mixiユーザー(id:12789358)

2016年12月11日17:41

235 view

他人事ではない

ここ2週ほどの文春の「ユニクロ潜入記」の記事は、結構興味深く読ませてもらった。

一時期、「9割がバイトでも最高のスタッフに育つディズニーの教え方」とか「スターバックスの教え方」とか、ユニクロ本とか流行った時期があったけど、要はアルバイトにも正社員並みの仕事をさせて、職場全体の生産性を高めようって話。僕の会社なんか特にこの3年ほど、そこらへんの知識を実践に移し始めている気がするけれど、でもそれって要するに人件費の抑圧じゃんって僕は思っている。

アルバイトでも非常勤でも短時間労働者でも呼び方はどうでもいい。“その人にあった自由な働き方”なんて綺麗ごとの台詞でごまかしてるけど、要は非正規雇用でボーナスをカットして、いつまでたってもベースアップしないお給料で、年齢を重ねて使い物にならなくなったら使い捨てにしちゃおうという発想。事業は拡大するけど、新しく雇い入れる人間は非正規雇用ばかり。事業拡大と人件費の抑制を両輪にして、事業収入をあげていこうっていうやり方。

一方でこの間の電通の女性社員の自殺なんてさ、まあ死んだ彼女があれほどの美人じゃなかったらマスコミもあそこまで取り上げたかどうかわからないけど、なんでそんなになるまでサービス残業やってたかね。死んじゃったら元も子もないんだから、とっとと逃げればよかったじゃん、なんて思うんだけど、せっかくいい大学出て、大企業に正社員で就職して、でもそこをドロップアウトするなんて、一気にネットカフェに寝泊まりする負け組に転落かってイメージしかなかったんだろうなと思う。そんな選択肢は最初から思いもつかないほど、余裕のない窮屈な社会ってことなんじゃない。

いつまでたっても給料が上がらない非正規雇用の階層。その上に位置するけれど、いつ果てるともないサービス残業に押しつぶされそうになっている正規雇用の階層。そのピラミットの上に鎮座した既得権者が超過利益を得て、普通労働者の利益までも独占している社会。要はそれがアベノミクスの正体なんじゃないの。と、最近やっとわかってきた気がする。

そんな社会からは逃げるしかないなって思って、自分なりにがんばってるけど、その考え方を身近な人間に説明できるかっていうと、どうも自信ないんだよな。真面目な人ほど上手く掌で踊らされちゃってるからさ、下手に本音を出すと怒らせちゃうんだよね。なんとかうまく誤魔化して、目立たぬようにひっそりと、なんだけどね。

今週の映画は「マネーモンスター」(監督:ジョディ・フォスター/出演:ジョージ・クルーニー、ジュリア・ロバーツ)を観ました。司会者リー・ゲイツの軽快なトークと財テク情報で高視聴率を稼ぐ人気テレビ番組「マネーモンスター」の生放送中、ディレクターのパティは、スタジオ内に見慣れない男がいることに気付く。

人間のドラマ、という意味で、久しぶりに映画らしい映画を観たな〜、という感じ。でも出だし、かなりのゲス野郎として描かれていたジョージ・クルーニ演ずる司会者が、後半、急に正義漢に変貌しちゃって、最後はジュニア・ロバーツといい感じで終わっちゃうのはどうなんだろう。まともなこと言ってたのは、犯人の恋人だけだったって気がするけどね。
2 0

コメント

mixiユーザー

ログインしてコメントを確認・投稿する