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2017年09月28日14:51

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小池新党設立 しがらみ抱えてどこへ向かうのか

 下記は、2017.9.28 付の【阿比留瑠比の極言御免】です。

                        記

 「しがらみのない政治をつくり上げる」「しがらみのない改革を大胆に行っていかなければならない」

 小池百合子東京都知事は27日、自らが代表を務める国政新党「希望の党」の設立記者会見で「しがらみのない」と8度連呼した。代表就任を表明した25日の記者会見でも何度も「しがらみ」を否定し、それが小池氏の目指す政治の方向性であることは間違いない。

 辞書を引くと、しがらみとは「せきとめるもの、まといつくもの」とある。確かに加計学園の獣医学部新設に対し、既得権益を守りたい業界団体や文部科学省が頑強に抵抗したことをみても、しがらみにがんじがらめでは改革は進まない。

 ただ、それを小池氏があまり強調すると違和感を覚える。しがらみのない政治は、ゆき過ぎると「情のない政治」に堕すのではないか。民進党というしがらみの塊を新党に受け入れて、何がしたいのか。

 有権者の代表である政治家は、誰しも一定の利益団体やある種の政治傾向を持つ支持者らを持つ。そうした立場の異なる政治家同士の切(せっ)磋(さ)琢(たく)磨(ま)や駆け引きと妥協が政治だといえる。だがそれにしても、小池氏は言行不一致ではないか。

 小池氏といえば、日本新党、新進党、自由党、保守党、自民党と渡り歩き、その時々で細川護煕元首相や小沢一郎自由党代表、小泉純一郎元首相、安倍晋三首相らに重用された。

 特に第1次政権時の安倍首相には、女性初の防衛相に抜(ばっ)擢(てき)されたが、防衛官僚と衝突して2カ月弱で辞意を表明した。自民党にも見切りをつけ、現在に至る。

 勝負勘がいいのは政治家としては美点だろうが、酷薄なようにも思える。政治履歴のほとんどが「自分ファースト」で他者を踏み台にしたステップアップの記録のようだと言ったら言葉が過ぎるか。

 「これまで若狭勝さん、細野豪志さんらが議論をしてこられたが、リセットして、私自身が立ち上げる」

 25日の記者会見でのこの宣言も、若狭氏らの積み重ねや努力は、まるでなかったかのように切り捨てているように聞こえる。リセットも小池氏のキーワードだが、どこか軽い。

 小池氏は今回の選挙戦でテレビの注目の的になり、さまざまな話題を呼びそうである。事実、希望の党の出現は、民進党の崩壊を一気に加速させた。世論は、郵政解散時の「小泉劇場」を彷(ほう)彿(ふつ)させる小池流「劇場型政治」に再び熱狂するか冷めた目を向けるか。

27日の小池氏のあいさつでは「日本にはありとあらゆるものがある。ものがあふれている。でも今、希望が足りない」との言葉が気になった。村上龍氏のベストセラー小説『希望の国のエクソダス』で、中学生集団のリーダーが語る次のセリフとそっくりだからだ。

 「この国には何でもある。本当にいろんなものがあります。だが、希望だけがない」

 小説では、中学生たちは大人の社会からのエクソダス(脱出)へと動き出す。希望の党は、しがらみを捨てると掲げつつ、新たなしがらみを抱えてどこへ向かうのか。

 http://www.sankei.com/premium/news/170928/prm1709280008-n1.html
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