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2016年09月22日23:20

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朝鮮労働党幹部、金日成教示を潰す

 下記は、2016.9.22 付の【朝鮮大学校 60年の闇(下)】です。

                        記

 2011年、韓国の捜査当局は北朝鮮の工作員によるスパイ事件「旺載山(ワンジェサン)事件」を摘発した。約20年間にわたり北朝鮮の工作機関「225局(現文化交流局)」の指示で地下活動を続けていた北の工作員は、韓国の政財界に深く浸透し、都心部でのテロ活動まで企てていたとされる。

 産経新聞社が入手した韓国の捜査資料に「225局」の指示を受ける日本側の責任者として、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の現職副議長とみられる名前があった。

 副議長は北朝鮮の初代権力者で主席の金日成(キムイルソン)の思想を絶対化する主体思想の研究者として知られ、朝鮮大学校政治経済学部の学部長まで務めていた。

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 今年2月、警視庁に摘発された朝大元経営学部副学部長も「225局」の指示を受け、韓国での政治工作に関与していたとされている。東京地検は不起訴処分にしたが、これらの事件に依拠しただけでも朝大が北朝鮮による工作活動の拠点の一つだったことは疑いようがない。

 「225局」のトップを務め、総連関係の資金、人事、情報を一手に牛耳っていたのが北朝鮮総書記、金正日(キムジョンイル)の側近、姜周一(カンジュイル)(2014年死亡)だ。

 副議長は姜に目をかけられ、トントン拍子で出世を果たす。機密情報が漏れることを恐れ、次第に朝大の同期生との付き合いを避けるようになった。1997年、主体思想の生みの親とされた黄長●(=火へんに華)(ファンジャンヨプ)が亡命したときは粛清の危機にあったが、姜が守り抜いたという。

 やがて、姜と、それに盲従する総連幹部は朝大を意のままに操り、金日成ら一族の指示(教示)までねじ曲げるようになる。

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 「ちょっと別室に残れ」

 82年、訪朝した総連議長、韓徳銖(ハンドクス)らが平壌で金日成の接見を受けた後、同席していた労働党幹部はぶぜんとした顔つきで韓らに命じた。腰を抜かすような言葉を金日成が放ったからである。

 「これからは、朝鮮高級学校(高校)から日本の大学へ送り、先端知識を学ばせて人材育成を行い、祖国(北朝鮮)へ貢献させるのがいいだろう」

 総連によって民族教育の最高機関と位置づけられた朝大への進学にこだわらない考えを明らかにしたのだ。神のごとく崇拝してきた金日成の教示は絶対だが、公になれば総連幹部はメンツを失い、組織が潰れてしまうという強迫観念にとらわれた。

 「いったん(朝鮮労働)党で再検討する。教示は『非公開』だ」

 党幹部は韓らにそう告げた。総連幹部の生殺与奪を握っていたため有無を言わせなかったが、韓が安(あん)堵(ど)の表情を浮かべたのは想像に難くない。

 朝鮮学校では朝鮮語で授業が行われていたが、金日成はこの前年、「国語(朝鮮語)は『語学』として教えればよい」との考えを示していた。だが、この教示も握り潰される。タブー視されてきた日本語を語学習得のため授業で使っても構わないという意味合いがあったが、総連は受け入れることができなかった。

 結局、党・総連幹部に都合の悪い教示が握り潰されることは、金正日の時代になっても続いた。

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 30代の朝大外国語学部OBは卒業旅行で訪朝したとき、金日成総合大学の教授が「(金日成の思想を絶対化する)主体思想は戦略のために作った」と公然と言い放ったことに驚いたという。朝大では決して講義されることのない指導内容だったからだ。

 党幹部らが最高権力者の威厳を利用しながら、自らの保身のため握り潰した数々の不都合な教示は、いまだに朝大在校生の耳には届いていない。総連の主導で自己矛盾をはらむことになった朝大は闇を深めながら、自壊の道を突き進んでいる。(敬称略)

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 この連載は喜多由浩、比護義則が担当しました。
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 http://www.sankei.com/premium/news/160922/prm1609220024-n1.html
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