というわけで、けっこうちゃんと復習したりしながら、昨年度のハングル講座を見終わりました。毎週、キーフレーズが一つ提示され、このキーフレーズを中心にハングルについてのさまざまな解説がなされるというのが主な構成です。
で、このキーフレーズが使われるシチュエーションのスキット(寸劇)は韓国の男性アイドルグループ、GOT7のメンバーが演じていました。予算やら放送局間の協力体制の関係でしょうけれども、けっこう前からハングル講座のスキットの収録は本物の韓国人により演じられていました。おそらく収録も韓国のスタジオだったのではなかろうかと思われます。
さらに、ここ数年、スキットにはあちらの男性アイドルがもっぱらキャスティングされていました。最初のスキットは第三者の視点で彼らのやりとりを眺めているように映されます。
次に登場人物の一人の主観視点となり、視聴者が実際にやりとりをしているような画面になって発音の練習もする作りになっています。この主観視点も2パターンあり、初めは字幕が出ますが、次には出なくなるので憶えて発音しなくてはなりません。
そして、この主観視点の2つめのスキットの後に追加されるカットが大問題で、これが一貫して男性アイドルから女性ファンへのスタンスで一貫しておるのです。
例として、「〜することはできますか? 〜してはなりません」の回では図書館が舞台で、一方が「ここに座ってもいいですか」と質問して席につくも、眠っていびきを立ててしまい、「ここで眠ってはなりません」と注意されるという展開になっています。
客観視点と主観視点で2つずつ、都合4回のスキットにあって、主観視点の2つめのスキット、全スキット中の最後の最後に、眠ってしまった主観視点のカメラに向かって、男性アイドルの相手役が韓国語でささやくのです。
「眠っているキミもかわいいね」
をいをいをい。
ハングル講座、たしかスキット総数は年間で通して30ぐらいだと思いますが(基本的には毎週1スキットだけど、月ごとの復習や半期ごとの総復習もあるので)、律儀にすべてこのパターンでした。韓流アイドルのファン以外は視聴者として想定していない、ある意味で大変に清々しく潔い態度といえます。
たしかここ数年、日本の韓国への好感度は低下の一途を続けていたはずで、だいたい取り上げられる韓国関連のニュースとなると慰安婦像だったりするので、仕方がないといえば、仕方がないかもしれません。
一方、ちょっと前にSHINeeというアイドルグループのメンバー、ジョンヒョンの自殺が報じられた際、日本人のものと思しきアカウントから韓国語でたくさんのメッセージの送られていたそうだし、あちらのアイドルの日本公演ではファンの女の子が韓国語で呼びかけたりもするみたいです。
韓国語学習のマジョリティは若い女性なのかもしれません。
しかし、最終回の一つ前の回の「GOT7スペシャル」には魂消ました。その前の放送回の予告は「次回はGOT7スペシャル」となっていましたけど、せいぜいこの一年で習ったキーフレーズをちりばめた長めのスキットが演じられるくらいとたかをくくっていたのです。
ところが、これまでのスキットを振り返って放送しながら、メンバーの一人一人を「もっともかわいかったで賞」みたいなので、いちいち表彰してるんですよ。
しかも、スキット制作の裏話みたいなのにも触れていて、たいていのスキットはオチがぐだぐだで、語学番組でそこらへんにクオリティは求めませんから、別に気にしてなかったのですけど、演者に渡される台本には導入のキーフレーズが記されているのみで、どう終わらせるかはもっぱらアドリブ任せだったことが判明してしまったのです!
