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2018年06月18日10:04
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『万引き家族』感想
ちまちましたネタバレあり！
〜東京の下町。高層マンションの谷間に取り残されたように建つ古い平屋に、家主である初枝の年金を目当てに、治と信代の夫婦、息子の祥太、信代の妹の亜紀が暮らしていた。彼らは初枝の年金では足りない生活費を万引きで稼ぐという、社会の底辺にいるような一家だったが、いつも笑いが絶えない日々を送っている。そんなある冬の日、近所の団地の廊下で震えていた幼い女の子を見かねた治が家に連れ帰り、信代が娘として育てることに。そして、ある事件をきっかけに仲の良かった家族はバラバラになっていき、それぞれが抱える秘密や願いが明らかになっていく〜 ＜映画.comさんより＞
日本版ポスター
カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品英語版ポスター
カンヌ国際映画祭パルムドール受賞ポスター
〜印象深かった演出の数々〜
�‐預世�スーパーからネット入りオレンジを盗って走り出し、２人の店員さんに追い詰められ、高所の道路から飛び下りる場面。
オレンジはおそらく6〜7個入り。飛び下りた後の祥太の姿はスクリーンには映らねど、地面にはバラバラ転がるオレンジが。これは、この後の家族の運命を予感させるものだったと。
��家族で花火の音を聞く場面
花火そのものは見えない。ただ音だけが聞こえて、一家は、なんとか見えないものかと、軒下から体をのばしたりしているんだけど、次のショットで、カメラは引かれて、真っ暗な街の風景の中、この家族の姿そのものが、小さな花火のように描かれる。
��祥太と凛がセミを見に行って、祥太は自分の服に蝉の抜け殻を２つつけている。その後、幼虫の脱皮（ふ化？）を２人で応援する。これは、とっても意味ありげ。
�た�卓
・食事風景・・・人物の配置から、誰が何をどう食べるか、どう動くか等々、あれこれ監督のこだわりが心地よく感じられた
・素麺のテーブルからの垂れ落ち感好き
（麺類だと、ご飯食べるよりも動きが出るし、音も大きめになるので、そういう点でも麺類はよかったのかな？）
・お麩は私もよく食べるので、個人的に嬉しかったな
�ジ�えてはいけないこの一家にライトがあてられる瞬間
〜練られた脚本〜
�〔樵阿量�
家族は、皆、それぞれ、２つの名前を持っている（初枝以外）
治 初枝の実の息子の名前
信代 初枝の実の息子の嫁の名前
（この
２つは映画観ただけじゃわからず、ネットで知った
）
亜紀 初枝の亡くなった夫と後妻との子供
（これは２回目でわかった！）
祥太 治の本名
凛 信代の小さい頃の親友の名前
（これも教えてもらったんだけど、そういうセリフがあったのね。聞き逃した
）
��怪我と傷
治と祥太は足に怪我
信代と凛は腕に傷の痕
亜紀と４番さんも手に傷
��スイミーの物語
（是枝監督が養護施設を訪れた時の出来事から取り入れたという）
〜俳優陣の演技〜
�．螢蝓次Ε侫薀鵐�ー 「あの人は怪物です」by是枝監督
まさに、そんな感じ。いや、最高の誉め言葉ですよ、これ。圧倒的存在感と自然さを超越しているリアル感。この人が出ている作品は全て観たいって思わせるホント希少な俳優さん。
��安藤サクラ 『百円の恋』を観た時「すんごい女優さん出てきたなあ」って思ったけど、今回はもう、最高に、最高に素晴らしくて、これからの日本の映画界は、もう、この人がいれば大丈夫じゃないの？とまで思わせてくれた。ハリウッドからも声がかかってるかも？
��松岡 茉優 ほんの少し前まで、全く知らなかった（失礼
）女優さんでしたが、今回が３本目で、惚れ始めてきました
�ぞ� 桧吏くん（『誰も知らない』当時の柳楽優弥くんに雰囲気似てたよね？）＆佐々木みゆちゃん あり得ないぐらい最高でした。２人からめちゃめちゃ素晴らしい表情を引き出した是枝監督に大拍手！
�ゼ�木希林さん 間違いなく日本の国宝
�κ阻槎世気鵝“慣欧琉堕蠕�。信頼感100％！
〜それ以外の見どころ〜
「リリーさんのお尻が可愛いので見て下さい」by是枝監督
〜まとめ〜
・登場人物たちの’家族’への憧れ。皆、家族が欲しかった。家族でいたかった。
・1回目は、さほど胸を打たれなかったんだけど、２回目、亜紀が誰もいなくなったかつての’家族’の住処に戻ってきて・・・の場面がとにかく切なかった。
・ラストシーン、凛（もしくはじゅり）が、台（ビールケース？）の上に乗り、ベランダから身を乗り出す場面は、感動の前にとにかく考えされられた。
それまでは、あの子は、おそらく外に目を向けることはなかったのだろう。外を見るということすら知らなかった（もしくは許されなかった？）のかもしれない。そんな、あの子が、自ら、外に目を向ける。。。
何かが見えた！それは、何？それは、誰？希望？それとも・・・？
重く、深く、そして鋭い問題提起がされたこのエンディング。
切なく、感傷的になりながらも、しっかり受け止めましたよ、是枝監督！
５つ☆
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