葉月30句

葉月30句です。

神輿見て水ヨーヨーは手から落ち
手折れたる野菊まで行く死後誤認
咽喉まで日焼け海士の児海へ飛ぶ
炎帝を朝の容花（かおばな）生く百度
海鼠壁続く小路や秋の声
夜祭や倶楽部の老女丹後で箪笥
赤門の前田家由来武者飾り
七夕の風の伝へし七小町
巴里祭マダムの頬の痣青く
夏の酒交す銀杯婿来たる
境内に遊ぶ児の籠鉦叩き
玉墜ちて裸夫渦巻めきし冬まつり
越南の白き空爆青山河
如月の静寂に佇つ翁かな
古の大夫を偲ぶ花祭り
国破れあたり前田のざまあみろ
海底に船影島に盆の秋
大坂を絡る家族秋の声
雷遠く雨まだ降らず夏屋敷
高跳びのばさりと落ちる秋の声
アメフトはヤンキーラガー紳士とよ
厭戦や提灯行列する我も
厭戦や戦勝奉祝行列も
陥落や奉祝行列民嫌戦
統帥や聖旨玉音弄ぶ
玉音を守り朽ちたり近衛兵
骨髄損傷戦傷の如く泣く
選果外る二十世紀と白衣兵
東北の出羽三山やひやおろし
戦争をやりたい奴ら八月よ
弄ぶ統帥権よ負けたとよ
玉砕を強いる統帥蟬時雨
撫子はチームにあらぬ花酵母