休みを申請して、国立新美術館の「ミュシャ展」に行ってきました。あれ、 会期始めの月曜午前中なのに、なんですかこの混みようは!?
http://www.mucha2017.jp/
そういえばミュシャ (ムハ) の絵、昔は画集を買うほど好きだったけど、最近は回顧展に行ってないなぁ。表現力は卓越してはいるけど、大半の作品は「女性を美麗に描く」ことだけに力が注がれてるので、絵自体に深みは無いしね。(←偉そうな。)
けど今回の「ミュシャ展」は、違います。なにしろ生涯の傑作とされる「スラヴ叙事詩」全20作が、海外初の公開です。1枚で4x5m 〜 6x8mという大きさにも驚かされますし、お得意の「美麗な女性」ではなく、画家自身の帰属する「スラヴ民族」の歴史を描くという、主題性の強い連作なのも興味深いです。
そうはいっても、実際に見ると「美麗な女性のミュシャ」の名残りがありますね。全体的に明るめの色合いとか [画像左][画像右]、ポーズ決めてるような女性が配置されてたり [画像中 (部分)]とか。
その一方で本作が映し出しているのは間違いなく、それぞれの時代の、懸命に生きるスラヴの人達の姿です。ミュシャが並々ならぬ情熱でもって制作に打ち込んだ跡が、滲み出てるように思えてなりません。
苦難を重ねながらも生きてゆく民族の力強さと、それとはまったく相反する表層的な美しさが不思議と溶け合い、巨大なキャンバスから観る者の心に迫ってくる...こんな絵画は他にないんじゃないかと。
まあ色々と御託ならべましたが、誰でも楽しめる素晴らしい特別展だと思います。オススメ度を言葉にするなら、「ミュシャ展行くなよ! ぜったい行くなよ!」的な。
p.s. 車イスの方は、目線が低いのですよね。ただでさえ立ってる人の背中で見にくいのに、夢中で絵を観てる人が気付かずに歩いてきて視界を大きく塞いじゃってることが、多々起きてました。
塞いだ本人も悪気はないし、ただでさえ混んでるので車イスの方も不満は漏らしてませんでしたが、なんか残念。混んでても、みんなが楽しめるといいなあ。
...っていう私も「思っただけ」で終わってしまってますが。う〜む。
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