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2016年11月30日00:03

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霜月50句です。

霜月50句です。

熊手持ち見世物小屋を見て帰る
校了の後の誤謬や冬櫻
酉の市夜の屋台は妖しけれ
菊花展夜の菊たち蠢きぬ
迫り来る湘南の波今は秋
菊花展深夜の菊の蠢きぬ
菊花展深夜の菊の美しく
行く秋の名残を止め奥手の田
奥手田の刈跡黒む一時雨
奥手田の雲を彩る夕焼けに
夕焼けにしょんぼりと立つ破れ案山子
雪筋を格子に見立て木遣り歌
命日の多き月ありしん暦
花吹雪傘をさすなら日照り傘
朧夜の恋に迷いしわが心
忍ぶ山口舌の種の恋の風
恋の風吹けども傘に雪持って
淡雪と消えてはかなき恋路とや
夕暮れのちらちら雪の濡れ鷺の
月影や縁を結ぶ神さんの
鐘の音諸行無常の声ならむ
詩に歌う今様侘しだた独り
寝られぬ雨の窓打つ音聴けば
燈火のまたたき残る夜もすがら
芙蓉花疎き人には笑はれん
芙蓉花衰え露の光なし
老い果てて音をのみ泣くぞあはれなる
移されて来ては六十路の秋空し
花に鳴き軒の燕は雨を呼ぶ
薫り来て行幸を待つぞ麗しき
口切の茶会の闇よ奥に釜
鉄瓶の沸く古民家の奥の闇
尋ぬるに津ノ国難波の天王寺
二の酉の店片付きし須賀の杜
銀杏散る路コリアンセンターの
銀杏散る下くじ求む車夫の傘
雪筋を格子に綾めスキー場
彼岸より遥か遠くを見る鷹よ
石橋を挟み山人と聖立つ
秋灯として警官の灯光る
徳若に万歳御代も栄えまし
新玉の年立ち返る朝より
やしょめ優女売ったるものは鯛に鰤
恋草の繁れる峰の八重葎
惚れ草の縁桔梗と萩夫婦
風の音は静まりはてて千代呼ばふ
栄え行く御園の松に雛鶴の
この上に幾重降り添ふ雪ならむ
立ち返る年の朝日に梅の花
大君の千代田の宮の梅の花
新玉の年の始めの梅の花
新しき年の寿詞言ひかはす
綱引きの悔い引きずられし芝の跡

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