シティと果心の『怖ーい』ハロウィーン
注意書き
トベルト『今回は怖いコワイよー』
朝7時 ゴブリンズ・アジト 会議室
アイ「フッ…ククク…ワーッハッハッハッハっ!
参ったか警察よ!
このゴブリンズ・リーダー、アイの恐ろしさに恐れおののくがいい!!
ワーッハッハッハッハっ!
………。」
アイは近くの机にあるラジカセの録画スイッチを切る。
そして巻き戻しボタンを押す。キュルキュルとラジカセのテープが逆回転する。
そして、再生ボタンを押した。
ラジカセ『 フッ…ククク…ワーッハッハッハッハっ!
参ったか警察よ!
このゴブリンズ・リーダー、アイの恐ろしさに恐れおののくがいい!!
ワーッハッハッハッハっ! 』
アイ「…うむ、今日も上出来だな。
これで今度の作戦も成功するだろう」
1人ニヤニヤと笑うアイ。
その時、ドアを軽くノックする音が聞こえる。
アイがどうぞと言うと、ススが部屋に入った。
スス「リーダー、ちょっと見せたいものが…。
って、リーダー?何をしてるの?」
アイ「ん?ああ、このラジカセの事? よくぞ聞いてくれた!」
アイはニンマリと笑い、ススは軽く引いた。
アイ「これは今度の作戦が成功した時に警察にかける新しい文句を探していたのだ!
ちなみに今はこれ。(カチ)」
ラジカセ『 フッ…ククク…ワーッハッハッハッハっ!
参ったか警察よ!
このゴブリンズ・リーダー、アイの恐ろしさに恐れおののくがいい!!
ワーッハッハッハッハっ!』
それを聴いたススはニコッと笑い、
スス「へーすごいねー(棒読み&ドン引き)」
アイ「どーだすごいだろう!
…ところで見せたいものって?」
ススは何もいわず、カバンから本を取り出す。
本のタイトルには『家計簿、ゴブリンズ編』と書いてあった。
アイ「ん?家計簿?」
スス「現れたるは只の家計簿。
しかしその中身は…」
ススは芝居かかった口調で話しながら、家計簿の中を見せる。
…中の文字は全て、真っ赤に染まっていた。
スス「火の車であった」
アイ「オーマイガー…」
バン、とススは家計簿を床に投げつける。
スス「どーするのよ…この火の車?」
アイ「え、えっとー… 節電、節約に今後一層の努力を…」
スス「前回の作戦による出費がはるかに収入を上回っているのよ!このままじゃ私達、毎日お茶漬けよ!?」
アイ「ええー…せ、せめて梅干し入りで…」
スス「アホか!
大体リーダーは〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」(以後、様々な愚痴や怒りが爆発中)
アイ「お、落ち着けスス。
まあとりあえず〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」(以後、言い訳と懺悔と謝罪の連続コンボ)
そして、その様子を天井裏から眺めていたシティと果心の二人組。
シティ「ふむ。つまらないわね」
果心「甘くもないわ。」
シティ「これは…」果心「疑いようもなく…」
シティ&果心「「お仕置きするしかない」」
シティ「と言うわけで、果心先生宜しく」
果心「……よこざんす」
シティと果心はおたふくの仮面を被る。
シティ&果心「「お仕置き開始」」
パララ〜〜、パララパラパ、パ〜パララ〜〜
ジャカジャン!!
アイ「?」
スス「な、何、このBGM…」
果心「呪法『一輪の罪花』」
ボコ、とアイの下の床から音が鳴り始めたと思うや否や、床が裂けて中からボロボロの腕が現れる。
アイ「…え?」
腕は異常に細く、長さは2メートル程もあり、指一本一本の長さは50センチもある。
また、腕の皮が剥がれ落ち中身の筋肉が見える。
細長い手がゆっくりとアイを縛り付けた。
アイ「うお!?」
スス「ア、アイ!?」
そしてあっという間に、地面に引きずられてしまった。
…ただし下半身だけ。 上半身だけ床の上にでている。
アイ「…え?
なにこの中途半端なホラー?
下半身土に埋められて、上半身だけでてるってまるでモグラ叩きのモグラ…あれ?」
そこまで言ってアイはハッとする。
いつの間にか目の前に、おたふくの仮面を被った女性が立っている。
仮面の中から何か聞こえてくる。
「恐怖の悪戯その七十五(適当)
三連フライパン」
ガン!ゴン!グワアン!!
アイの頭に小、中、大のフライパンが落ちる。
最後のフライパンで、アイは気絶した。
その隣でススは呆然としていたが、やがてハッとする。
スス「え?シティ?
何をやってるの?」
?「ち、違う!私はシティではない!
私は、えーと………」
困りはてるシティの隣りに、同じおたふく仮面をかぶる果心林檎が現れた。
シティ「あ。」
スス「誰?」
?「よくぞ聞いてくれたわ!
私の、いえ私達の名前は…。
魔法美少女仮面、オタキャアちゃん!!!」
魔法美少女仮面、オタキャアちゃん
魔法美少女仮面、オタキャアちゃん
魔法美少女仮面、オタキャアちゃん
ススはそのあまりにも酷い名前に、凍りついた。
果心?「私は、オタキャアブラック!」
シティ?「わ、私はオタキャアホワイト…」
果心?「私達は、悩める女の子の心の叫びを聞いて、すぐに駆けつける!」(シティにそっとメモを渡す)
シティ「(メモを読む)…そして私達は、あなたの悩みを解決する手助けをするのよー」
果心&シティ「それが私達、オタキャアの使命!」
スス「ええ?」
非常に気まずい雰囲気が流れる。
しかしその雰囲気を全く読まない果心がノリノリで台本通りの台詞を吐く。
果心?「それではまたいつか、あいましょー!」
シティ?「グッバ〜〜イ!」
シティと果心は空を飛んでどこかへ去っていった……。
後には、気絶したアイと困惑し続けるススが取り残される。
スス「…え?え?
一体、今のはなんなの?
えええ?だ、誰か説明…ええええ!?」
ところで、 先ほどのススの家計簿の真っ赤な数字。
その理由は、アイの作戦だけではなく、シティの毎日の電柱によるアジト破壊による修理費のせいだと、シティは気付いていたのだろうか?
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