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2018年10月25日13:39

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【阿比留瑠比の極言御免】中国には譲歩しないことが肝心

 下記は、2018.10.25 付の 阿比留瑠比の極言御免です。
   
                        記

 「日中外交というのはある意味、日本外交の(あり方の)一つの象徴でもあったのだろう」

 安倍晋三首相はかつて、こう語っていた。昭和47年の日中国交正常化以来、日本外交は「日中友好至上主義」に自縄自縛(じじょうじばく)となり、友好に反することは全否定する空気に支配されてきた。首相は、国益を確保する「手段」であるはずの友好が、いつの間にか「目的」となった倒錯を指摘し、さらに付け加えた。

 「友好に反することは何かを誰が決めるかというと、中国側が専ら決める」

 首相がこれまでの対中外交で実行してきたことは、こんな旧弊を打ち切ることではなかったか。

 振り返れば平成24年12月に第2次安倍政権が発足した当時、日本と中国の関係は最悪となっていた。野田佳彦内閣による尖閣諸島(沖縄県石垣市)の国有化がきっかけで、完全に膠着(こうちゃく)状態に陥っていた。

 中国は日本を軽視する一方で、旧日本軍をナチス・ドイツに重ね、首相を危険な軍国主義者だと喧伝(けんでん)する宣伝工作を続けていた。

 首相との首脳会談も拒否し、会談に応じる条件として首相の靖国神社不参拝の確約や、尖閣諸島の領有権問題の存在確認など無理筋な要求を突きつけていた。

挑発乗らず冷静対応

 それが26年11月には、首相と習近平国家主席による日中首脳会談が実現する。この時の習氏は仏頂面で笑顔はなかったが、今年9月の会談では満面の笑みを浮かべる豹変(ひょうへん)ぶりである。

 この間、日本は中国の要求には一切応じず、友好を請うような言動も取らなかった。何ら譲歩しなかったにもかかわらず、である。

 理由はいくつも挙げられる。首相自身が展開した自由や民主主義、法の支配を訴える「価値観外交」が少しずつ中国を追い詰め、包囲網を築いていったことや、中国の軍事的膨張主義が国際社会で広く認知されたことも一因だろう。

 新疆(しんきょう)ウイグル自治区でのイスラム教徒弾圧が欧米から非難を浴びたことや、米国との貿易戦争で打つ手がない中国が、活路を日本に求め始めたという事情も、もちろん大きい。中国共産党にとって死活問題である経済成長には、日本の協力が必要との判断もあろう。

 ただ、何より重要なことは安倍政権が中国の揺さぶりに動じず妥協せず、挑発にも冷静に対応したことではないか。習政権は日本と対決路線を取っても得るものはなく、損をするだけだと思い知ったのである。

 最近では逆に、安倍政権側も中国の巨大経済圏構想「一帯一路」への協力など、中国との接近に前のめりになっているのではないかとの見方も出ている。だが、首相は周囲にこんな本音を漏らしている。

 「別にこちらが前のめりということではない。一帯一路の件は、リップサービスをしているだけだ。中国にカネをやるわけでも出すわけでもない」

パンダ頼みたくない

 首相が日中首脳会談で、新たなジャイアントパンダの貸与を求めるとの観測についても突き放す。

 「パンダの件は地方自治体の要請で外務省が勝手に進めていることで、私は知らなかった。そんなこと頼みたくもない」

 首相は今回の訪中に合わせて対中政府開発援助(ODA)の終了を決めるなど、姿勢は全くぶれていない。むしろ懸念されるのは政界、経済界の今後だろう。中国の友好ムード演出に浮かれてこちらからもすり寄るようだと、利用されるだけされてはしごを外される。歴史の教訓である。

(論説委員兼政治部編集委員)

 https://www.sankei.com/premium/news/181024/prm1810240011-n1.html
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