筋肉少女帯　『FUTURE！』

筋少のニューアルバム『FUTURE！』を聴く。

私には聴きやすいアルバムでした。いや、聴きやすいとは言っても、本来、ニューウェーブ、テクノ（テクノポップ）、ハウスが好きな人間にゃ、音が重くて「もう、おなか一杯！」ってなるんですケド。本当に、食欲なくなるんだよ。ダイエット出来るよ。筋少ダイエット。

内田氏が作った、ナゴムの頃を彷彿とさせる変な曲（と言っては失礼だが）も楽しかった。

大槻氏が言う『FUTURE！』には、多分に「来世」が入っているんですね。なので、完全に前向きか？と問われればそうでもない。「どうせ、現世がダメなんだから、来世にチャレンジしてみれば？」とそんな何処か突き放したような部分もあるのかな？と。でも、完全に突き放すのではなく、「オーケントレイン」には乗せてくれる。来世に向かってGO！
50も過ぎると、「死」も身近になってくるもんな。否、40後半でも結構死は身近だ。実際、私の周りでも、40代ともなると死んでいく人もいる。「もう、死も身近だし、『未来！』って叫ぶしかないじゃない。」　そういう部分も多分に含んだFUTURE！

『告白』。空手バカボンかと思った（笑）。何か懐かしい気分に。内田さんに「テクノ作ってくれ。」と言って依頼したら、これが上がって来たらしい。
サイコキラーズ・ラブと一緒で、人の気持ちが分からない人の歌。・・・なのだろうが、何故か、私は、SHERLOCKのシャーロックとモリアーティが会話してるようなイメージになった。おそらく「紅茶が冷めちゃったね。」と言ってるから（大槻氏曰く、喫茶店で話してるから、紅茶らしいのだが。ガロがイメージにあったらしい）。最後、モリアーティとホームズが、一緒に普通を探しに行くのかな？って思った。

『ハニートラップの恋』　GSサウンドっぽい、パルプフィクション（笑）。内田氏が作った変な曲パート２。歌詞が、松尾スズキ氏が書いた歌詞みたいだぁ〜・・・って思った。でも、最後殺されちゃう（んだよね？）ところは、大槻氏だなぁ〜。

『エニグマ』　内田氏が作った変な曲・・・のはずなのだが、皆が激テク過ぎて、最早私の中では「怖い！」ってなる曲。並みの激テクなら恐くないんですが、度を越した激テクだと、最早、「怖い・・・」という感情になるよ。三柴氏のピアノが流麗に流れて、長谷川氏のドラムがドコドコ入って、ソロパートがあって・・・の部分とか、もう、スゲエ。変拍子入る、変調する。プログレだからでしょうけれど。皆、どうやってカウントとって演奏してるの？
それに、大槻氏が唄っててクチ気持ち良い言葉が並ぶ。どうやら名古屋では、ちゃんと歌詞を覚えて来ていたらしい。スゲエ！（って言うのもちょっと変だが・・・）　呪文みたいで、歌詞、恰好良いケドね。

『オーケントレイン』　レティクル座の列車の対になるのかな？って思った曲。レティクル座は、まだ、大槻氏本人がもがいていた時に作った歌だけど。前述もしたけど、「どうせ現世でダメなんだから、来世にGO！」って言われてるような気がする。大槻氏の語りが胡散臭くてね。「私のようなものが言うから説得力があるんです」って、本気で胡散臭い。カルト宗教の勧誘みたい（笑）。
そんな電車（シュポシュポ行ってるから汽車なのかも）に乗って「出発！」
そして、確かに、♪オーケントレイン〜のところは、そら唄うはな・・・って思った。本城氏は「ああ〜、オーケンに唄われちゃったぁ〜・・・」って思ったらしいが（笑）。（本城氏は、大槻氏が全く唄わない歌を作りたかったそうな）

『ディオネア・フューチャー』　私、この歌・・・ってか曲がとっても好きみたい。途中、リズム変わって、ディオネア・フラワー♪になる部分。とても好き。
あと、ギターが恰好良い。ピアノもドラムも恰好良い。そして、どうしても『ぴったん薄着で待ってるぜ！』で笑ってしまう。この人は、何で薄着で待ってるんだろう？
これさ、「包んでくれ」って言ってるケド、ディオネアに言ってるワケで、ようは、棘に包まれるってコトでしょ？・・・嫌だよね？(^_^;)　「トゲの中で　未来を待って　包んでくれ」って言ってるけれど。

