速。3割5分台で、シーズン終了。惜しくも首位打者を逃した。
その、最後の試合。
イチローは、ガンガンとヒットを量産する若手に対して、この日、最低でも3安打しないともはや追いつく可能性がなくなる、という日。
神はイチローに味方しなかった。最初の2打席であっさり凡退したのである。
ここで、イチローの首位打者の可能性は0になった。
この2打席目の凡退のあと、ライトの守備につくイチロー。良くみると泣いているのである。何度も目を拭って、しかし涙を悟られないように後ろを向いたりして誤魔化している。
我々、日本のイチローファンも、あれだけ意気揚々と狙っていった首位打者を逃したことに、残念で落胆した。地味な消化試合だったが、同じく日本から常にイチローを応援し続けていたファンは、とてもグレーな気分になった瞬間である。
ところが、その後の第3打席である。
イチローは、火を放つような当たりを放ち、センターオーバーの2塁打!だがしかし、もはや2塁打であろうがホームランであろうが後の祭りである。首位打者の可能性が閉ざされた今、そのヒットさえ虚しかったのは、ファン共通の認識だったろう・
しかし、その後、僕は雑誌「Number」にて、イチローのインタビューをみてビックリした。
あの試合の時の心情をつぶさに語っているのである。
あの時、2打席目で凡打をし、首位打者の可能性が0になったとき、初めて自分で他人との勝負に勝つと明言して、それに敗れた時、心が乱れた。乱れて涙が止まらなかった。
その乱れた心の状態で打った2塁打こそ、自分にとって最高に価値のある一打だった、と。
そもそも、いかなる状況にせよ、打席に入った時は心を乱さない。これはこれで目指さなければならないことなんだが、それとは別の次元で、心が乱れていてもヒットが打てる、ということが、自分にとって価値がある一打だった、と。
この話は深い。
私たちは、日々、心を乱す。何かちょっとしたことでうまくいかなかったり、調子が悪かったりすると、心を乱して、本来やらなければならない仕事でミスをしてしまったりする。
そのため、心を乱さないように日々、自分を律することを求められる。
しかし、生きていればどうしても心が乱れる日というのは、出てきてしまう。
そんな時に、心が乱れてしまった状態でも、自分のやるべき仕事を成就させる。
本来、仕事人とは、そうあるべきなのだ。
いかなる状況に追い込まれても、プロフェッショナルとしての自分の責務は果たすくらい体が勝手に反応するのが、まさにプロフェッショナル。
例えば、医者が「今日は心乱れているから」と誤診しまくったら、その医者の信用は失墜するだろう。心が乱れていようが、調子が悪かろうが患者に適切な診断を下すことが、人々が医者に求める責務だろう。
私たちは、それぞれが、そういうプロフェッショナルになるべく仕事し、自分を高めているのではないだろうか?
そして、一人前と呼ばれるような存在になるのは、心が乱れているといったような自分の状態に関係なく、一定の水準の結果を出す仕事は出来る、ということなんじゃないかな、と思うのだ。
イチローが言うように、心を乱さないために日々自分を律する、というのは当然努力しなければならないことだが、それはそれで、心が乱れた時にでも、体は勝手に反応する。これがプロフェッショナルである究極の人なんだろう。

以前、会社の同僚がいいことを言っていた。
僕は普段、そいつは理屈っぽくでどうもめんどくさくて嫌いだったのだが、その時は、なかなかいいこと言うなと感心した。
すなわち、時には理屈も何もないくらい追い詰められてガムシャラにやることも、意義のあることだ、と。ガムシャラにやったことというのは、体のどこかに蓄積する。それが「暗黙知」となって体の奥深くに埋まれば、その暗黙知がいざというときに力を発揮するのだ、と。
体系だてて勉強し、知識を得るのは「形式知」という。形式知は通常仕事したりいろんなことをする上でもちろん必要なものだが、それは何もなく平和な状態のときの話。
一度、切羽詰って有事になった時、救ってくれるのは、過去にガムシャラにやった時に得た暗黙知なんじゃないか、と。
イチローのあの時の2塁打は、イチローがガムシャラに努力し試行錯誤し、もがいてきたから故に、心乱れた状態であっても放つことができたヒットだったんだろう。
月並みな物言いでしかないが、日々努力すること。それがたとえ無駄になっても、もがいてもがいて答えを見つけようと日々生きること。
それは決して無駄なことではない。
コロナウィルスに晒され、平時ではなくなっている今だからこそ、日々の生き方が問われるのである。

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