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2019年02月18日22:43

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第4483話  心折り演武

どうも、ともんじょです。

一人一束づつ書類を手渡しされる。
次に、1冊の台帳を渡される。
デスクに座って左に台帳を、右に書類を置き、赤ボールペン・黄色の蛍光ペン・付箋・定規を出す。
書類のクリップを外し表紙を外すとA3の紙にびっしり個人情報が印刷されている、これは名簿だ。
1枚目の一番上の記載情報に定規をあてる。
台帳の1ページ目を開くとこれまた個人情報がびっしりと記載されている。
まだ不慣れな作業なので数日前に配布された仕事の手順を目を通しながら、必要事項に指をさして確認する。
台帳の情報を確認して名簿の定規を当てたところに目を向ける。
名前・住所・生年月日・備考を交互に見比べる。
あっていたら赤ペンでチェックマークをつける、違っていたら名簿の違ってるところをマーカーで線を引き、付箋にどこが違うのかメモを残す。
数秒の確認作業。
台帳のページをめくり定規を下にずらして、次の個人情報確認する。
スッスッスッ スゥーッ スッスッ スゥーッ スゥーッ
めくり・ずらす・付箋を貼る、それを何度も繰り返して行を下へと進めていく。
早くて5分、書くことが多いと10分。
そうして名簿の一番下に到達する。1枚目が終わり。2枚目へ。
目の使い方になれると字を読むんじゃなくて書かれているモノを模様として見て、右と左の模様の違いを見比べる、そうすると読むという作業を飛ばすことができて1回の確認でも読むのと見るのではかかる時間がほんのわずかだけ変わってくる。
慣れればそれなりの正確さを確立できるようになった。
3枚目が終わる。
壁掛けの時計を見た、けっこういいテンポで動いているから時間の進みも早い。
まだ疲れは出ていないのでこのままのテンポで進める。
見るチェックする線を引く付箋を貼る、めくる。
数枚名簿を片付ける。時計を見る。1時間。いい感じのペースだ、名簿も心なしか厚みが薄くなった。
チェックマークがレ点っぽくなってきた。
今日は眠気もなく順調にチェック作業は進む。
テンポよく進んだおかげで残り5枚。
チェックチェックマーカー付箋。
名簿がチェックマークで赤くなる。黄色い帯だらけのページもある。
残り4枚。
終わった名簿の形が崩れているので形を整える。
残り5枚。
付箋だらけでイソギンチャクみたいになって陰ながら噴き出す。
残り4枚。
運よくマーカーがなくてチェックだけですんだページが何ページも続く。
残り7枚。
今日は調子のいい日だ。これならあと数分で終わるだろう。
残り3枚。
この人近所の人だ、このページは近所の情報が多い、でも肝心なのはチェックをつけること。
残り6枚。
疲れてくると、自分のやっている作業がずっと終わらないんじゃないかって不安感が湧いてくる。
こうやって一生懸命チェックをしているけど、実は下から名簿が湧いてきてやってもチェックしても作業が終わらないようになっているんじゃないかって疑ってしまう時がある。
こうやっていらない妄想をしている間にも名簿は湧いているのかもしれないって考えてしまう。
これでやっと半分過ぎたくらいにまで減った。
一緒に作業をしている人達も今日は量が多いねって辟易している。
そうは言っても黙々チェックを進めていけばいつかは終わるはずだ。
もう残り4枚まで進んだ。
チェック作業は単純作業なので集中を途切れないようにするのが大変だ。
そして残り1枚、最後の一枚ってびっしりではなく名簿は半分くらいまでしかなかったりするからラッキーゾーンでもある。
やはり少なめの表記だ、赤線が走る。付箋を貼る。
こうして一枚目がテンポ良く終わる。
ここから始まる数センチある名簿の厚さには少しうんざりするけど、がんばれば名簿のチェック作業は終わる時が来る。
やっているうちに名簿は湧いてくるなんて変な考えを起こさないように気をしっかり持って今日も一日がんばっていこうと思う。
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