『サイコキラーズ・ラブ』　大槻氏曰く「J-POPは、皆、健全な愛とか恋とか唄うなぁ。なら、健全ではない人達の歌を、J-POPで唄おう。」と思って作った歌。サイコキラー２人の恋愛ソング。心が弱い時に聴くと、うっかり最後の“あなたが　あたしを手にかけたらいいよ”で泣く。大槻氏、若い頃だったら、もっとディストピアにして終わってたよね。２人死んで終わってたか、それでも、人を殺してたか。と、考えると、やはり前向きソングではあるのかな？
本城氏の作るJ-POPソングが結構好きな私です。本城氏、本来、ニューウェーブの人だから、こっちなんじゃないかな？とも思う。

『人から箱男』　サラリーマンがストレス発散の為に唄う歌・・というコンセプトなのだが・・・。これ、本当にサラリーマンの人、唄えますかね？(^_^;)　難しくない？てか、そもそもこれ、大槻氏の声じゃないと恰好良くないんじゃないか？と思う歌。ただ、三柴氏が言っていたように、「ピアノは、史上最大に簡単なピアノ。皆も弾けるよ！」なんだろうな・・・と思った。一生懸命音をとってますが、未だ取れていません。・・・私、本当に、ソルフェージュ（音楽訓練）を習っていたんでしょうか？

『３歳の花嫁』　ツイッターで「池田貴族の話みたい」と言ってる人がいて、なるほど！と思った。大槻氏、池田氏と仲良しだったし、ちょっとそういうところはあったのかなぁ？このパパは何歳くらいなんでしょうかね？40代かなぁ。フラッシュゴードンだけれど。
これも、ポップスっぽくて好き。結果、私ゃ、やっぱりニューウェーブの人なんじゃ？と重ね重ね思う。筋少を聴いてるのが奇跡！

『わけあり物件』　怖い！怖いよ、この歌。いや、怖くて良いんだケド。そういう発注だったから。パチスロ『闇芝居』のテーマ曲。
これさ、女の人が言うんだよ、おそらく男性に。「きれいな私に戻してよ　あなたが棲んで戻してよ」って。怖いよ・・・。人物を物件に例えた歌だけど。
「あなたともう１度付き合ったら、綺麗な私に戻してくれますか？」ってことでしょ？怖〜い・・・・。
人は、「幸せになる」って思って人と恋愛して付き合って、でも、その時は幸せだから、意味は探さず付き合って、意味を探して裏を見た時に、「ああ！」って気付いて、“わけあり”になってしまう。探さぬが花・・・。なんでしょうかねぇ・・・・。

『奇術師』　橘高氏のインスト曲。大槻氏は「太陽にほえろ！みたい」と言い、団長は「昔の金曜ロードショーのテーマ曲みたい。」と言っていたが、私には完全に必殺仕事人のBGMでした。聴いてる間、藤田まこと氏や、中条きよし氏、三田村邦彦氏等が出て来てしまい、あら、大変。加代さんが、悪人どもの名前を読み上げている。そして、お金（依頼料）を分けている。
最後、中村主水が、１番の悪人を斬って、主水のシルエット。そして、曲が終わる。そんな感じ。橘高氏は「夕暮れのセンチなイメージ」で作ったそうです。

『T2』　DDTの入江選手の入場曲。前述、「現世がダメなんだから、来世へGO！」と書いたのですが、それでも、これで終わっているので、かなり前向き感、FUTURE！があって終わったと思う。入場曲なので、バーン！って部分があるそうな（内田氏がそうしようって言ったらしい）。バーン、デロデロデロ・・・のところな。
プロレスの入場曲なので、そら前向きだはな。

どうやら、名古屋で、大槻氏はかなり歌詞を覚えて来ていたらしく、「あんまり間違えてない！」と、ツイッターで騒がれていて、「歌詞を間違えてない！」って騒がれるヴォーカリストって何だろう？って思ったけれど（笑）、素直に「スゲエ！」と言いたい気持ちではあります。特にエニグマ。これ、覚えられたの？

私は、六本木に観に行きます。椅子があるの。席後ろだけどね。でも良いの、椅子、有難い・・・。

余録。

『FUTURE !』のトレカは、ディオニアの内田氏でした。前回も内田氏が出たので、ギター（橘高氏）１人、ベース２人という斬新なバンド構成になっていくうちの筋少さん（笑）。ヴォーカリスト（大槻氏）が不在なので、大槻氏が出るまでは、内田氏２人いるから、内田氏に唄わせようと思います。内田氏「１人で唄うと皆が自分を観るから嫌だ！」って言うんでしょうけれど。
あと、シークレットで長谷川さんのカード作ってくれないかな？三柴氏は特撮の方で出るかも知れないケド、長谷川氏は絶対出ないんだもん。集めてもバンドにならないのは寂しいのだもの。