mixiユーザー(id:2940172)

2018年02月04日09:25

139 view

12月と1月の読書日記

なにやらバタバタしているうちに年も明けてしまったわ。まぁ、年をとると月は早く流れるな。
最近の北欧の警察小説の主人公は、人格破綻者が多い。マルティン・ベックやヴァランダーは愚痴っぽい中年警察官だったが、常識人だ。
◯刑事ザック 夜の顎(あぎと)〔上下〕 (ハヤカワ・ミステリ文庫) 、モンス・カッレントフト &マルクス・ルッテマン (著):タイ人売春婦の四重殺人!! さらにそれに続く事件の残忍な手口に、百戦錬磨の特捜班の面々も言葉を失った。売春をめぐる犯罪組織の抗争か、人種差別主義者の暴走か、あるいは単独のシリアルキラーが跋扈しているのか?単純そうに見えて、何度ものどんでん返し。振る舞いの怪しい上司。自分も犯罪者スレスレのザック。劇画の主人公みたいだ。
◯贖い主 上下 顔なき暗殺者 (集英社文庫) 文庫 、ジョー ネスボ (著):酒乱で女好きで独断専行のオスロ警察警部のハリー。クリスマスシーズンのオスロで、街頭コンサート中の救世軍のメンバーが射殺された。衆人環視のなかの事件なのに目撃証言がまったく得られない。救世軍という組織はよくわからないのだけれど、けっこう立派な組織でおきまりの出世争いなどもある。一方、暗殺の実行犯はすぐにオスロから脱出しようとするが、降雪で航空便が欠航になり、一晩滞在せざるを得なくなる。この殺人犯とハリーの側からの両面から事件は描かれる。独断専行のハリーが同僚の刑事の働きを認めたところで悲劇は起こる。今回のハリーは随分マイルドになっている。
◯フォールアウト (ハヤカワ・ミステリ文庫) サラ パレツキー (著), :窃盗の疑いを掛けられた青年が黒人の老女優フェリングとともに姿を消した。例によって親戚の女の子に懇願されて、嫌々ながら、探偵ヴィクは、その行方を追ってフェリングの故郷であるカンザス州ダグラス郡に赴く。過去に核ミサイル配備に対する抗議運動がおこなわれたこの地で、フェリングたちは何かを撮影してまわっていたらしい。まあ、人間関係が錯綜し、なんども前を読み返してさらに訳がわからなくなる話だった。今回のヴィクは、けっこうおとなしく、違法な潜入や作り話での聞き出しがおとなしめ。長く続いた恋人との別れの予感失恋もあって、女子っぽい。
◯冷酷な丘 (講談社文庫)シー.ジェイ・ボックス (著)‎:猟区管理官ジョー・ピケットの義父が風力発電の事業に乗り出した途端、何者かによって殺害されタービンに吊るされた。このジョーという人、正義感も強く頼もしいのだけれど、なんとなくめんどくさい人もうやだ〜(悲しい顔)、という感じなのだ。逮捕されたのは折り合いの悪い義母のミッシーで、妻に懇願されてジョーは真犯人を探る。最後の方に、この義母の生き方のモノローグがあり、夫を変えるごとに金持ちになる経緯が明かされる。ちなみに義母は、直接は誰も殺していない。並行して鷹匠の盟友ネイトの隠れ家がロケット弾で爆破される。つながらないような話がどうつながっていくか?アメリカ大自然の描写とともに楽しめる。次は、謎の人ネイトのお話らしい。ジョーよりネイトの方に感情移入している私。
◯恐竜探偵 足跡を追う 糞、嘔吐物、巣穴、卵の化石から  アンソニー・J. マーティン :恐竜は、私が子供の頃と随分違うものになってきた。恐竜は、今は鳥類となっているというのは定説になったようだ。この本は生痕学者という、聞きなれないというか、初めて聞いた分野の人が著者だ。化石というと足跡とか骨、くらいしか思い浮かばなかったが、糞や尿の後、胃の内容物、寄生している虫のことまで、随分広きに渡っている。筆者が最も見つけたいものの一つは交尾していると思われる足跡。何トンもの雌雄が交尾するというのはけっこうはた迷惑なことだったのではなかろうか。想像力と注意深い目と膨大な知識が必要そうな学問だ。
1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する