mixiユーザー(id:4310558)

2018年02月08日11:52

72 view

ラクサンポ35

私の名前は川口民雄。子どものころから、周囲から浮いていた。学校の成績は低空飛行で、お情けで卒業させてもらった。小学校低学年のころからごく普通に生きられないと堪忍した。なんでみんなと同じことができないのだろうか。学校時代の運動会、学芸会、展示会、修学旅行で、周囲のクラスメートと同じ行動をとるのに、非常に神経を使った。仕事をいくつか渡り歩き、発達障害を支援するNPOで働いている。大人になって、検査を受け、検査の結果で、読み書きはかなり厳しいことがわかった。発達障害当事者は別に努力して、普通に見せようとしても、無理である。例え給与は低くとも、暮らしていければ、文句はない。この仕事は自分に向いているようだ。発達障害トラブルシューティングが仕事になった。数日後、NPO事務所、川口とスタッフが忙しく働いている。

スタッフ男1
「もどってきた。又、あて先不明で届けられないだって」

川口
「こんなに戻ってくるなんて、予想もしなかったな。引越が多いのかな」

スタッフ女1
「フリースクールは不安定だからね。社団法人、NPOになっている学校もあるけれど、ほとんどが私塾に近い。知らない間に廃校になっているのは珍しくないわ」

川口
「俺、予備校講師辞めたとき、将来はフリースクールでも作ろか、と本気に考えたんだ」

スタッフ男1
「川さん、悪いことは言いたくないけど。辞めたほうがいいよ。そうとうお金持ちじゃないと一年ぐらいで、資金がなくなるんじゃないかな。それでも理想に燃え、やりますか」

川口
「よく考えてみたら、俺、やっと食べていて、そんな余裕なんか、ないよ。夢でしかなかったかな」

スタッフ女2
「私も生活に余裕があれば、面白いから、かかわりたいけど。フリースクールの人たちってさあ、自分の生活を度外視しているんだから、頭が下がるわ」

川口
「さすがに、俺はそこまで勇気がないな」


1 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する

<2018年02月>
    123
45678910
11121314151617
18192021222324
25262728   

最近の日記

もっと見る