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2017年09月28日16:33

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笹時雨 ー 吉田嘉七  ビルマ戦詩集より

ビルマ戦詩集 自昭和十九年一月 至昭和二十年一月 吉田嘉七



笹時雨 ー 吉田嘉七  ビルマ戦詩集より

<われらが兵舎は竹藪奥深きあたり、竹の柱を立て掘立て、椰子の葉を葺きて作る。
いぶせしと人言はば言へ。風一たび来たらば、思いもうけぬ風雅、わくら葉屋根に鳴ってこよなし。>

たそがれの竹の仮屋の
小窗よりまろ寝に仰ぐ     こまどよりまろねにあおぐ
夕雲はとぎれとぎれて
篁に風のわたりぬ       たかむらにかぜのわたりぬ

はらはらと時雨にも似て
竹の葉は枯れて落つるを
ゆくりなくかかる夕べに
ききぬべく我や稚し

杳けさは小暗き宿の      はるけさはこくらきやどの
ランプの灯ほのか照れるに
胸逼る故郷の思ひ       むねせまるこきやうのおもひ
さやぎては雨ふるごとく

<ヘンサダ市外ネーパン村にて>



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