オホクニヌシは、強い弓矢をもつお方でヤチホコとも呼ばれておった。
ところがこの神は色ごとにかけても並ぶ神はいないほどでの、
口の悪いやからは、おのれの身のホコがすごいからヤチホコ様じゃと言うて笑うておるがの、
そのヤチホコが高志のヌナカハヒメを妻問いしたときのヌナカハヒメの返歌は、
あの青い山に 入り日が隠れ行けば
ヒオウギの実にも似た 闇の夜が顔をだす
その時あなたは 朝の日の笑顔を見せて
ま白き綱にも似た わが腕を
あわ雪に似た わが若き胸のふくらみを
そっと抱きしめ やさしく撫でていとおしみ
なめらかなわが手と たくましいその手をさし巻いて
からめた足ものびやかに 尽きぬ共寝もいたしますゆえ
はげしくつよい 恋いの焦がれも今しばらくは
ヤチホコの いとしいお方よ
三浦祐介著 口語訳 古事記より
オオクニヌシの神の妻たち
スセリビメ(スサノオの娘)、ヤガミヒメ(稲羽)、ヌナカワヒメ(高志)、タキリビメ(胸形の奥つ神)
出雲の神にあやかりたいものだと思っていたが、
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