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2018年04月05日23:06

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映画「レッド・スパロー」

昨日のレイトショー、ユナイテッドシネマ岸和田で鑑賞。
私の好きな女優の主演によるスパイサスペンス。

ジェニファー・ローレンス
「レッド・スパロー」Red Sparrow

公演中の事故で足を負傷しバレリーナへの道を閉ざされたドミニカ。
病で寝込む母と生活をするために、彼女の叔父からロシア政府の諜報機関のスパイとしてスカウトされる。
スパイ養成学校で、肉体を使った性的な心理操作で情報を盗むスパイとして育てられたドミニカ。
そんな彼女の任務は、ロシアの諜報機関内にアメリカCIAと内通してるモグラ(二重スパイ)を見つけ出す事。
まずはモグラと接触してるCIAのスパイのネイトに近づくドミニカであったが…


ハリウッドの若手女優で特に好きなのがジェニファー・ローレンス。
この感想日記ではもう数多くレビューしております。
最近では去年感想も書いたSF作品「パッセンジャー」があった。
最近は、劇場未公開の作品もあって残念なのもありますが、劇場でかかれば出来るだけ観に行こうと思うほど。
今回の作品はもちろんジェニファーが主演で、ジャンルがこれまた私が好きなスパイ。
今週公開作品が多い中で、真っ先に観たかった。

監督がフランシス・ローレンス。
ジェニファーとはハンガー・ゲームシリーズの2以降ずっと組んでいるローレンスコンビ(苗字が同じで親類ではありません)
ハンガー・ゲームシリーズも全作レビューしましたが、1と比べたら2は面白いが、
全体的にはあんまりそれほどでもない印象。
この監督、風呂敷を広げるのは上手いが畳むのがどうも?な感じがする。
過去作の「アイ・アム・レジェンド」もまさにそう(凄くイイ線は行ってるけど)
監督デビューの「コンスタンティン」はいいと思うけど。

そんなハンガー・ゲームシリーズの監督主演が送るスパイサスペンス。
それなりに面白ければ良しという感じで拝見したのですが…





















これは凄かった!最高!





予想以上の素晴らしい出来だった。
この監督主演、何か吹っ切れたような感じがした。

特に、ジェニファー・ローレンスの体を張った演技。
体を張った演技と褒める時によく形容しますが、
今回は今後どんな役だろうと、どう演技要求されても、
演出する監督が逆に恐れ入るほど、演者である彼女が引っ張っていくような存在となったと言うべきか。
今回のジェニファー、ずばり脱いでます!
今まで観た出演作では本作が最高ではないかと思う。

フランシス・ローレンス監督も最高の演出を見せる。
彼の監督作では最高傑作と言ってもいい。


スパイ映画と言っても、2つのタイプがある。
一般的にイメージするのは、007やミッションインポッシブルやキングスマンなどのアクション路線。
もう一つが、リアルなドラマ運びをするサスペンス路線。
私的にはアクション路線が好きだが、時折サスペンス路線も捨てがたい。
特に代表的なのがジョン・ル・カレ原作のリアルなスパイ映画(裏切りのサーカスや寒い国から帰ったスパイ等)
あの感じが好きならこれはおススメしたい。
逆に「難しそうだな・・・」と敬遠しがちな方、今回はこの手の路線にしては分かりやすく面白いので入り易いと思う。

「レッド・スパロー」はジェイソン・マシューズ(元CIA)原作による映画化。
主人公はロシアのスパイである。
この手のスパイ映画でよくある「民間人がある事でスパイに仕立てられる」な内容である。
バレリーナだった主人公が、事故で足を負傷、生活のために叔父から誘われたスパイの世界へ。
スパイになるきっかけ、スパイになる養成学校、本格的なスパイ活動、モグラは誰か(二重スパイ
の事)、CIAとの駆け引き、
そして驚愕のラスト!

冒頭からラストまで、上映時間2時間20分。
本当に長さを感じさせないほど、ずっと張り詰めた空気感に緊張感。
ラストなんて最高だった(あえて申しません)

観てる側は、主人公ドミニカ・エゴロワの目線となって彼女がどうなっていくのか?
それが目が離せないのだが、ロシアのスパイでありながら、CIAへいつしか心変わりするかのように二重スパイとなる、と見せかけて実は…
この心理戦がハラハラさせてくれた。
観てる私自身が、ドミニカに心理的に嵌められてるような気をさせてくれる。
この辺りのジェニファーの内に何か秘めたような巧みな演技に、監督の演出が冴えにさえ渡っていた。

心理戦が主なのでアクションはあるにはあるがかなり控えめ。
しかし全編、とにかくエロとグロいバイオレンスが満載。
エロい描写に慣れた?私でもかなり久々に興奮?いや、逆に恥ずかしい感じにもなったドキドキ感があった。
これはここでは書くには過激なんで伏せますが。
前半のスパイ養成学校のシーンは特にそうだった。
セックスでいかに相手を物にする事がスパイの基本のような…
養成学校のシーンは、いやー凄かったね。

おまえの体は国の所有物
と言われ、ロシアのためにスパイ活動をするドミニカ。
果たしてそうなのか?
凄くしたたかで、真の強い女性だ。
これは演じるジェニファーのイメージにも重なる所もあり、謎めいた所もありながら惹かれてしまう。

バイオレンスシーンが過激。
皮膚を剥がれて、骨が見えるほどの死体。
特に、そのロシア諜報機関の皮膚をピーラー削りする殺し屋(またこのキャラの存在感が凄くて怖い)
との心理合戦も含めた血まみれの格闘も凄い。


脇を固めるキャストが豪華で素晴らしかった。

CIAのスパイであるネイト役にジョエル・エドガートン
最近、ますます存在感を増してきてるエドガートンはこれまたイイ役者である。
最近ではこの感想日記では大絶賛でその年のベストにも上げた監督を兼ねた出演作「ザ・ギフト」は凄かった。
今回はジェニファーと肉体的にも接触するスパイを好演。

ドミニカの叔父ワーニャ・エゴロフ役のマティアス・スーナールツ
出演作はそんなに拝見して無かったが、この役者さんが脇では特に光っていた。
この人、ロシア繋がりなのかプーチン大統領に顔が似ている(笑)
その癖のある顔が雰囲気を醸し出していて、あのラストにも。

養成学校の教官役のシャーロット・ランプリング
この人もかなりのベテランの名女優。
今回のキャラが怖いくらいに嵌っていて最高だった。
全体的には出演シーンは多くないけど、凄く印象に残るのは流石。

コルチノイ将軍役のジェレミー・アイアンズ
最近では「ジャスティス・リーグ」で拝見、バットマンの執事アルフレッド役が良かった。
今回のジェレミー・アイアンズ、カッコ良かった!いつもそうだけど渋い。
この人もベテランの名優。

そういえばシャーロット・ランプリングとジェレミー・アイアンズは何度も共演してる。
思うんだけど、この2人の名優が出る事で、作品に重厚感を与えてるのも大きかった。


まさに吹っ切れたようにその身体をさらけ出し、時に大胆で時にクールでしたたかな女スパイ役を演じたジェニファー・ローレンス。
女スパイと言えば、そういえば去年はマイベスト3位だった「アトミック・ブロンド」があったが、
今回はタイプは異なるがこれはまた、今年のベスト作品に是非入れるでしょう!

今年のベスト作品候補!


超おススメしたい!
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