一年ぶりに神戸フィルハーモニックの定期演奏会へ赴く。神戸フィルハーモニックは過去７回、
定期演奏会へ行っているが前回は先約とバッティングして行けなかった。
会場：神戸文化ホール大ホール
去年の第77回は当ホールの天井や壁が崩落して会場を変えざるを得なかった。当団の演奏会
で来るのは２年ぶり。このホール自体には頻繫に来ている。
ロビーコンサートはStille Nachtやクリスマストロンボーンズという明日から12月という日に
相応しい曲目でローブラスカルテットの皆様。(敬称略)
トロンボーン：倉岡 大希
トロンボーン：富樫 芳彦
バストロンボーン：藤田 志津香
チューバ：柏本 佳樹
2019年11月30日 14:00開演
開演して、いつものように朝比奈千足音楽監督が出て来てお話し。
神戸フィルハーモニック第79回定期演奏会へようこそいらっしゃいました。
今日は晴れて良かったです。秋もすっかり深まり我が家の近くに楓はないのですが
桜がありまして、見事に赤く色づいております。
今日はベートーヴェンにショパン、ドヴォルジャークと脈絡がない並びになっておりますが
今回の演奏会、様々な挑戦が含まれています。その１つが１曲目のベートーヴェン今回私が
指揮をせず、石井勇魚さんにしてもらいます。勇魚読みにくいですね。「いさな」と読みます。
伺うと鯨なのだとか。実は高校の、かわいい後輩なのです。
彼から「エグモント」をやりたいと言って来ました。しかし難しい曲なのです。
今では劇としては上映されず、序曲ばかりが演奏されます。ベートーヴェンらしい曲です。
最初が重々しくて闘争が起こって最後は勝利、歓喜。第九もそうですね。
ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770〜1827)作曲
劇付随音楽「エグモント」Ｏｐ.84から序曲
客演指揮：石井 勇魚(1995〜)
本曲へ短調で書かれている。であるからへ音で始まるが、ここにフェルマータが付いている。
へ短調は暗い情熱を表現すると言われるが、オーボエが使われる。提示部でAllegroに
変わるが、そんなに速い印象は持たなかった。へ短調は♭４つだが、♭系はホルンが向いて
いると言われる。本曲４管。「エグモント」はゲーテの戯曲。
オランダはスペインの圧政に苦しんでいた。そこへ独立の旗手としてエフモント伯爵が現れるが
結局、失敗して処刑される。登場人物が死ぬ話だから私は悲劇だ、と思うがベートーヴェンは
違った解釈を本曲で提示している。
コーダで主音ファを境にヘ長調へ転調する。実は前述の処刑のシーン。
私はエフモント伯爵への「自由」の憧れ、と考える。精神の勝利である。
ピッコロが甲高い音色を響かせ、ヘ長調の主和音ファラドが繰り返されて終曲。
若々しく情熱的な指揮であった。(つづく)
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