CSで放送されていた『新大江戸捜査網』の放送が先週の放送で終わる。
旧シリーズが長いだけに、新シリーズは短かったという印象で、もう最終回という感じもあった。
『新大江戸捜査網』。
第一話を観た時に旧シリーズのパターンを捨てたりしていて、独自性を無くしていたことで戸惑い、面白くないと馬鹿にしてしまった。
でも、とりあえずは二話以降も観ておこうと思い見続けたら、旧シリーズとは違った魅力を発見してしまい、それはそれでハマってしまった。
まず、隠密同心達の平均年齢が下がったことで、彼らの行動に若さというのが加わり、物語の展開がスピーディになっている。
また、敵陣に向かう前に、「隠密同心、心得之條〜」の代わりに、女隠密同心お紺が御成敗書をナレーションで語り敵に持っていくというのに代わり、これを取った悪人達が怯えそこに隠密同心達が現れるというのに代わり、クライマックスの悪人成敗を盛り上げるのにいい効果があった。
また、若いというので、隠密同心の新十郎と銀次のキャラも旧シリーズの大人の年齢の隠密同心達と違って、若いから悪を許せないというキャラクター性が、時に暴走する姿も含めて、いい感じがあった。
それに、若い二人の暴走性を認めつつもそれを抑える年上の榊原長庵を置いているのも、集団ものとしてのバランスが上手く活かされている。
新十郎を演じるは並樹史朗がいい。
若い正統派時代劇ヒーローを、時にさわやかに、時に二枚目に、時にコミカルに演じ、それまでも隠密同心のリーダー格とは違った愛すべき主人公を演じた。
また、銀次を演じた三浦浩一。
今では時代劇俳優としての地位が高いがまだ新人の頃。新十郎が主人公ゆえにできない、軟派さと三枚目ぶりが銀次を活き活きとしたキャラにしていた。
そんないい要素がつまった作品。
正直、松方弘樹の後半の頃に比べると、新の方が面白い。
旧シリーズのように長くならなかったのは残念である。
やはり、裏の二局が二時間物、一局は映画番組、残り一局は名作が生れる連続ドラマの枠だから苦戦せざるおえなかったのかもしれない。
しかし、並樹史朗。
この時、人気長寿番組の主役に抜擢されるほど期待されていたのに、今ではあまり見かけない。
人気長寿番組を終わらせたというのが、いいかに大きなことであったのか、というのを考えてしまった。
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