そりゃ、ぐだるわな。
ここにきて、自分が一年にわたって見てきたのが、アイドルも出てくる語学番組ではなくて、語学番組の皮をかぶったアイドル番組だったことにやった気づいたのでした。遅すぎ。
ちなみに、この年度の生徒役は乃木坂46のリーダー桜井玲香でした。私はいまだにこのグループのメンバーで顔と名前が一致するのは彼女だけです。乃木坂で選抜メンバーがCMなどに起用される場合には、だいたい隅っこか後ろの方にいます。女性アイドルグループのリーダーというのは、あくまで中間管理職であって、いわゆるセンターとはまた別の概念らしいです。
女性アイドルじゃん、女性のアイドルファン専の番組じゃないじゃん、と言われそうですけど、彼女は男性人気の高いタイプではなくて、そういう意味では女の子女の子していないというか、だからまあ、女性に反感を持たれないタイプとしての起用かなあと思っています。
でもって、このコースの最終回はだいたい現地の韓国に赴き、習い覚えた韓国語で数々のミッションをクリア、見事に卒業免状をゲットという流れになります。私の記憶では一回だけ、新大久保が舞台になったことがありましたが、あれは彼の地が韓流ブームで注目を浴び始めたころだったので、そっちの時流に乗ったのだと思います。
しかし、今回の舞台はどことも知れないマンションの一室。そこへ、アシスタント役だったシン・ウィスがさまざまな扮装をして現れ、それと韓国でやりとりしてミッションを達成するという、ものすごく局地的な作りになっていました。一応、スタジオではなくロケをしているようではあるのですが、どうせ外にはまったく出ないのだから、なぜスタジオ収録でなかったのか、逆にわからない謎の展開でした。
あちらの業界の売り上げとかはまったくわからないのですけど、乃木坂は順調らしいのでスケジュールが押さえられなかったのかもしれません。
そんな昨年度も終わり、また今年度が始まっています。今回の生徒役はPUFFYの大貫亜美です。スキットを演じるのはソン・シギョンとベック。数年ぶりに韓流アイドルのコーナーが一切なくなってしまいました。さすがにちょっとやりすぎだったのでしょうか。
ソン・シギョンは昨年度にゲストとして登場したことがありましたが、バラードの皇帝と言われていて、韓国ドラマの主題歌をいくつも歌っているそうです。ベックが若い女性モデルですが、妙にアダルト路線へ振れたと思いきや、初回は韓国語に2種類あるオの発音を区別するため、二人でよびかけのオイときゅうりのオイ(オイキムチのオイ、でもある)を交互に呼びかけあうという、幼児番組のような寸劇になっていました。あと、オチがアドリブ任せなのは相変わらずのようです。
一通りカリキュラムは終わらせたので、後は復習がわりにこちらの放送も眺めつつ、基本的にはテキストやネット上の文章をひたすら訳して文章に慣れようかと思っています。これがちっとも進まない割にけっこう時間をとられて、他のことはなにもできなくなっていますけれども。
で、韓国語をもう1年やったら、今度はいよいよ中国語、ではなくて、実はプログラミング言語の方に戻ろうかなとも思っています。ちょっと作ってみたいものもあるので。
ちなみに、『テレビで中国語』の方も見てみたら、そちらの生徒役は浅野杏奈でした。マジカル・パンチラインの。知らんでしょう。私も知りませんでした。現状、知っている人はすごく少ないと思います。
前任が森迫永依、その前が川島海荷というそれなりに知っている人が多そうなラインからすると、抜擢という感じみたいなのですが、えらく既視感があるのですよ。
AKBどころじゃなくおニャン子とかで秋元康が釜の底を抜く前のアイドルって、たしかこんな感じだったっけと遠い目をしちゃうようなクラシカルなスタイルです。
去年までの講師の三宅登之がやたらとオヤジギャグをぶっこむタイプで、それとの兼ね合い上、川島海荷や森迫永依は醒めたスタンスをとっていたのですが、二人ともそれなりにキャリアはあるのでちゃんとこなしていたとはいえ、これがなかなかテクニックを要するのも事実です。
その点、元気で明るくあくまで前向きな彼女の態度は、これまでへのカウンターでもあるのですけど、やはり、見ていて安心できます。こっちのスキットにも屈託なく笑ってました。演者の片割れ、王陽氏が「え、これで笑うの」と怪訝そうにつぶやいたほどに。
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